鉢いっぱいに溢れるように豪華なお花をたくさん咲かせるサフィニア。
春夏のガーデニングでは定番のお花ですね。
サフィニアにはたくさんの種類がありますが、どれも丈夫で育てやすく、初心者でもチャレンジしやすいお花です。
挿し芽や冬越しなども、比較的簡単にできますので、好みの品種を見つけて育ててみてはいかがでしょうか?
今回は、サフィニアの種類や育て方、挿し芽や冬越しの方法、そして寄せ植えのコツについてお話ししていきます。
目次
サフィニアはペチュニアと違うの?種類があるの?
まず最初に、サフィニアがどんなお花なのか、お話ししていきます。
ガーデニングが好きな方は、「サフィニアとペチュニア、お花もそっくりでよく似ているけど、何が違うんだろう?」と思ったことはありませんか?
サフィニアはペチュニアの園芸品種なので、基本的には同じもの。
サフィニアは、1989年にサントリーと京成バラ園による共同開発で誕生したお花です。
ここでちょっと、サフィニアの開発されたきっかけについてお話ししますね。
ペチュニアは江戸末期に伝来し、ツクバネアサガオと呼ばれ、長く愛されてきたお花でした。
しかし、サフィニアが開発された1980年代には、ウィルス病に弱く、育てるのが難しいお花としてあまり人気がなかったんですね。
そんな中で、サントリーの研究員がブラジルに出張していた際に、道端に咲いていた小さなほふく性のペチュニアを目にします。
その魅力的な姿を再現しようと開発したのが、サフィニアでした。
「挿し芽で増やせる栄養繁殖が可能で、耐暑性、耐雨性にすぐれ、春から秋まで咲きつづける花」
これを目標に開発されたサフィニアは、販売されるとあっという間に人気が出て、その後のガーデニングブームの火付け役となりました。
1991年にドイツで開催された国際園芸展でグランプリを受賞したこともあり、世界的にも人気があります。
毎年のように新しい種類が開発され、今でも愛されて続けているサフィニアは、たくさんの種類があるお花なのです。
では、サフィニアにどんな種類があるのでしょうか?
6種類ご紹介しますね。
【サフィニア】
サフィニアといったら、まず思い浮かぶのがこの種類で、最も標準的なタイプのお花です。
波打つように枝を伸ばして、たくさんのお花を咲かせます。
色も紫、赤、黄色、白、ピンクと豊富で、7〜10cmの大輪系と、4〜6cmの中輪系があります。
【サフィニアマックス】
80〜120cmとサフィニア史上最も大きな株になる種類です。
サフィニアよりも高さがあるタイプで、ボリュームのある花姿になりますよ。
大きく育ちますので、鉢植えや花壇だけではなく、地表面を覆うグランドカバーとしても利用できます。
この種類は近年、あまり流通していないので、入手しにくくなってしまいました。
【サフィニアハート】
花弁にユニークな模様が入る、変わり咲きのタイプです。
特に2016年に発売された「ももいろハート」は、白い花弁にピンク色のハート模様が印象的なお花です。
生育力旺盛で、良く枝分かれして育てやすいことも、人気の理由です。
【サフィニアブーケ】
葉と葉の間が短く、まとまって花を咲かせる様子がまるで花束のような種類です。
お花も3cm程度と比較的小型で、狭い所でも育てやすいので、ベランダ園芸などで人気です。
まとまりのよい株姿で、きれいなドーム状になります。
【サフィニアフリル】
他のペチュニアでもなかなかお目にかかれない、八重咲きの美しい花弁の重なりが特徴的な種類です。
フリルをたくさん重ねたようなお花は、一輪一輪は3cm程度と小さめですが、たくさんのお花を咲かせた姿は、とても豪華で見栄えがします。
【すぐ楽サフィニア】
今までご紹介してきた種類とはちょっと違いますが、ポットに2色のサフィニアやサフィニアフリルを植えて販売しているタイプです。
寄せ植えをしなくても、2色のお花が混ざった株が楽しめますよ。
この他にも、花が咲いている状態で販売されているのですぐにお話しが楽しめる「花つきシリーズ」や、2、3週間水やりするだけで満開になる「まもなく満開鉢」なども販売されています。
色々な種類があって育てやすいサフィニア、育ててみたくなりますね。
では、続いてサフィニアの育て方について詳しくお伝えします。
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サフィニアは、花期を長くするために、不棯性といって種ができにくいように品種改良されています。
理由は、種ができてしまうと、株としての寿命を終えようとして、それ以上は花が咲かせなくなるから。
初めて育てる場合は、苗を購入して育てて行きましょう。
【植え付け】
3月上旬から5月下旬くらいまで苗が販売されて、この頃が植え付けの適期です。
サフィニアは日当たりと風通しの良い場所を好みます。
なので、半日以上直射日光が当たるようなところで育てて下さい。
波打つような枝が魅力ですので、少し背の高い植木鉢に植えると、枝が溢れるようになってきれいですよ。
私はプランタースタンドを使って高さを出しています。
サフィニアは大きく枝を伸ばしますので、株間を空けて植え付けていきます。
直径30cmの鉢に植える場合、サフィニア、サフィニアマックス、サフィニアアートで1〜3株。
サフィニアブーケ、サフィニアフリルで、2〜3株が目安です。
【用土】
水はけが良く、肥沃な土を好みます。
なので、鉢植えの場合は一般的な草花用土を使用し、地植えの場合は堆肥や腐葉土を良く漉き込んでください。
鉢底石を使用すると、通気性や排水性が向上するので、おすすめですよ。
サントリーからはなんと、「サフィニアの土」という商品も発売されています。
サフィニアの栽培に適した培養土で、排水性がよく、初期育成時に必要な栄養素が全て混ざっています。
これを使うとより簡単ですね。
【肥料】
サフィニアはお花をたくさん咲かせる分、多くの肥料を必要とします。
植え付け時には、緩効性肥料を混ぜ込んでおき、2、3週間後からは液体肥料を与えます。
一週間に一度、9月頃まで続けるのが目安ですが、頻度はお手持ちの肥料の記載を参考にしてください。
私は忘れないように、「月曜日は肥料の日」と決めてあげるようにしています。
【水やり】
サフィニアは乾燥に弱いので、土の表面が乾いたら、鉢底から出てくるまでたっぷり水をあげます。
夏の暑い時期は、日中の気温が高い時にあげると蒸れてしまうので、朝夕の涼しい時間にあげてくださいね。
【開花中のお手入れ】
サフィニアは、4月から10月と、とても長い間お花を咲かせます。
枯れたお花はこまめに摘み取り、風通しを良くして置いてください。
この時、花びらだけではなく、花についている茎の先から摘み取るのがポイントです。
こうすることで、余計な部分に栄養がいってしまうのを防げますよ。
また、株の内側の方にある、黄色くなってしまった葉や傷んでしまった葉も取り除いてください。
風通しが良くなって蒸れにくくなるので、長く元気に育ってくれます。
【剪定】
植え付けしてから2、3週間くらいしたら、摘心(てきしん)という剪定をします。
これは、先端の芽を摘み取ることで、花数を増やし、ボリュームある姿にするために行います。
全体の形から飛び出している芽を、鉢の形に沿ってハサミで切り取ります。
鉢全体が葉で覆われるようになるまで、2、3回繰り返してください。
サフィニアブーケは、摘心がいらないように改良されていますので、この作業は不要ですよ。
それともう一つ、花が少なくなってきたり、株姿が乱れてきたら、切り戻しという剪定を行います。
鉢の外周ラインに沿って、全体の茎を大胆にカットします。
この時、株元に葉があるかどうか、確認してください。
葉のない茎は、分枝する芽がなく枯れてしまうので、注意が必要です。
サフィニアは多湿に弱いので、梅雨に入る前にに一度切り戻しをすると、蒸れを防いで元気に梅雨を乗り越えてくれます。
また、私は8月中に最後の切り戻しをして、10月にもう一度お花を楽しんでいます。
ところで、最初にちょっとお話ししましたが、サフィニアは種ができにくいです。
そのため「挿し芽」で増やしていきます。
たくさん花をつけたサフィニアをもっと楽しむために、次は挿し芽の方法についてお話しましょう。
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サフィニアは挿し芽がしやすいように品種改良されています。
なので、比較的簡単に増やすことができますよ。
挿し芽は4月から10月の、サフィニアが成長している間はいつでもできます。
ただし、真夏は暑さや蒸れで弱りやすいので避けた方が無難です。
私はいつも、摘心や切り戻しをした茎を使っているので、5月から6月の梅雨入り前にしています。
具体的な方法を説明しますね。
まず、サフィニアの茎を10cmほどで切り取り、葉が3、4枚残るようにして下葉を取り除いて挿し穂を作ります。
この時、つぼみや花がついていない茎を選ぶか、ついていたら摘んでおくようにしてください。
葉っぱなどはつい手でちぎりがちですが、きちんと清潔なハサミを使うことで、雑菌が繁殖するのを防ぎ、根が出やすくなりますよ。
用意した挿し穂は、水に1、2時間ほどつけて水あげします。
土は赤玉土や鹿沼土の小粒、川砂などを他の土と混ぜないで使うか、市販の挿し芽用の土を使い、育苗箱などに入れて湿らせておきます。
挿し穂を3cmくらい土に埋まるようにさして、明るい日陰で乾燥しないように管理します。
この時、ルートンやネメデールなどの発根促進剤を塗ると、発根率が高まり失敗が少ないですよ。
私は、ちょっと楽をして挿し芽用の土で発根促進剤入りのものを使っています。
1か月ほどして新芽が出てきたら、きちんと根がついた合図です。
【植え付け】と同じように、新しい鉢に植えてあげてくださいね。
さて、せっかく育てたり増やしたりしたサフィニアですが、冬越しできるかと気になっている方もいるでしょう。
そこで、続いてはサフィニアの冬越しについて、お話ししていきます。
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サフィニアは寒さに弱いため、一般的には一年草として扱われています。
ですが、本来は多年草なので、暖かい地域や室内で管理することで「冬越し」が可能です。
まず、冬越しの準備として、9月中から緩効性肥料を与えて、冬越しのための体力をつけておきましょう。
また、花が咲き終わった後に切り戻しをして、コンパクトな姿にしておきます。
日中は日が当たる暖かいところにおき、夜間は軒下など霜があたらないところに移動してあげましょう。
気温が5℃を下回るようでしたら、室内に入れてください。
冬越し中は休眠期なので、お水は控えめにして、一週間に一度くらいを目安にあげます。
3月ころ、霜が降りなくなってきたら、ひとまわり大きな鉢に植え替えてあげてくださいね。
サフィニアは単体でもボリュームがあって楽しめるお花ですが、寄せ植えにしたい方もいると思います。
ただ、どうすれば良いのか具体的に分からなくて、二の足を踏んでいる方がいるかもしれません。
そこで、続いてはサフィニアの寄せ植えのコツやポイントについてお話ししていきます。
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サフィニアの寄せ植え!コツやポイントや注意点は?
サフィニアは種類が豊富なぶん、どんなお花と寄せ植えにしていいのか、かえって悩みますよね。
寄せ植えの基本は、生育条件が近いお花同士を組み合わせることです。
そうすると、どれか一つが枯れてしまったり、お花が咲かなかったりというトラブルを避けられますよ。
それでは日当たりが良く、風通しがいいところを好むサフィニアと同じ環境で育つお花には、どんな種類があるのでしょうか?
- サフィニアに良く似たカリブラコア
- 小さなサクラのような花を密集して咲かせるバーベナ
- セージやオレガノ、サルビアなどのハーブ類
などは、サフィニアと生育環境が似ているので、相性がとてもいいです。
また、サフィニアの花を主役にする場合は、ヒューケラやアイビー、シロタエギクなどの葉物と組み合わせてもいいですね。
もちろん、サフィニアだけを何色か組み合わせて寄せ植えにするのもおすすめです。
サフィニアは色も豊富なので、全体を同系色にまとめるとシックな印象になり、多色使いをすると明るく華やかな印象になりますよ。
種類が豊富なサフィニアは、組み合わせ次第でお好みのイメージを作りやすいので、楽しみが広がりますね。
それでは、サフィニアについてたくさんお伝えしましたので、最後にまとめましょう。
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まとめ
今回は、サフィニアの種類や育て方、増やし方等についてお伝えしました。
サフィニアはサントリーと京成バラ園が開発した、ペチュニアの園芸品種です。
サフィニアアートやサフィニアフリルなど、たくさんの種類があります。
育て方は、3月から5月に苗で植え付け、日当たりと風通しの良いところで育てます。
土の表面が乾いたらたっぷり水をあげ、液体肥料を定期的に与えてください。
摘心や切り戻しで、花数を増やしたり、少なくなったお花をふたたび咲かせられます。
挿し芽をすると、簡単に増やせます。
寄せ植えは、良く似た生育環境を好むものと組み合わせるのがポイント。
たくさんのお花を咲かせてくれるサフィニアを育てて、ステキなガーデニングを楽しんでくださいね。
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