芝桜はその名の通り、芝のように地面に広がり、桜に似た形の花を咲かせます。
ほったらかしでも育つという噂がありますが、それは本当なのでしょうか?
また、芝桜を初めて育てる人にとっては、
- 育て方は難しいの?
- 植え替えの方法は?
等は、かなり気になるポイントでしょう。
そこで、今回は芝桜の育て方や植え替えの正しいやり方について、初心者にも分かりやすく解説します。
芝桜はほったらかしでOKって本当?
まず、芝桜はほったらかしで大丈夫という噂がネットなどで見られますが、それって本当なのでしょうか?
結論から言うと、間違いです。
もちろん、管理が楽であることは確かですよ。
しかし、芝桜を家の庭に植えようとすると、土作りや置き場所、剪定、雑草の処理などのお手入れが必要になってきます。
では、なぜそんな噂が立ったのでしょう?
理由は2つあります。
- 地植えの場合は水やりの必要が無い
- 環境が整っていればどんどん育ち、勝手に増えていく
1つずつ説明します。
まず、水やりの必要がないとはどういうことか?
芝桜は湿気が苦手なので、地植えでしっかりと根付いた後の水やりはほとんど必要ありません。
あ、鉢植えの場合や、植え付け後しばらくは水やりが必要ですけどね。
その点については、育て方の項目で詳しく説明します。
次に、芝桜は、山の斜面や民家の石垣に自生している姿がよく見られます。
自生している場所というのは、芝桜にとって最適な環境です。
芝桜はとても育ちやすい植物なので、水はけや風通し、日当たりなどの条件が揃っていると、どんどん伸びてどんどん増えていきます。
こういったことから、ほったらかしでも大丈夫という噂につながったようです。
家の庭や鉢で元気に育てるためには、芝桜に合った土作りや置き場所を選んだり等、人の手によるお世話が必要です
なので、ほったらかしで大丈夫~なんて言って、せっかくの芝桜を枯らしたりしないよう注意してくださいね。
では、芝桜に合った環境を作るには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか?
続いて、詳しく解説して行きましょう。
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「ほったらかしで大丈夫」は間違いでしたが、芝桜の育て方は難しいのでしょうか?
前述した通り「環境が整っていれば」芝桜はぐんぐん成長してくれるので、育て方そのものは簡単です。
その際、ポイントとなるのがズバリ!
「日当たり」と「水はけ」です。
芝桜は、日光が大好きな植物で、半日以上の日照がある、東向きや南向きの場所が適しています。
逆に、湿気は苦手なので、鉢植え、地植え共に、水はけの良い土作りや場所選びが大切です。
植え付けに適している時期は、以下のようになります。
- 9月下旬~11月上旬
- 3月下旬~6月下旬
まあ、簡単に言うと、「寒くなる前」と「暑くなる前」ですね。
では、そんな点を守りながら、準備から水やり、剪定などの方法について説明していきましょう。
【準備】
まずは、事前の準備として「土作り」が必要です。
私は以前、植物に合わせた土作りをせずに植えたことがあり、茎が間伸びして可哀想な姿にしてしまいました…
あなたは、そんなことにならないためにも、芝桜に合った土をしっかりと作ってくださいね。
地植えの場合は、植え付けの1週間ほど前から雑草を抜いて土を耕し、堆肥や腐葉土を2~3割混ぜ込んで土作りを済ませます。
この際、緩効性の化成肥料も混ぜ込んでおくと良いです。
鉢植えの場合は、用意する鉢は苗よりも1~2回り大きいサイズで、土は市販の草花用培養土に、川砂を1~2割混ぜたものが良いです。
鉢底ネットと鉢底石も必要です。
この2つは100円均一でも揃えることができますよ。
【植え方】
準備ができたら、いよいよ植えていきます!
ポットから苗を取り出し、根がまわっている様であれば手でほぐします。
素手だと汚れるので、軍手は必須アイテムです!
地植えの場合は、株同士の間を20~30cm空けて植え付けてください。
ちなみに私はズボラなので、手のひらで間隔を計っています。
鉢植えでも2株以上植える場合は、株同士を20cmほど離して植えましょう。
植え付け後は水をたっぷりあげてくださいね。
【水やり】
地植えの場合は、根付いた後の水やりはほとんど必要ありません。
ですが、植え付け後、根付くまでの約2週間は土が乾かないように気をつけましょう。
そして毎日、土の表面を指で触って、乾いていないか確認するようにします。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりとあげてください。
植物を育て始めた頃、水やり後の受け皿の水をそのままにしておいたら、コバエが発生して大騒ぎしたことがありました。
根腐れの原因にもなるので、受け皿の水は毎回捨てるようにしましょう。
水をあげる時間は、夏は昼間だと土が暑さで蒸れてしまうので、朝のうちにあげるようにしてください。
逆に冬の寒冷地では、気温の低い時間にあげると凍ってしまう場合があるので、昼間にあげると良いです。
【肥料】
肥料については与えなくても十分育ちますが、あげると花付きがよくなります。
地植えの場合は植え付けの際に緩効性の肥料を混ぜ込みますが、更に2月~3月に緩効性の化成肥料を置き肥してあげるといいです。
鉢植えの場合は、草花用の培養土を使います。
なので、植え付け時に肥料を混ぜ込む必要はありませんが、こちらも同じ時期に追肥として、置き肥をしてあげましょう。
量はお使いの肥料の規定に従ってくださいね。
【剪定などの手入れ】
高温多湿が苦手な芝桜。
成長した枝が密集しすぎると、蒸れて枯れてしまいます。
そうならないように、花が咲き終わったら茶色くなった花がらを、茎を残して切っていきます。
蒸れを防ぐことが目的なので、梅雨の時期までに行うようにしましょう。
その他のお手入れとして、目土というものがあります。
株が成長してくると地面から茎がうきあがってくるため、そこへ土をかぶせてかくしてあげます。
また、株同士の間に雑草が生えることがあるので、みつけたらすぐに根っこから抜くようにしましょう。
【注意する病気や虫】
芝桜は病気や虫に強い植物ですが、全く心配はないか?というとそうではありません。
暑くなってくると、ハダニが発生することがあります。ハダニも芝桜と同じく湿気に弱く、乾燥が好きな虫です。
私自身も他の植物に発生した経験があり、そのときは発見が遅く、株全体が枯れてしまいました…。
あなたは、そんな失敗はしないでくださいね。
発見の方法としては、発生しやすい時期によく観察することが大事です。
小さくてとても見つけにくいですが、発生した茎には蜘蛛の巣のようなものがついていたり、葉の色が抜けて白っぽくかすれています。
ハダニをみつけようとするのではなく普段の植物の状態を把握しておくと早めに対処ができます。
発生した場合は、市販の殺ダニ剤での駆除が有効です。
定期的に葉の裏に霧吹きなどで水をかけてあげると予防にもなりますよ。
さて、お世話をしてどんどん育ってきた芝桜ですが、その後に必要なのは、植え替えや、増やし方ですね。
それについても解説していきましょう。
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順調に成長していたけれど、最近花付きが悪くなってきた、間伸びしている茎が目立つ…
そう感じたときは「植え替え」のタイミングです。
根詰まりをおこしている可能性があるので、1回り大きな鉢に植え替えてあげましょう。
適している時期は、植え付けと同じく、9月下旬~10月下旬、又は3月下旬~6月下旬です。
元の鉢から株を抜いたら、根をほぐしながら、古い土をやさしく落としましょう。
根が長く伸びているので、半分~3分の1くらいまでカットし、1回り大きい鉢か、又は地面に植え付けてください。
地植えの場合、植え替えは必要ありません。
次に、良くご質問をいただく「株は簡単に増やせるの?」という疑問についてですが・・・
芝桜の増やし方には、株分けとさし芽の2種類があります。
どちらも簡単なので、ぜひ挑戦してみましょう!
・株分け(適期9~10月)
株分けは、根と一緒に株を切り取って植える方法で、増やすだけではなく、元の株の成長にもつながります。
3号の育苗ポットにおさまる程度の株を切り取り、根を残すように気をつけながら掘り起こします。
ポットに植える前に、古い土や枯れた茎や葉は取り除いておいてください。
土は新しい培養土を使います。
植えたあとはたっぷり水をあげて、ポットの隙間から根が見えるくらいまで成長したら鉢や地面に植え替えます。
新しい根がしっかりと成長するまでは、土を乾燥させないように注意が必要です。
・さし芽(4~5月)
さし芽は、切った茎を土に挿して発根させる方法です。
若い葉がついた5~10cmほどの茎を切り取り、切り口を斜めにカットします。
3号の育苗ポットに赤玉土を入れ、そこへ切り取った茎を3~5本挿します。
挿したあとは水をたっぷりあげて、2~3週間は土が乾かないようにしましょう。
発根して苗が育ってきたら、鉢や地面に植え付けてあとは同じように管理していきます。
それでは、芝桜についていろいろとお伝えしましたので、最後にまとめましょう。
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まとめ
今回は、芝桜の噂や育て方、植え替えの方法について解説しました。
まず、芝桜はほったらかしで大丈夫というのは間違いでしたね。
上手に育てるには、日当たり、風通し、水はけが大切です。
植え替え、株分け、さし芽は土の乾燥に注意しましょう!
芝桜は、芝生のように植えれば雑草の発生を防げるので、ガーデニングの心強い味方でもあります。
地面ではなくハンギングの鉢や石垣に植えるとまた違った印象になるので、ぜひ色々な方法で楽しんでみてくださいね。
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