ニチニチソウというお花はご存じですか?
とてもポピュラーなお花なのでご存じの方も多いかもしれません。
実はニチニチソウは種類が豊富です。
お庭や花壇の主役にも脇役にもなれるため、ガーデニングのバリエーションを広げてくれるとっても魅力的なお花なんですよ。
今回は、定番でありながら奥が深い、そんなニチニチソウの育て方をご紹介していきます。
また、ニチニチソウの挿し木のやり方や、枯れる原因と対処法なども併せてご紹介しますので、お楽しみに!
目次
ニチニチソウの種類は?毒性があるのホント?
まず、ニチニチソウの種類や、どんなお花なのかについてお話ししますね。
ニチニチソウの種類は大きく分けて、3つに分けられます。
- 矮小性
- 高生種
- 這い性種
一つずつご説明しましょう。
1、矮小性
コンパクトに小さくまとまって咲く種類です。
花壇や寄せ植えで手前に植えるのに適しています。
2,高生種
直立し、背が高い種類です。
広い場所に植えたり、寄せ植えでは高低差のバランスを取ったり、幅広く役立ちますね。
3、這い性種
這うように横に広がる種類です。
枝垂れ咲く性質なのでハンギングに最適で、単体で主役にもなれます。
様々な種類があるのでお好みのイメージに合わせて、お庭や寄せ植えを楽しめますよ。
また、ニチニチソウの一番の特徴は5~10月頃まで長く花を楽しめるというところだと思います。
一つの花の開花は2~3日と短いですが、毎日毎日新しい花を咲かせるという性質があり、ニチニチソウ(日日草)の名前の由来にもなっています。
春から秋まで長くお庭や花壇を彩ってほしい方にぴったりのお花ですね。
分類上は多年草ですが、元々はアフリカのマダガスカルなど熱帯が原産の植物で、日本の気候では越冬はできず一年草の扱いになっています。
ただ、暑さや乾燥には強く夏にはもってこいの植物で、初心者の方でも育てやすいです。
ニチニチソウはとてもポピュラーなお花なので、公園や学校の花壇などでも見る機会が多い花です。
昔から多く流通していて、一番印象に強い花の色はピンクや紫などの原色カラーのものだと思います。
しかし最近では、淡い色合いや二色のグラデーションがかった花色があったり、花びらがフリルのように変わった形の種類など、品種改良が大変進んでいる花でもあります。
以前からニチニチソウの事をご存じの方でも、お店に行ってみたら「え?ニチニチソウってこんなに可愛い色も出たんだ!」と驚かれると思いますよ。
ところで、ニチニチソウには毒があるのはご存じでしょうか?
ニチニチソウが分類されるキョウチクトウ科の植物は、葉・茎・枝・花・実・根・周辺土壌など全てに毒が含まれています。
危険な植物ではあるのですが、育てやすいので日常の場面に生えていることが多く、注意が必要な植物の一種です。
ニチニチソウには「ビンカアルカロイド」という種類の成分が含まれていて、毒にも薬にもなるのですが素人には扱えないほど危険な成分です。
誤って食べてしまうと神経障害や心肺停止など命に関わる事故になりますので、子どもやペットのいるお家は特に注意してください。
また、ニチニチソウを挿した水にも毒が溶け出すので、花瓶の水なども飲まないでくださいね。
・・・とまあ、脅しているみたいですが、ニチニチソウは一種類あれば半年近く、お庭や花壇を可愛らしく彩ってくれます。
食べないように気を付けていれば、育てやすく管理のしやすい植物ですよ。
それでは、続いて育て方を見て行きましょう。
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ニチニチソウの育て方は難しいと思っていませんか?
ちゃんと手順を追って育てて行けばカンタンですよ。
では、ご説明しましょう。
【種から育てる】
種から育てる場合、安くたくさん育てられるメリットがあり、ニチニチソウは成長が早いのでその年に花を咲かせてくれますよ。
種蒔きは、5月~6月が適しています。
1cmくらいの深さの穴にタネを3~4粒蒔いたら、日光を遮るように土をかぶせましょう。
あとは芽が出るまで、土が乾燥しないよう水やりを行ってください。
【苗から育てる】
苗から育てる場合は、種より高いですが花の色が確実に分かりますし、すぐに花を楽しめるメリットがあります。
時期としては、㋄~7月の間に植え付けましょう。
株元の表面が見えるくらいの深さで植え付けてください。
あまり深く植えると株元の湿度が高くなり、成長が阻害されるので注意しましょう。
ニチニチソウは根が傷つくのを嫌うので、根はよほど込み入ってなければ崩さずにそのまま植えた方が良いですよ。
また、複数の株を植える際は、20cmくらい、株と株の間にもう一株入るくらいの間隔を開けて植えてください。
どうしても土が見えないように隙間を空けずに植えたくなりますが、株の成長のためここは我慢ですよ~。
成長すれば葉が茂って土も見えなくなるから安心してくださいね!
【植え付け】
日当たりを好む植物なので、少なくとも半日は日が当たる場所で育てましょう。
・鉢植えで育てる場合
ニチニチソウは、浅めのプランターでも育てることが可能です。
鉢植えの手順をご紹介します。
①鉢の底が見えなくなるよう、浅く鉢底石を敷きます。
②鉢の1/3くらいに土を入れてから、苗を入れます。
③苗と鉢の隙間を埋めるように土を入れ足していきます。
この時、鉢のフチから1~2cmの隙間ができるように土を入れてください。
この隙間があることで、水やりをしたと気に鉢全体にしっかり水分が行き届きます。
④植え付けが終ったら鉢の底から水が出るまで少量ずつたっぷり水やりを行いましょう。
・地植えの場合
植え付けたい場所を耕し、腐葉土を2割くらい混ぜこんだ土に植えるとよく育ちます。
這い性の種類はどんどん広がりますので、地植えの場合はスペースを確保してから植えることをおすすめします。
【用土】
ニチニチソウはあまり土を選ばず、市販の草花用培養土でもよく育ちます。
適度に水はけのよい土を好むので自身でブレンドする場合は、赤玉土(中粒)5:腐葉土3:ピートモス2の割合で混ぜると良いでしょう。
ピートモスとは、主に水はけを良くするために使われる園芸資材で、園芸店やホームセンターで手に入りますよ。
【水やり】
ニチニチソウは、乾燥に強いですが多湿には弱い性質があります。
水やりは土が乾いてから、朝夕の涼しい時間に行うことで蒸れを防ぎます。
地植えで雨の当たる場所なら、夏の乾燥がひどい時以外は水やりを控えて育てましょう。
また、水やりを行う際は株の根元に水を与え、花に直接当たらないようにすると花の傷みを最小限にすることができますよ。
【肥料】
元肥(植え付けと同時に施す肥料)として緩効性化成肥料を与えましょう。
緩効性化成肥料とは、効き目がゆっくりな肥料で、効果が長く続く特徴があります。
濃度の高い肥料は根を傷つける恐れがあるので、肥料は少なめ、薄め、効果がゆっくりのものを心がけましょう。
肥料について少しだけ詳しく説明しますね。
緩効性の肥料の中でも、
- N(窒素)
- P(リン酸)
- K(カリウム)
この3つの成分が等分の肥料をおすすめします。
窒素は葉の生成に、リン酸は花や実、カリウムは根の生成に、欠かせません。
なので、窒素やカリウムばかり与えても花を増やせませんし、リン酸だけ与えても株が大きくなりません。
ニチニチソウはたくさんの肥料を与えると逆に弱ってしまうので、一度の肥料でバランス良く栄養を与えることが大切です。
肥料の選び方って難しいな~と思われた方も大丈夫!
簡単に肥料を選ぶコツをご紹介したいと思います。
パッケージの裏には必ず成分表が書かれていて、例えば「窒素6:リン酸6:カリウム6」や「N:P:K=3:8:9」のように書いてあります。
この3つの成分の数字が同じものを選べば、成分が等分の肥料を選ぶことができますよ!
【剪定】
ニチニチソウのお世話で欠かせないのが、切り戻し剪定(摘芯)と花がら摘みです。
順番に方法をご紹介します。
・切り戻し剪定(摘芯)
切り戻し剪定とは、伸びすぎた茎や葉を切り戻すことです。
ニチニチソウはよく伸びるため混みあってくるので、伸びすぎた箇所はハサミで短く切りましょう。
切り戻すことで脇から次の芽が出てきて花数が増えますし、株をスッキリさせることで虫の発生や蒸れを防ぐことができます。
初心者の方は切るのを躊躇するかもしれませんが、切ることでどんどん次の芽が出てくるので怖がらずに切って大丈夫ですよ。
また摘芯といって先端の芽を摘み取ることで、株の下方からも芽が出てバランスが良くなります。
・花がら摘み
花がら摘みとは、咲き終わった花を切り取る作業を指します。
ニチニチソウの花は自然と散りますが、そのままにしておくと見栄えも悪いですし病気に繋がる可能性があります。
ニチニチソウの花の寿命は短く、2~3日で散ってしまうのでこまめに咲き終わった花を片付けましょう。
また花茎を切り取らずに置いておくと種を作ろうと栄養がそちらに集中するので、種が必要になるまでは花茎までこまめに切り取ることが重要です。
【病害虫】
・アブラムシ
アブラムシは非常に小さい虫で、茎や葉から樹液を吸って植物の栄養を吸い取ってしまう害虫です。
テープなどでくっつけて捕まえたり、薬剤を塗布すると簡単に防虫できます。
しかし繁殖力が高く放っておくと瞬く間に大量に増えてしまうので、こまめに観察して対策する必要があります。
【冬越し】
ニチニチソウは多年草の分類ですが、寒さに弱いので屋外での冬越しができません。
なので、寒い時期は室内に入れて管理しましょう。
さて、いかがでしたか?
ニチニチソウを育てるのはあまり難しくありませんが、植え付けは根を崩さず優しく行ってあげてくださいね。
ところで、大事に育出たニチニチソウを、せっかくなら増やしてみたいですよね。
ニチニチソウは、挿し木でカンタンに増やせますよ。
では、そのやり方をご紹介していきましょう。
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ニチニチソウの挿し木!増やし方のコツやポイントは?
購入したニチニチソウを自分で増やせたらとってもお得ですよね。
ニチニチソウは挿し木をすることで簡単に増やせるんですよ。
それでは挿し木のやり方をご紹介していきます。
①葉っぱが6〜8枚ついた茎を切り取って、下の方の2枚を取ります。
②数時間~半日、水に挿して水を吸わせます。
③新しい土に挿して、根づくまで水やりをします。
ただこれだけで増やすことができます。
どうですか?
こんなに簡単に増やせるの?と疑問に思うかもしれませんが、無事に根付くと植物って丈夫だな~!と感動すると思います。
コツは挿し木を挿す土はプランターの土を使い回さず、赤玉土など肥料の入っていない土を使うことです。
プランターには様々な菌がいるので若い苗は新しい土で育てましょう。
また、意外かもしれませんが、肥料の入っていない土を使うことで根がよく育つんですよ。
挿し木は切り戻しや摘心で切り取った茎を再利用すると、さらにお得です。
ニチニチソウの増やし方はやり方が分かれば難しくありません。
ぜひ挿し木を行って、お得に花を楽しんでみてください。
ところで、育てているニチニチソウが枯れてしまったり、花が咲かなかったりしたらショックですよね。
次はそんなことにならないように、お悩みの原因と対処法をご紹介します。
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ニチニチソウが枯れる!花が咲かない時はどうすればいい?
ニチニチソウが枯れる、または花が咲かない、なんてお悩みを抱えていませんか?
せっかく育てたからには、元気な花を咲かせてほしいですよね。
そんなお悩みに応えて、ニチニチソウが枯れてしまったり、花が咲かなかったりする原因と対処法をご紹介していきます。
【枯れる原因】
1,根が傷ついている
ニチニチソウの根は直根性といって下にまっすぐ根を伸ばす植物です。
植え付けてからすぐ元気がなくなった場合は、植え付けの際に根が傷ついて可能性があります。
下にまっすぐ生える主根は傷つくと中々再生しないので、最初の植え付けが肝心になります。
2、立ち枯れ病
立ち枯れ病とは土を媒介してかかる病気です。
元気だった苗が急に萎れる、地際の茎が黄色や黒に変色していたら立ち枯れ病の可能性が高いです。
この病気にかかってしまうと中々治せないので、予防と早期発見が大切です。
元気のない株が一株だけで、症状が軽ければ変色した部分を切り取り、様子を見ましょう。
この病気の発生原因は「高温多湿」です。
切り戻しをして風通しを良くしたり、水やりの頻度を抑えて乾かし気味に管理すると良いでしょう。
3、連作障害
連作障害とは、同じ土に同じ植物を繰り返し育てることで起きる病気です。
連作障害にかかると生育が悪くなり、花や実のつきが悪くなったり、虫や病気に簡単に負けてしまう弱い苗になる可能性があります。
ニチニチソウはキョウチクトウ科なので、同じキョウチクトウ科の植物を植えた土にそのまま植えると連作障害を起こしてしまいます。
対処法としては、一度キョウチクトウ科を植えた土には3年は間をあけて植えるのが一番です。
しかし「そんなに待てないよ!」という方は、土壌改良して土の中の微生物の種類を増やして活発にさせるという手があります。
いくつか方法をご紹介していきますね。
・使い終わった土を天日干しにして消毒してから使う
・園芸店で売られている土の再生資材を使ったり、微生物をそのまま土に混ぜこむという商品があるので、そちらを使って微生物を増やす
・腐葉土や堆肥を混ぜて2週間~一月ほど土を寝かせてから植え付けする
土を消毒したり、土の中の微生物を増やしてから植え付けすることで、連作障害が起きる可能性を下げることができます。
【花が咲かない】
1,日当たり
花の開花には日当たりがとても関係してきます。
半日以上は日が当たる場所で育てると良いですよ。
2、切り戻し
茎が伸びてきたら短く切り戻しを行うと、新しい花芽が伸びて花数が増えますよ。
また、切り戻しを行うと風通しが良くなって蒸れを防げるので成長を促す効果もあります。
いかがでしょうか?
枯れる時には必ず何かしらの原因がありますので、上記のように対処してくださいね。
それでは、ニチニチソウの育て方等についてたくさんお伝えしましたので、最後にまとめましょう。
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まとめ
今回は、ニチニチソウの育て方や増やし方等についてお伝えしました。
ニチニチソウは長い間、花を楽しめるとってもお得なお花です。
毒を持っていますが管理さえ気を付けていれば、安全に育てることができますよ。
育てるとき、暑さや乾燥に強く日当たりも好むので夏の間も、長く可愛らしい花を咲かせてくれるのはありがたいですよね。
増やし方は、剪定した茎を再利用して増やせるくらい、挿し木で簡単にできますよ。
また、枯れたり花が咲かなかったりする時は、よく観察して原因を探すと良いでしょう。
蒸れないよう乾燥気味に育てるのがコツですよ!
ニチニチソウは育てやすく丈夫で、初心者の方や植え替えが頻繁にできない方におすすめの植物です。
ぜひ大切に育てて、たくさんの花を咲かせてみてくださいね!
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