ポピーの育て方はご存じでしょうか?
4月の終わり、遊びに行った先で赤、オレンジ、黄色で埋め尽くされた花畑に遭遇しました。
目にも鮮やかで、とても素晴らしい光景でした。
そう、これはポピーでいっぱいの花畑だったのです。
ポピーには種類がありますが、こちらもご存じですか?
そういうわけで、今回はポピーの種類から育て方、合わせて増やし方、寄せ植えなどのコツやポイントについてお話していきます。
目次
ポピーとは?開花時期や種類、特徴について
ポピーは昔から日本にあって、『ひなげし』とか『虞美人草』という名で知られてきました。
おなじみの花ですよね。
ポピーは、薄い紙で作ったような花びらが春の花壇を彩ります。
花の時期は3~6月頃になるでしょうか。
可憐な雰囲気もあるのに、花色が赤、オレンジ、ピンクであでやかな雰囲気もあります。
このあでやかな色は、ワインや薬品の色素原料にも使われているんですよ。
そしてひらひらとした花びらを支えているのは、細長い茎。
「実は針金が入ってるのではないか」と思わせるぐらい、上手く曲がったりしています。
ポピーの種類はたくさんありますが、代表的なものを紹介しましょう。
ヒナゲシと呼ばれるシャーレーポピーは、一重咲きから八重咲きまであります。(完熟した種子を除いて全草に毒があるので、注意して下さい)
また、花びらがちぢれたようなアイスランドポピーは、黄色い雄しべが鮮やかです。
以上二つは一年草(※)です。
オニゲシと呼ばれるオリエンタルポピーは宿根草(※)です。
1mの高さになり、10~15cmの大きな花をつけるので、ボタンやシャクヤクのような感じで、見た目も派手です。
他にヒマラヤの青いケシと呼ばれる、ブルーポピーもあります。
今回はポピュラーなシャーレーポピーやアイスランドポピーを念頭に、話を進めていきます。
なお、アヘンの原料となり法律で栽培が禁止されているのは、アツミゲシと呼ばれるものです。
※一年草とは種まき後、開花、結実して枯れるまで1年以内の植物。宿根草とは開花後も枯れず、翌年も繰り返し咲く植物。
ポピーのこと知っていてるつもりでも、今の説明を聞いただけでも、「あーそうだったのか」とかと思った人もいらっしゃるかもしれませんね。
この花のことをさらに知ってもらうため、まずは育て方について話をしたいと思います。
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ポピーの育て方!種まきや植え付け、切り戻し等のコツ
早速、ポピーの育て方を種まきから順を追って説明していきます。
以下にあげていく時期的なものは、お住まいの地域やその年の気候によって違ってくるので、あくまで参考ということで。
・種まき
ポピーの種とりは6~7月になります。
花が終わった後に種ができるので、株が枯れるまでそのまま育てます。
さく果(種のサヤの部分)の上の方にぐるっと小さな穴が空いてきますので、種はそこから採れます。
ポピーの種は「けしつぶ」とも言われるほど小さいのですが、芽は出やすいです。
種まきまでの間、封筒などに入れて風通しのいい場所で保管します。
①種まきは9~10月です。
庭に直まきするときは、細かい砂などと混ぜてまきます。
直まきでなければ、ピート板(ピートモスを固めた種まき用土)やポットにばらまきします。
種にはうすく土をかけるか、かけなくても構いません。
そのあとは、乾燥させないために新聞紙で覆いをした方が無難です。
②本葉が出てきたら、春までに2~3回に分けて間引きをします。
ピンセットを使うと、間引きしやすいです。
③本葉が5~6枚になったところで定植します。
定植は3月下旬までには済ませたいですね。
・環境
ポピーは日当たりがいい場所で管理します。
通気性と水はけがいい環境であることも大事です。
また他の植物にあるように、やはりポピーも高温多湿が嫌いです。
特に梅雨時は混んだ葉をカットして風通しよく、夏場は温度が高くなる場所は避けて半日陰で過ごさせます。
冬は霜に注意です。
鉢植えなら、霜のかからない軒下などに移します。
庭植えなら、株元を腐葉土やわらなどでマルチングをします。
不織布を使ってもできます。
アーチ型支柱を立てて、そこに不織布を被せると、簡単に温室のようなものができますよ。
この温室タイプにすると、開花も早くなります。
・植え付け
ポピーの植え付けは、3月半ばごろからはじめられます。
暖かくなりはじめてからなので、寒い地域だと少し後になるでしょうか。
ポピーは本来移植を嫌うので、植え付けの時はくれぐれも根を痛めないようにして下さい。
根が傷むと育ちが悪くなります。
鉢植えなら、5号鉢なら2株までなら植えられるでしょうか。
無理せず4号鉢に1株でも。
庭植えなら株間を30cmほどあけて植え付けになります。
庭植えはあらかじめ土づくりをしておきますが、つぎの用土のところで詳しく説明します。
植え付け後はたっぷりと水をあげます。
・用土
ポピーの土は、何といっても水はけがいいことです。
鉢植えなら、草花用の培養土に緩効性化成肥料を混ぜたものを使いましょう。
肥料入りの培養土もありますので、肥料がダブらないようにして下さい。
庭植えなら、遅くとも植え付けの1ヶ月前までに腐葉土か堆肥に、緩効性化成肥料をまいて、30cmくらいの深さまでよく耕しておきます。
緩効性化成肥料はゆっくりと長く効果があるのですが、だいたい2~3ヶ月ぐらいですね。
・水やり
土の表面が乾いて白っぽくなった時が、ポピーの水やりのタイミングです。
やるときは、鉢底から水が流れるくらいにたっぷりとやります。
庭植えの場合は自然に降る雨を利用すればいいので、基本水やりは不要です。
ただ何日も雨が降らなくて乾燥したり、近年の猛暑でぐったりしている時は、朝夕涼しい時間帯に水をやります。
・肥料
ポピーは種まきから発芽後、本葉が2、3枚になりポットに移植する10~11月上旬までと、定植の時の3~4月に緩効性化成肥料を月1回与えます。
苗から植え付けた場合は、元肥だけでそのあとの肥料はいりません。
株に元気がない時は液体肥料をあげると効き目はありますが、与えすぎにも注意です。
・剪定(切り戻し)
蒸れを防ぐため梅雨前に混みいった葉をカットしたり、長く花を楽しむために花がら摘みは必要です。
なお宿根草のポピーについては、花後に茎の根元から切り戻しておきます。
・病害虫
ポピーにつく病気に、花の時期につく【立枯病】があります。
株元からくびれて枯れる土壌伝染病で、見つけたら直ちに取り除きます。
水はけの悪さが関係しているので、受け皿に水が溜まったままになっていないか等、普段から気をつけて下さい。
幼苗の頃には【ヨトウムシ】がつきます。
ヨトウムシにつかれると、あっという間に食い荒らされ穴だらけになります。
ヨトウムシは夜中に活動するので、あらかじめオルトランなどの粒剤を株元にまいておきましょう。
以上、ポピーの育て方の説明でした。
いかがでしたでしょうか。
水やりや肥料やりなどは、特に難しくもないですよね。
育て方はもうバッチリでしょうから、続けて増やし方にいってみましょう。
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ポピーの増やし方!株分けや根伏せのポイントは?
ポピーを増やすには、
- 【株分け】
- 【根伏せ】
- 【種まき】
になります。
一つずつ説明しましょう。
【株分け】
宿根草のポピーのみです。
株分けの時期は10~11月になります。
暑い時期が終わって涼しいうちですね。
掘り上げたら、ゴボウのような直根が出てくるので、これを切り分けます。
手で分けにくい時は、ナイフや-ドライバーを使いましょう。
あとは植え付けの手順と同じです。
【根伏せ】
こちらも宿根草のポピーのみです。
時期は同じく10~11月になります。
掘り上げた直根から使うのは、5~7mm程度の太さのもの。
それを3~5cmにカットし、横置きにして土をかけます。
2cmぐらいの深さに埋まれば大丈夫。
根の上下が逆にならないように注意して下さいね。
【株分け】【根伏せ】について以下は共通事項です。
作業は根が乾かないように、素早く作業します。
日陰で作業する方がいいかもしれませんね。
そして、とても大事なことですが、くれぐれも同じ土に植え付けないようするです。
同じ土に植え付けることで連作障害を起こしてしまいます。
連作障害とは同じ科の植物を続けて植えることで、うまく育たないことです。
また土壌伝染病も引き起こす恐れもあるので、新しい土を使いましょう。
そこは、もったいないと思わずに……。
【種まき】
一年草、宿根草のポピーともできます。
ポピーを増やすのは、種まきがいちばん簡単です。
アイスランドポピーやヒナゲシの種はほとんどの店でも手に入ります。
やり方は、「育て方・種まき」に同じです。
オニゲシについては、私は市販の種は今まで見たことがありません。
オニゲシは種からだと開花まで3年かかるようなので、待てない人は苗から育てて下さいね。
育てて、増やして、すると次にくるのは……、そう、お待ちかねの寄せ植えですね。
ポピーの寄せ植えについて、早速お話していきましょう。
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ポピーの寄せ植えのコツとポイントは?
明るくてあざやかで、ひときは目を引くポピー。
組み合わせは、そのあざやかさを引き立てるものであったり、負けないくらいのものであったり、あとはお好みになるでしょうが。
ポピーに合わせて、同じく春から初夏までに咲く植物を中心に以下、選んでみました。
①リナリア
②スイートアリッサム
③バコパ
④ナデシコ
⑤デイジー
⑥ムスカリ
⑦ネモフィラ
⑧ヤグルマギク
⑨カンパニュラ
⑩ルピナス
馴染みが薄いものだけご説明しましょう。
③バコパはかわいい白花の多年草。
⑥ムスカリは青や紫の春の球根植物。
⑨カンパニュラは、ツリガネソウと呼ばれる釣り鐘に似た花をつける植物。
⑩ルピナスはノボリフジとも言われ、小さな花の集まりが藤の花を逆さにしたように咲く植物。
①~⑤はかわいい組み合わせ、⑧⑨⑩はかなり背か高くなるものもありますので、庭に植える寄せ植えでもいいかもしれませんね。
⑥は紫⑦はブルーの花なので、赤系統のポピーとよく合います。
ポピーは根がよく張るので、寄せ植えの時はあまり密に植えないのがポイントです。
ポピーは蒸れるのも苦手です。
鉢植えなら、思い切って大きめの鉢を使った方がいいでしょう。
寄せ植え、長く楽しんでくださいね。
さてポピーを育てていて、上手くいかなくなった経験をお持ちの人もいらっしゃるかと。
おしまいに、ポピーを育てていく中で、よくある悩みとその対処法についてお話します。
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ポピーが咲かない、枯れるなどの原因と対処法
ポピーを栽培していてよくあるのは、おそらく【花が咲かない】【枯れる】といったところでしょう。
ここではその2つについての原因と対処法について探っていきます。
【花が咲かない】
原因①植えた場所が過湿になり、花つきが悪くなっている。
原因②移植時に根を傷つけてしまっている。
対策①ポピーは過湿を嫌うので、水はけ風通しのよさは必要です。
株の間は30cmほど離して植え、受け皿い水が溜まっていたら捨てたり、水はけのいい土を使うなどして下さい。
また混みいった葉を摘み取って、すっきりさせることも必要です。
対策②ポピーは基本、移植を嫌います。
移植時に根を傷つけると、花が咲かなくなったりするので注意します。
【枯れる】
原因①立枯病やヨトウムシやアブラムシの被害が考えられます。
対策①立枯病とヨトウムシについては「育て方⑧病害虫」の欄をご参考下さい。
アブラムシは新芽や葉裏について、植物の汁を吸って害を及ぼします。
あっという間に繁殖するので、見つけたら直ちに駆除しましょう。
アブラムシに対応する薬剤はスプレータイプから粒剤まで、いろいろなものが市販されていますので、探してみてくださいね。
それでは、ポピーの育て方について最後にまとめましょう。
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まとめ
今回はポピーを紹介しました。
ポピーは、薄い花びらが風に揺れて咲く春からの花です。
日当たりよさ、水はけ、風通しのいい環境で育てます。
株分け、根伏せ、種まきで増やせます。
ポピーは根がよく張るので、密にならないよう寄せ植えします。
花が咲かないのは、土の状態が過湿なせいかもしれません。
あでやかな姿もあり可憐な姿もあるポピー、大事に育てて下さいね。
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