母の日の贈り物として、カーネーションをもらう人も多いのではないでしょうか。
カーネーションを育て始めると、植え替えが必要だと聞いて、時期や方法を知りたい方は多いかもしれません。
また、せっかくなら株分けして増やしたいという方もいるのではないでしょうか。
カーネーションは多年草のため、植え替えや株分けを上手く行えば毎年楽しむことができます。
コツや注意点をおさえれば、初心者でも簡単に育てることができますよ。
今回は、カーネーションを長く楽しむための植え替えの方法や、株分けの方法について解説していきます。
目次
カーネーションの植え替え時期!根の処理はどうする?
カーネーションの植え替えの時期は3~5月頃と、9~10月頃です。
根の育ち具合にもよりますが、1~2年に1回は植え替えをしてあげましょう。
しかし、4~6月頃は開花時期になるため、春に植え替えをしてしまうと植え替えによる葉や根の傷みの修復に栄養が使われてしまい、花に使われる養分が少なくなってしまいます。
そのため、この時期は花を楽しんで9~10月に植え替えを行うのがおすすめです。
そもそも、植え替えをする理由はなんでしょうか?
カーネーションは、何年も同じ鉢で育てていると鉢の中で根が成長しすぎて根詰まりを起こします。
根詰まりが起きたままにしておくと、新しい根を伸ばせなくなるため、土中の養分を根が吸収しにくくなり、花が咲かなくなる原因になります。
このため、植え替えによる根の処理が必要なのです。
また根詰まりが起きている鉢は、根によって土中の水分や空気を保持しておく細かい隙間が無くなっている状態です。
この状態で水やりをしても、すぐに土が乾いてしまって必要な水分が保持できなくなります。
根詰まりがひどい場合は、根の処理として、植え替えの時に根をほぐしてから植えるようにします。
こうすることで根と根の間に隙間ができて、新しい根の成長を促すことができます。
カーネーションを毎年楽しむためには、秋の植え替えによる根詰まりの予防が大切です。
では、実際に植え替えをするために必要なもの、必要な処理について説明していきます。
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カーネーションの植え替え準備!用土・肥料・鉢・下処理など
ここからは、カーネーションの植え替えを行うために必要な準備を、項目を分けて説明します。
【鉢】
カーネーションを植え替えるのに必要なものは、まずは鉢です。
鉢は、カーネーションを植えている鉢よりもひと回り大きいサイズの鉢を準備します。
今使っている鉢よりも2号(鉢の直径で6cm)程度、大きな鉢を準備すればよいでしょう。
【用土や肥料】
用土は、市販の草花用の用土を用意します。
自分でオリジナルの用土を作りたい場合は、カーネーションは多湿に弱いため、水はけを良くするために、赤玉土やバーミキュライトを混ぜるとよいです。
用意した用土に肥料が入ってないときは、元肥として緩効性の粒状肥料を混ぜこみます。
また、梅雨が長い地域や、以前カーネーションが梅雨の時期に多湿で枯れてしまったという人は、水はけを良くするために鉢底石を使うことをおすすめします。
【下処理】
材料が準備できたら、カーネーションの下処理をします。
植え替えたいカーネーションは、あらかじめ枯れた葉や茎を取り除いておきます。
鉢から取り出したときに根詰まりを起こしている場合は、根鉢(根と土が絡み合って鉢の形に固まっているもの)の下3分の1程度を優しくほぐしておきます。
根鉢全体に根が回って根が茶色っぽくなっていたり、鉢底から根が出ていたりすると根詰まりが起きているサインです。
根鉢をほぐすかどうか迷ったときは参考にしてみてください。
カーネーションの植え替えの材料はホームセンター等で購入することができます。
材料をそろえてカーネーションの下処理が終わったら、いよいよ植え替えです。
次は、詳しい手順や植え替えを成功させるポイントを説明していきます。
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カーネーションの植え替え方法!手順を分かりやすく解説します
カーネーションの植え替えの方法です。
まず、鉢に鉢底ネットを敷いて必要に応じて鉢底石を鉢の底が見えなくなる程度~鉢の高さの3分の1程度まで入れます。
次に用土を入れていきます。
このとき、最終的にカーネーションの根鉢(根と土が絡み合って鉢の形に固まっているもの)の地表面の高さと鉢の高さが同じになるように入れる用土の量を調整します。
その後、下処理が終わったカーネーションを鉢の中央に置き、周りの隙間に用土を入れていきます。
周りに入れる用土の高さは鉢の高さより1~2cm程度低くします。
これは、水やりをしたときに水が土中に浸透していくためのウォータースペースを確保するためです。
周りの隙間に土を入れるときは、カーネーションを片手で支えながら、もう片方の手で土を入れましょう。
するとカーネーションの位置がずれることなくきれいに中央に植えることができます。
また、割り箸など棒状のもので入れた用土を押してあげることで、しっかり用土を入れることができますよ。
これで完成になります。
カーネーションの根鉢が根鉢の周りの隙間に入れた用土より少し高い状態(浅植え)になっているはずです。
このように植えるのには理由があります。
それは、カーネーションは多湿に弱いため、深めに植えてしまうと株元に水が溜まって湿度が高くなり、上手く育たなくなってしまうためです。
植え替えが終わったら、水やりをして、用土の沈みが気になるときは適宜、用土を足しましょう。
カーネーションの植え替えは、株を少し高めに植えることがポイントです。
しかし、毎年植え替えをしていると株がだんだん大きくなってきてしまいます。
そのようなときは、株分けをすることでカーネーションを増やすことができ、株も小さくできます。
なので、寄せ植えに使ったり、花壇に植えたりと新たな楽しみ方もできますよ。
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カーネーションの株分けの方法とコツ
カーネーションは株分けで増やすことができます。
一般的に、株分けを行う目的は2つあります。
1つ目は株数を増やすためです。
2つ目は大きくなりすぎた株を小さくし、リフレッシュさせるためです。
株が大きくなりすぎると根や茎、葉が混み合ってきてしまい、風通しが悪くなることによって病気や害虫が発生する原因になります。
株分けを行うことで、根に隙間ができて新しい根を伸ばしやすくなり、新しい葉や茎も伸ばせるようになります。
株分けは、植え替えと同じ時期に行うとよいでしょう。
では、具体的な株分けの方法を説明していきます。
まず、株分けしたいカーネーションを鉢から取り出し、根を傷つけないように土をほぐして古い土を取り除いていきます。
このとき、茎や葉も枯れたものがあれば取り除いておきます。
次に、根や芽が均等になるように株の中に指を入れ込み、株を割くように分けていきます。
このときもできるだけ根を傷つけないようにしますが、もし分けるのが難しいようであれば清潔なハサミなどの刃物で切り分けていきます。
株をたくさん増やしたいからといって細かく株分けすると失敗の原因になるので、分け過ぎには注意しましょう。
株分けが終わったら、植え替えと同様に深く植えないようにして新しい鉢に植え、水やりをします。
株分けは植物にとってダメージが大きいので、株分けしたカーネーションは、しばらくは強い日差しや寒さなどの過酷な環境に置かないようにします。
株分けをすることで、株を増やしつつ、リフレッシュさせることができます。
増やした株も、植え替えをしながら何年も育てていくことができますよ。
ところで、カーネーションの植え替えで失敗する人がいますが、その原因はどこにあるのでしょうか?
最後に、植え替えを失敗させないための「日常的な手入れのコツ」を紹介していきますので、カーネーションを育てるときの参考にしてみてください。
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カーネーションの植え替えを失敗させないためのコツは?
カーネーションの植え替えを失敗させないためには、2つコツがあります。
1つ目は、健康的で元気なカーネーションに育てること!
弱っている株は、植え替えによる根の傷みで枯れてしまうこともあります。
なので、そうならないためにも日頃の手入れが重要になります。
植え替えのときに元肥を土に入れたり、花が咲いて養分を多く消費する時期に追肥をしたりすることで、必要な栄養を補給してあげましょう。
さらに、無駄な養分の消費を避けるため、咲き終わった花はなるべく早く摘んだり、開花の時期が終わったら株の高さが半分くらいになるよう「切り戻し」をしましょう。
切り戻しは、株の風通しを良くして多湿を防ぐためにも有効ですよ。
2つ目は、植え替えを適期に、正しい方法で行うこと!
真夏や真冬の厳しい環境下での植え替えは、植え替え後の根の成長を妨げ、失敗の原因になります。
また、カーネーションは多湿に弱いため、植え替えの方法を参考に、株を深く植えないようにしましょう。
カーネーションの特性を理解し、普段の手入れをしっかりして適した時期に植え替えれば、毎年カーネーションを楽しむことができますよ。
それでは、カーネーションの植え替えについて最後にまとめましょう。
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まとめ
今回は、カーネーションの植え替えや株分けの方法についてお伝えしました。
カーネーションは多年草のため、上手く育てれば毎年花を咲かせることができます。
毎年花を咲かせるためには、日頃の手入れの他にも植え替えを行い、根詰まりを防いで新しい根の成長を促してあげることが大切です。
また、株が大きくなってきたら、株分けを行うことで、株数を増やしつつ株をリフレッシュさせることができます。
植え替えも株分けも、適期に、正しい手順で行うことで成功率があがるので、ぜひ今回の記事を参考に植え替えや株分けに挑戦してみてください。
カーネーションは様々な品種があるので、母の日のプレゼントでもらう以外にも、自分用に好きな品種を買って育ててみるのもおすすめですよ。
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