初夏から秋にかけて、カラフルな花を咲かせるナスタチウム。
食べることのできる花(エディブルフラワー)として料理にトッピングされていたり、観賞用として親しまれていますよね。
ですが、スーパーなどではなかなか見ないので「そもそも食べられるの?」と思う方も多いのではないでしょうか。
食用としてだけではなく、観賞用としても楽しめることから、
「家でも育てたいけどどうやって育てるの?」
「長い間楽しむにはどうするの?」
という方もいらっしゃいますよね。
今回は、そんなナスタチウムの食べ方と育て方、増やし方のコツとポイント等をご紹介します。
目次
ナスタチウムの食べ方は?花も葉も食用にするのはOKなの?
ナスタチウムは、色鮮やかな見た目から、なかなか食用のイメージがわきにくいところ。
ですが、実は食べることができるんですよ。
最近は、レストランなどでエディブルフラワー(食用の花)として彩りに使われていることも増えてきています。
食用とはいえ、花を食べる習慣があまりない方は結構驚きますよね。
では、ナスタチウムの味や香り・どういった料理に使われているのかをご紹介しましょう。
ナスタチウムは、どの部分を食べるの?
ナスタチウムは、「花」と「葉っぱ」と「若い種」を食べることができます。
未熟な種は、酢漬けにして食べることができ、ケッパーの代用として楽しまれていますよ。
食べられる時期はいつ?
食べられる時期は、花が咲く6月~10月頃です。
植える時期によって開花の時期は変わってきますよ。
どんな味や香りをしているの?
花も葉も、ルッコラやクレソンに似て、ピリッとした少し刺激のある味をしています。
香りは特に強くないので、味の相性が良ければどんな料理にも使えそうですね。
どんな料理に使えば良いの?
それでは、いくつかざっとご説明しましょう。
【サラダ】
フレッシュな香りを味わうなら「サラダ」が一番適しています。
また、花は色鮮やかなので、お皿を華やかにしてくれますね。
さわやかな風味は、生春巻きなどにもぴったりですよ。
【肉料理の付け合わせ(薬味として) 】
ピリッとしたワサビのような風味なので、油っこいお肉料理と合わせるとさっぱりと楽しむことができます。
どんどん食べれてしまうので食べ過ぎには注意ですね。
【サンドイッチの風味付け】
バターやマヨネーズなどでこってりしがちなサンドイッチも、ナスタチウムの葉を一枚はさむだけでさわやかな味と香りを楽しむことができます。
卵やハムとの彩りもよさそうですね。
いかがでしょうか?
このように、ナスタチウムは観賞用だけでなく、食用としても楽しむことができるんですね。
ピリッとした味は、サラダや肉料理の付け合わせとしておいしくいただけますよ。
あまり食べたことない方も一度試してみてはいかがでしょうか。
ただし、花は鮮度が大事なので市販で買えるところは少ないんです…。
そんな時は、お庭の彩りついでに「育ててしまう!」という方法もありますよ。
実は、ナスタチウムは栽培初心者の方にも簡単に育てられるんです!
「初めてだけどどうやって育てるの?」
と疑問に思っている方のために、初心者でもできるナスタチウムの育て方をお伝えしますね。
関連記事
ナスタチウムの育て方!種から育てる?苗から育てる?
ナスタチウムは蓮に似た丸い葉っぱと、オレンジや黄色など鮮やかな暖色の花を咲かせることから「金蓮花(キンレンカ)」という別名があるんです。
名前の響きが可愛らしいですよね。
丸っこい葉っぱや色鮮やかな花は見た目にも珍しく、ガーデニングのアクセントとしてもぴったりですよ。
そんなナスタチウムは比較的栽培が簡単なので、初心者の方にもおすすめです。
育て方は2つあります。
- 種から育てる方法
- 苗から育てる方法
では、育てるうえで気をつけることを、7つのポイントに分けてご紹介します。
ナスタチウムを上手に育てるには大事なポイントになってくるので、きちんと目を通してくださいね。
(1)用土・プランターの選び方
ナスタチウムは、水はけのよい通気性の良い土を好みます。
食用で育てるなら野菜用のものを選ぶと良いでしょう。
品種によって大きさが30㎝~3mものなど幅があるので、植える前にチェックしておきましょうね。
プランターの大きさは15~18㎝(5~6号鉢)に1株が適しています。
庭に植える場合は20~30㎝程間隔を空けて植えてください。
(2)種まきの時期
ナスタチウムが発芽するための適温は、20℃前後です。
そのため、種まきはやや暖かくなった4月~5月が適しています。
そのままだと1年で枯れてしまう一年草なので、他の場所に植え替える必要はありません。
(3)植え付け
【種から育てる場合】
ナスタチウムは発芽率が高いので、主に種から育てます。
育苗ポットを使ってもいいですし、プランターに直接まいても発芽してくれますよ。
種から育てる手順は以下の通りです。
- 育苗ポットやプランターに土を入れる
- 育苗ポットの場合は一か所の穴に種を一粒ずつ入れ、プランターの場合は等間隔で種を植える
- 1㎝ほど土をかぶせ、日陰で管理する(種の状態では光を嫌う性質があります)
- 土が乾かないように水やりを行う
- 1週間程度で芽が出てくるので、育苗ポットで育てていた場合は広いところに植え替える
【苗から育てる場合】
一つ注意しておきたいのは、食べるために栽培を行う場合は必ず種から栽培することです。
ナスタチウムの苗は育てる段階で農薬を使われていることが多いので、もし苗から育てたい場合は買う前にチェックしてくださいね。
苗から育てる手順は以下の通りです。
- 苗を手に入れたら、すぐに土に植え替える
苗の適した植え付け時期も4月~5月です。 - 密集すると蒸れてしまうので、植える間隔は20~30㎝くらい空けるようにしましょう
- 最初だけ水をたっぷりあげて、後は土が乾いたらあげるようにしてください
暑すぎたり寒すぎる環境は得意ではないので、真夏や真冬に植えることは避けましょう。
(4)置き場所(日当たり)
ナスタチウムは暖かい日向が好きですが、暑すぎたり寒すぎる環境は苦手です。
真夏の時期は直射日光が当たらないような明るい場所に置くようにしてくださいね。
また、冬は日当たりの良い室内で育てると良いですよ。
(5)水やり
水はあげすぎると根腐れを起こしたり、葉や花がつかずヒョロヒョロした茎になってしまいます。
逆に、やや乾燥気味でも問題はありません。
土の表面が乾いていることを確認してから水をあげるようにしましょうね。
(6)肥料
肥料は、野菜用の土を使用していれば基本的には必要ありません。
夏に花が咲き、収穫した後に元気がなくなっているようであれば、少しだけ肥料をあげるようにしましょう。
肥料をあげすぎるとアブラムシなどの害虫が寄ってくる原因にもなるので気をつけたいところです。
(7)収穫
花の付きをよくするため、花が咲いたら都度収穫するようにしてください。
また、花が咲き終わって枯れた後の花がらもこまめに取り除いてあげることが大事です。
【害虫の対策】
ナスタチウムは、病害虫の影響を受けることは少ないですが、新芽の時期や葉の裏などはこまめにチェックした方が良いです。
発生しやすい害虫は、「アブラムシ」と「ハダニ」、「ハモグリバエ」です。
アブラムシは、多湿の環境を嫌うので、葉の表面を「霧吹き」で濡らしたりすることが有効です。
または、粘着テープで取り除いたり白っぽくなった葉は取り除くといった方法も有効ですよ。
ナスタチウムの種は発芽率が高いので、初心者の方にもおすすめです。
種の状態では光を嫌う性質があるので、しっかり土をかぶせて発芽するまで待ってあげてくださいね。
苗の状態から育てる場合は、農薬が使われていないか確認することが大事です。
また、ナスタチウムは暑すぎたり寒すぎる所が苦手なので環境を整えて育てましょう。
ところで・・・
ナスタチウムはだいたい1年で枯れてしまいますが、花が咲く前に「ある作業」をすると、秋からも花を咲かせることができるんです。
ちょっと気になりませんか?
せっかく植えたナスタチウムは長い間楽しみたいですよね。
では「どうやったら増やせるの?」という方にナスタチウムの増やし方をお伝えしていきます。
よく読まれている記事
ナスタチウムの増やし方!切り戻しが重要なの?
ナスタチウムを増やす方法には、大きく分けて「種まき」と「挿し木」の2通りがあります。
それぞれご紹介していきますね。
種まき
ナスタチウムは、花が咲き終わった後に種を作ります。
この種を採取しておくことで、株を増やしたり次のシーズンも楽しめたりするんですよね。
種は、花が咲き終わった後に、大きくなって自然に地面に落ちます。
落ちるまで待つか、落ちる前に収穫する時には完全に乾燥させてから植えるようにしましょう。
植え付ける時期までは、発芽しないように「冷蔵庫」など、寒くて暗いところに保管しておくといいですよ。
植え付けの前には薄皮をはがし、一晩水に浸してから植えるとさらに発芽率がアップしますので。
挿し木
挿し木を行うのに適した時期は、6月です。
方法は、以下の通り。
- 茎の長さを10㎝程度に切る
- 先端に葉を3枚程度残して、あとはすべて取り除く
- 挿し木をするポットの中に土を入れ、茎を挿す
- 1週間~10日程度で根付くので発根を確認してからプランターや地面に植えてあげてください
挿し木を行う際は、日陰で乾かさないようにしてくださいね。
【ナスタチウムの元気がないときは?】
ナスタチウムの元気がない原因は、大きく分けて2つあります。
1つ目・・・水や肥料のやりすぎ
2つ目・・・葉が密集して湿度が高い
です。
ここでは、それぞれの解決法をお伝えします。
(1)水や肥料のやりすぎ
上でも説明しましたが、ナスタチウムはやや乾燥している環境を好みます。
水を上げるときは土の表面が完全に乾いているか確認してからあげるようにしてください。
また、肥料をあげすぎると茎ばかり育って食べる部分の葉や花の育ちが悪くなってしまいます。
もし肥料を上げるのなら、真夏に弱っている時のみにしましょうね。
(2)葉が密集していて湿度が高い
ナスタチウムは暑さや寒さに弱いので、ちょっとした環境の変化で元気がなくなることがあります。
茎がひょろっとしてきた時は「切り戻し」という作業を行うと元気を取り戻してくれますよ。
(切り戻しとは?)
しぼんだ花の部分や葉の量が多く蒸れていそうなところを切ってさっぱりさせることです。
こうすることで息を吹き返し葉の勢いが元に戻り、秋にも花を咲かせてくれます。
枯れてしまったように見えても切り戻しを行うことで元に戻る可能性があるので、あきらめずに待ってみてください。
切った茎は上で紹介した挿し木で使えるので有効活用しましょうね。
ナスタチウムを増やすには、もとの苗が元気であることが必須条件です。
元気よく育つように環境を整えてあげてくださいね。
それでは、ナスタチウムについてたくさんお伝えしてきましたので、最後にまとめましょう。
関連記事
まとめ
今回は、ナスタチウムの食べ方と育て方、増やし方のコツとポイントをご紹介しました。
観賞用のイメージがあるナスタチウムですが、食用のものも増えてきています。
サラダやお肉料理の付け合わせなどの料理に使って味や彩りを楽しんでください。
種の発芽率が高いので初心者の方でも種から簡単に育てることができますよ。
育て方は7つのポイントを参考にしてみてくださいね。
ナスタチウムは、挿し木や種まきで増やせますが、
- 水や肥料のやりすぎ
- 葉の密集
には気をつけてあげてください。
色鮮やかな食べられる花で普段の食事を華やかな食卓にしてみませんか?
おすすめ記事