月下美人の育て方は難しい?植え替えや挿し木のやり方は?

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月下美人の育て方はご存知ですか?

 

月下美人の花は1日だけ、しかも夜にしか咲かない珍しい花です。

そんな珍しい生態から、生で月下美人の花を見るのはとても難しいです。

 

しかし月下美人をご自宅で育てれば、珍しい開花シーンを自分の目で見ることができますよね。

でも育てるのが難しそう…そう思う初心者の方でも大丈夫です!

 

月下美人の育て方や植え替え、挿し木の方法を、分かりやすくご紹介していきますよ。

是非ご自宅で珍しい花を咲かせて楽しんでみてくださいね。

月下美人とは?種類や開花時期は?

それではまず、月下美人がどんな植物なのかご紹介していきますね。

 

月下美人は20〜25cmと大きくて白い花を、夜の間だけ咲かせる珍しい植物です。

開花すると強く甘い上品な芳香があります。

 

月下美人を室内で咲かせると、一輪咲くだけで部屋中に甘い香りが広がりますよ。

原産地はメキシコの熱帯雨林なので、ジャングルの中で目立つためにこの大きさと芳香があるのでしょうね。

 

特徴的な波打った昆布のような茎を持ち、1~2mほど大きくなると、花を咲かせます。

月下美人はサボテン科クジャクサボテン属に属していて、日本に多く流通しているクジャクサボテンとは近縁です。

 

しかし、昼に咲くクジャクサボテンとは違い、月下美人の花は、夜に咲き、朝には萎んでしまいます。

この「夜にだけ咲く特性」が月下美人という名前の由来になっています。

 

月下美人の花は一夜限りで萎んでしまう・・・

一晩しかその花を見ることは叶いませんが、それでも多くの人がこの花の神秘的な美しさに魅了されています。

 

そんな一晩で萎んでしまう月下美人、開花を見逃したくありませんよね。

開花の目安は蕾の向きをよく観察すると良いでしょう。

 

月下美人の蕾は最初は下向きでつきます。

蕾は少しずつ膨らみながら上を向き始め、開花前には一度真上を向きますが、開花当日には蕾の向きが横向きに変わります。

 

横向きに変わった日の夕方から20時くらいから深夜にかけて開花していきます。

開花すると甘い匂いが広がりますので、芳香も楽しんでくださいね。

 

また月下美人は、6〜11月の間に数ヶ月の期間を空けて2〜3回咲く特性があるのはご存知ですか?

えっ1年に1回しか咲かないんじゃないの?と驚く方もいると思いますが、お世話次第で美しい花を何度も楽しめるんです。

 

もし、開花を1度見逃してしまっても、1年待たずにチャンスがあるのでぜひ育ててみてほしい植物です。

 

ところで、そんな月下美人を育てるにはいくつかコツがありますので、分かりやすく説明していきますね。

またこの花にまつわる不思議な噂や、育てるのが難しそうなイメージについてもお話します。

 

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月下美人の育て方!難しいという噂は本当?

「月下美人は育てるのが難しい」というイメージがある方も多いと思います。

また、月下美人にまつわる不思議な噂もよく聞かれます。

 

では、育て方の説明の前に、まずは月下美人にまつわるイメージや噂の真相についてご紹介しましょう。

 

  • 1年に1度しか咲かない

前述しましたが、月下美人は1年に2〜3回咲きます。

株の栄養状態によっては1回しか咲かないこともあったので、このような噂が流れたと推測されます。

 

  • すぐ枯れる、育てるのが難しい

月下美人は意外と丈夫な植物です。

一夜限りで咲き終わる花の生態から「儚い恋」「儚い美」という花言葉がついたので、そこから植物自体が儚くてすぐ散ってしまうというイメージが先行したのかもしれませんね。

 

  • 満月(新月)の日にだけ咲く

月下美人は月齢に合わせて咲くことはありません。

 

そもそもなぜ月下美人が夜に咲くかというと、コウモリに捕食され受粉されるためなのです。

月下美人を捕食するコウモリも月に1回しか食事できないのは困ってしまいますね。

 

  • 同一株のクローンなので一斉に咲く

日本に初め流通した月下美人の株は同一株のクローンだったので、こう噂されたと推測されます。

しかしクローンであっても同じ日に咲くことはなかったそうですよ。

 

因みに今の日本には複数の遺伝子株が流通していて、同一遺伝子ではなくなりました。

 

いかがでしょう?

聞いたことのある噂もあったのではないでしょうか。

これだけ事実とは違ったイメージや噂のある植物も珍しいですよね。

 

月下美人が日本に普及しだしたのは大正末期。

今のようにテレビやインターネットが普及していませんでした。

なので、事実とは違った俗説がまことしやかに囁かれ、今の今まで定着してしまったのでしょう。

 

育てるのが難しそうなイメージや、不思議な噂が先行してしまった月下美人。

ですが、そんな噂をされるくらい昔の日本人を魅了した植物ということですね。

 

月下美人は初心者でも、コツをつかめば美しい花を咲かせることができる植物なので安心してくださいね!

 

月下美人の育て方の手順は?

それでは月下美人の育て方を説明していきたいと思います。

【準備】

・月下美人の苗

・5〜6号鉢

月下美人は地植えでの冬越しが難しく、また数年かけて大きい株に成長させた方が花を楽しむことができます。

なので冬は室内に移動できるよう、鉢で育てるのをオススメします。

・シャコバサボテン用の培養土

・自身でブレンドする場合は、水はけのよい土(赤玉土5、鹿沼土2、腐葉土3の配合土など)が良いでしょう。

・鉢底ネット

・鉢底石

 

【植え付け】

5〜9月の暖かい時期が適しています。

葉が横に大きく広がるので、1つの鉢に1株ずつ植えましょう。

 

まず、鉢の底に鉢底ネットを敷き、鉢の¼〜⅓くらいの割合で鉢底石を敷きます。

土を少し入れてから、月下美人の苗を植えて隙間に土を入れます。

 

この時、鉢のふちギリギリまで土を入れるのではなく、ふちから1〜2cm下がった位置まで土を入れるようにします。

鉢のふちから土までの空いたスペースはウォータースペースといって、水やりした際にしっかり土に水を染みこませる役目を持っています。

 

【置き場所】

5〜6月は戸外の日向でたっぷり日に当てると花がよくつきます。

6〜9月くらいの日差しが強い時期は葉焼けしないように半日陰で育てます。

 

秋になったらまた戸外の日向で育てましょう。

寒さには弱いので霜が降りる前に室内に入れ、日当たりのよいところに置いてください。

 

窓際は夜になると部屋の気温より気温が低くなります。

部屋の中央へ少し寄せてあげましょう。

 

【水やり】

4〜11月は週に1〜2回程度、鉢の土が乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷり水をあげます。

冬の間は乾かし気味で管理しますが、数日に1回は少量の水を与えてください。

 

月下美人はサボテンの仲間ですが、ジャングル育ちなので水を好む植物です。

 

【肥料】

生育期(4月から9月)は緩効性肥料(効き目のゆっくりな肥料、固形肥料など)を月に一回ほど与えます。

10月には液体肥料を月に2回くらい施しましょう。

 

チッ素の多い肥料を与えると葉っぱばかり育ってしまうので、花芽がつくようにリン酸やカリウムに富んだ肥料を選びます。

肥料は成分表を見れば適したものが分かりやすいです。

 

肥料にはN(チッ素)P(リン)K(カリウム)の割合が必ず書いてあります。

例えば「N:P:K=1:2:3」「チッ素5:リン10:カリ8」などと表記してあります。

 

月下美人には、P(リン)とK(カリ)の数字の割合がN(チッ素)より大きいものを選びましょう。

 

【病害虫】

・カイガラムシ

枝や茎に白い塊がついていたらカイガラムシです。

樹液を吸い樹勢を弱めたり、カイガラムシの排せつ物から病気が発生します。

 

歯ブラシでこすり落とすか、薬剤で防除します。

 

しかしカイガラムシは堅い殻を持った虫で、除去が難しく予防が一番大切です。

予防法として、梅雨前に薬剤を散布しましょう。

 

・すす病

枝や葉が黒くなる病気で、美観を損ねるだけではなく光合成や蒸散が防がれ樹勢が衰えます。

カイガラムシの排泄物が原因なので、カイガラムシの除去で対策しましょう。

 

月下美人はサボテンの仲間ですが、ジャングル育ちなので普通のサボテンより、日当たりや水やりを心がけてあげてくださいね。

 

それでは次に、株を大きく成長させるために、植え替えや剪定などの方法を説明していきますね。

 

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月下美人の植え替えや剪定!コツやポイントは?

それでは、植え替えと剪定について説明します。

 

植え替えや剪定を行うことで、栄養を株全体に行き渡らせ、株を大きくすることができます。

株を大きく育てれば、それだけ花をたくさんつけてくれますよ。

 

【植え替え】

5〜9月が植え替えに適しています。

2年に1回くらいのペースで、一回り大きい鉢に植え替えを行ってください。

 

鉢から苗を抜き、根についた古い土を落としたら、新しい土に植え替えます。

 

また、茎や葉にしわが寄っている時は根腐れが疑われます。

そんな時も鉢から抜いて腐った根を取り除き、新しい土に替えてください。

【葉の剪定】

開花期後半の9〜10月が剪定に適しています。

「切り戻し」という不要な部分を切って元の形に戻す剪定を行います。

 

月下美人は大株である方が花がつきやすいので、切り戻しすぎには注意しましょう。

枯れた葉は根本から切り、伸びすぎた葉は邪魔にならない程度に切り戻します。

 

【シュートの剪定】

「シュート」とは月下美人の株元から生える棒状の茎のことです。

 

このシュートを切ったところから茎が伸びて花がつきます。

シュートはどんどん伸びてきますので邪魔にならない長さで切り戻します。

 

ここで注意してほしいのが、この時シュートの先の方だけ切ることです。

根本から切ってしまうと新しいシュートが出なくなってしまい、花芽が増えません。

 

シュートの伸ばしすぎも花がつかない原因になります。

シュートは根本は残し、先端は必ず切りましょう。

 

どうでしょう?

植え替えは他の植物とあまり変わりませんが、剪定の仕方は独特でしたね。

剪定が不安な方は、あまり強く切りすぎないように心がけるといいですよ。

 

さて、このように大切に育てた月下美人、キレイに咲いたら増やしたいと思いませんか?

そこで、続いては今ある株から、月下美人を増やす方法をご紹介していきますね。

 

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月下美人の増やし方!挿し木や株分けのコツやポイントは?

月下美人は挿し木で簡単に増やせるのはご存知ですか?

「挿し木」とは、茎や葉を利用して株を増やすことです。

 

挿し木には5〜9月が適しています。

それでは挿し木の方法を説明します。

 

①切り落とした月下美人の茎を、15~30㎝程度の長さに切り分けます。

②日陰で1週間ほど切り口を乾燥させます。

③肥料の入っていない水はけのよい土(赤玉土や鹿沼土)に茎を浅く挿します。

④風通しがよい明るい日陰に置きます。

1週間くらい水やりはせず、その後10日に1回くらいに土が湿る程度の少量の水やりをしてください。

⑤1か月ほどで発根します。

新芽が5㎝程度伸びたら、肥料を施します。

 

月下美人の挿し木は、あまり難しくありません。

切り戻しで切った葉を再利用できますし、とても簡単なので是非やってみてください。

 

それでは、月下美人の育て方について、最後にまとめましょう。

 

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まとめ

今回は、月下美人の育て方や増やし方についてお伝えしました。

 

夜にしか咲かない神秘的な花、月下美人。

その目で開花する瞬間を見れたら、お世話の苦労や眠気も吹き飛ぶほど嬉しいですよ。

 

月下美人は元気に育てれば1年に1回ではなく、2〜3回美しい花を咲かせてくれます。

 

育て方のコツとしては、水やりと日当たりをたっぷり与えてくださいね。

増やし方は、挿し木で簡単に増やせます。

 

ジャングル育ちの月下美人は、日本固有の植物にはない魅力のあふれる花です。

一晩限りで咲き終わる花は儚いイメージがありますが、実際には鬱蒼としたジャングルの中で、的確に獲物を寄せ付ける魅力と逞しさのある花です。

育ててみれば儚さだけじゃない、強く美しい花にきっと魅了されますよ。

 

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