6月のある日、近くの小学校の校門そばに、花壇いっぱいに広がった色あでやかな花を見つけました。
白やピンクの花がとてもかわいいです。
そう、これはポーチュラカの花でした。
ところでポーチュラカの育て方はご存じでしょうか?
「植えっぱなしでOK」という噂も、実はどうなのでしょうか。
今回はポーチュラカは「植えっぱなしでOK」という噂の真偽をはじめ、育て方や増やし方のコツ、寄せ植えのやり方などについてお話していきます。
目次
ポーチュラカは植えっぱなしOK?開花時期や特徴について
はじめにもお話したように、ポーチュラカといえば「植えっぱなしでOK」と、よく聞きますよね。
これって、実のところどうなのでしょうか?
「ポーチュラカは植えっぱなしでOK」は本当?それとも?
答えはちょっと微妙で、「植えっぱなしでOK」とは言い切れません。
ポーチュラカは茎のどこを切っても簡単に発根してどんどん増え、新しい枝も伸ばしていく植物。
手間ををかけることなく育ってくれます。
だけど翌年も花を咲かせたいと思ったら、冬場、鉢植えなら室内に取り込めば済みますが、庭植えはそうはいきません。
冬を越せないので、挿し芽などでつないでいく作業が出てきます。
そういうわけで、完全に「ポーチュラカは植えっぱなしでOK」とはなりません。
いかがでしょうか。
答えとしてはあいまいになってしまいましたが……。
難しい手入れが要らないことだけは、はっきりと言えます。
では、その手間をかけず育てられるポーチュラカがどんな花なのかを見ていくことにしましょう。
『ハナスベリヒユ』とも呼ばれるスベリヒユ科のポーチュラカ。
赤や黄色やオレンジ白など色とりどりのかわいい花が、カーペットのようにいっぱいに広がっていくのが特徴です。
グランドカバーにもぴったり。
花期は6~10月と長く、葉や茎が肉厚で水分をため込めるので乾燥にも強い。
とても優れものでしょう?
そんなポーチュラカですが、花は午後になるとしぼみます。
そして翌朝また次々に新しい花を咲かせるのです。
なお野菜として食べられるのは、ポーチュラカの仲間のスベリヒユの方です。
お間違えなく。
いかがですか?
ちょっと育ててみようかなと、思ったりしてきたのでは?
では早速その育て方についてお話しましょう。
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ポーチュラカの育て方!植え付けや剪定等のポイント
ではポーチュラカの育て方をはじめ、植え付けや剪定などについて順を追って説明していきます。
以下、これから取り上げる時期的なものは、お住まいの地域やその年の気候によって、多少変わってきますのでご了承ください。
①育てる環境
ポーチュラカを育てるポイントは、何より日なたであることです。
【庭植え】
日当たり、水はけがよい乾燥した場所を選びます。
【鉢植え】
日当たりのよい所に置きましょう。
花後に切り戻して、日当たりのいい室内で冬越しさせれば、翌年も花が楽しめますよ。
室内に取り込んだ後は12℃以下にならいようにします。
日中は窓際に置いてもいいのですが、夜間は部屋の奥に移動させた方がいいでしょう。
②植え付け
ポーチュラカの植え付けに適しているのは5~6月です。
ある程度暖かくなってから植えないと、花つきが悪くなります。
【庭植え】
株と株の間は15cm以上開けて植え付けます。
【鉢植え】
5号鉢なら1株、6号鉢なら3株を目安に植え付けます。
浅めの鉢の方がいいでしょう。
庭植え、鉢植えとも元肥で緩効性化成肥料をすき込んでおきます。
緩効性化成肥料はゆっくり効く肥料なので、液肥などの即効の肥料と比べて失敗も少ないです。
とにかくポーチュラはどんどん増えるので、鉢植えは根づまりにも注意です。
③用土
ポーチュラカの用土は、赤玉土(中粒)4:鹿沼土(小粒):腐葉土2の割合でブレンドしたものがいいですね、
もちろん園芸用培養土でもOK。
水はけがよければいいのです。
④肥料
ポーチュラカにあまり肥料は必要ありません。
まず植え付け時に元肥で緩効性化成肥料ですね。
庭植えは元肥だけ。
鉢植えなら開花期に月1回1000倍に薄めた液肥を与えます。
追肥をすると、秋が終わり近くまで花が見られますよ。
⑤水やり
水やりは「土の表面が乾いたら与える」です。
ポーチュラカは多肉質で水分をため込める性質なので乾燥にも強い。
というわけで、少々水やりを忘れても大丈夫。
萎れてもすぐ復活します。
乾燥気味の管理でいいので、水のやり過ぎると却って根腐れを起こしてしまいます。
庭植えについては水やりは不要です。
それでも近年の猛暑を考えれば、あまりに萎れてきたら水やりをした方がいいかもしれませんね。
⑥剪定(切り戻し)
ポーチュラカの切り戻しについては、あまり難しく考えることはありません。
とにかくよく伸びます。
伸びすぎて樹形が乱れてきたと感じたらカット。
切り戻しすることで花つきもよくなります。
花後に半分ほど切り戻して、室内で冬越しさせると翌年も花が楽しめます。
切り戻しで出た茎は挿し芽に使うので、捨てないで下さいね。
なお花がら摘みについては、してもしなくてもといった感じです。
ポーチュラカは種が出来にくく、出来ても細かいので、種に栄養をとられる心配も少ないためです。
⑦病害虫
ポーチュラカは病気には強いですが、害虫がつくことはあります。
気をつけたいのが、5月半ばごろから発生するアブラムシとヨトウムシです。
アブラムシは新芽や葉の裏にびっしりついて汁を吸い、ウィルス病などを引き起こします。
とにかく繁殖力がすごいので、いったん発生したら厄介です。
もう植え付け時から予防で粒状の殺虫剤をまいておくのが無難です。
ヨトウムシは昼間は隠れて夜に活動する食害虫です。
被害にあうと、穴だらけになります。
見つけたらただちに駆除というわけにはいかないので、ヨトウムシ対策でもあらかじめ粒状の殺虫剤をまいておくのがいいですね。
粒状の殺虫剤はオルトランあたりが、いろいろな植物に使えるのでおすすめです。
以上、ポーチュラカの育て方のご説明でした。
本当にポーチュラカって、手間いらずでしょう?
放ったらかしていても花をいっぱい咲かせてくれて、とてもありがたい植物です。
せっかくですから、手間いらずのポーチュラカ、もっと増やして楽しみたいですよね。
そういうわけで次からは、ポーチュラカの増やし方を見てみましょう。
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ポーチュラカの増やし方!挿し芽や種取りのポイントは?
ポーチュラカは挿し芽で簡単に増やせます。
種でも増やせるので、それぞれご説明しましょう。
【挿し芽で増やす】
5~9月が適期です。
①元気のいい茎を選び、6~8cmの長さでカット。
または切り戻しでカットした茎を使用。
いずれも下の葉は切り落としておきます。
②赤玉土単独または、赤玉土と鹿沼土(小粒)を混ぜたものに、1の挿し芽を挿します。
③10日から2週間で発根してきます。
さらに10日ほどで、根もしっかり張ってくるので、それから鉢上げになります。
高温で乾燥気味にした方が、ポーチュラカは発根しやすいようです。
【種まきで増やす】
ポーチュラカは種でも増やせます。
①花後に緑のお椀の蓋のようなものができます。
その蓋の中に黒い種ができてきます。
蓋が黄色くなってくるのを待って種を取ります。
こぼさないように紙封筒などに入れ乾燥させて保管します。
「気がついたら種がこぼれていた」とならないように、前もって袋をかけておくのもいいかもしれませんね。
②種をまくのは5月です。
温度が低いと発芽しないので、5月に入ってからがいいですね。
種まき用の土を用意し種をまきます。
覆土はしません。
種が飛ばないように土を湿らせて、新聞紙などで覆います。
③発芽するまで乾かないようにしましょう。
本葉が4~6枚になってきたら鉢上げになります。
これが種取り、種まきからの手順です。
ただポーチュラカは種ができにくく、できてもとても小さいです。
また元の株と同じ花が咲くとは限りません。
確実に同じ花を咲かせたいなら、挿し芽の方がいいかもしれませんね。
ポーチュラカの増やし方まで終わりました。
増やすのも簡単でしょう?
増やし方までわかったところで、次は何が来るかと言いますと……。
そう、寄せ植えです。
では、お待ちかねのポーチュラカの寄せ植えにいってみましょう。
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ポーチュラカの寄せ植えのコツとポイントは?
花期も長く、色もカラフルでかわいいポーチュラカ。
まさに寄せ植えにピッタリの花です。
どんな植物と合うか上げてみましょう。
①ニチニチソウ(日々草)
②ジニア(百日草)
➂センニチコウ(千日紅)
④マツバボタン
⑤ベゴニア・センパフローレンス(四季咲きベゴニア)
⑥アメリカンブルー
⑦ユーフォルビア・ダイアモンドフロスト
⑧コリウス
⑨カレックス
⑩コルジリネ・オーストラリス
以上、ホームセンターでも比較的入手しやすい植物を選んでみました。
①ニチニチソウ②ジニア➂センニチコウは、もうおなじみですよね。
ポーチュラカと同じく、少々水やりを忘れても夏の花壇で生き残る植物です。
④マツバボタンはポーチュラカの仲間ですから、同じ性質を持つので乾燥にも強い。
⑤ベゴニア・センパフローレンスはベゴニアの代表格。
花は繰り返して咲き、葉は肉厚で光沢があり丈夫な植物です。
⑥アメリカンブルーは夏の盛りにも涼しげな青い花を咲かせます。
こぼれるようにこんもりと咲くので、寄せ植えの縁取りにいいですね。
⑦ユーフォルビア・ダイアモンドフロストは暑さ乾燥や病気に強いです。
カスミソウのような白い花を咲かせます。
⑧シソ科のコリウスは赤や黄色の美しい葉で、寄せ植えを引き立てます。
⑨カレックス⑩コルジリネ・オーストラリスは、ともに放射線状に伸びた背の高い葉を持つ植物です。
まずポーチュラカの寄せ植えで考えたいのは、できるだけ同じ性質を持つ植物を選ぶということでしょう。
乾燥、夏の強い日差しに強い植物ということになりますよね。
水を多く必要とする植物を入れると、肝心のポーチュラカが過湿になり根腐れを起こしかねません。
植え付ける前には、ポリポットのまま仮置きをして全体のバランスを見ましょう。
ポーチュラカは横に広がるので鉢の縁や手前に植えます。
⑥アメリカンブルーなどもそうですね。
横に広がる植物同士はぶつからないように植えます。
⑨カレックス⑩コルジリネ・オーストラリスは縦に伸びるので、それをうまく利用して位置を決めます。
くれぐれもポーチュラカが隠れて日陰になってしまわないようにします。
ポーチュラカのほふくする性質を利用して、ハンギングタイプにするのもおすすめですよ。
いろんな植物との組み合わせて、あなただけのポーチュラカの寄せ植えを楽しんでくださいね。
育て方に増やし方、寄せ植えまでのお話が終わりました。
もうこれでポーチュラカのこと、どこから聞かれても大丈夫ですね。
だけど、育てていたらいいことばかりではないはず。
何らかのトラブルは付きものですよね。
最後はポーチュラを栽培していくうえで、よくある困りごとを取り上げ、あわせて原因と対処法を探っていきたいと思います。
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ポーチュラカが咲かない、葉が落ちる原因!間延びしたら?
では、ポーチュラカの花が咲かない、葉が落ちるといったトラブルに加え、間延びした場合にどうするかも取り上げます。
【花が咲かない】
原因①日当たりが十分でないのかもしれません。
ポーチュラカは日陰になると弱って花がしぼんでしまいます。
対策①日当たりがいい場所で育てましょう。
まわりの植物の影になってないかも注意し、日を遮る雑草なども抜きます。
原因②肥料のやりすぎかもしれません。
やりすぎは開花期が遅れる原因になります。
対策②元肥を除き、開花期まで肥料はいりません。
【葉が落ちる】
原因:根詰まりが考えられます、
ポーチュラカはどんどん成長するので根詰まりを起こしやすいです。
対策:植え替え時をして根を切り詰めておきます。
あわせて一回り大きな鉢に移し替えるなどして、株にゆとりをもたせましょう。
【葉が間延びしたら】
ポーチュラカは日当たりが悪いと葉が間延びします。
間延びした葉は切り戻して下さい。
切り戻せば、そこから新たに発根しどんどん増え、かつ花つきもよくなります。
あとはしっかり日が当たる場所で管理して下さいね。
それでは、ポーチュラカについて最後にまとめましょう。
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まとめ
今回はポーチュラカをご紹介しました。
ではおさらいです。
- ポーチュラカは完全に「植えっぱなしでOK」ではありませんが、手間いらずでカラフルな花をたくさんつけます。
- 乾燥や日差しに強く、水やりを少々忘れたぐらいでも大丈夫。
- ポーチュラカは挿し芽または種まきで増やせます。
- 寄せ植えは、乾燥や日差しに強い同じ性質の植物と合わせましょう。
- 花が咲かないのは、日当たり不足や肥料のやり過ぎかもしれません。
お日さま大好きポーチュラカ、楽しんで育てて下さいね。
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