夏に涼しげな花を咲かせてくれるルリタマアザミの育て方はご存じですか?
初心者の方は難しいと思われるみたいですが、コツやポイントが分かればカンタンに育てられますよ。
植え替えしたり、株分けの増やし方を知りたい人もいるでしょう。
そこで、今回はルリタマアザミの育て方、植え替えや株分けについて詳しく説明します。
また、せっかく育てたお花が枯れる原因や、咲かない時の対処法についてもご紹介していきます。
目次
ルリタマアザミとは?開花時期は?毒性があるのホント?
まず、ルリタマアザミとはどんな花なのかをご紹介していきますね。
ルリタマアザミは「瑠璃玉」の名前の通り、瑠璃色の花をいくつも集合させ、球状の丸い形で咲く花です。
深い青の花色は美しく、夏のお庭を涼しげに彩ってくれますよ。
名前に「アザミ」がついていますがアザミとは別の植物で、分類ではキク科の花です。
しかし葉っぱはアザミに形は似ていてとげがあります。
この葉のとげが刺さると痛いので、お世話をする時や植える場所には注意してくださいね。
ところで、ルリタマアザミには毒性があるの?と心配されている方もいらっしゃると思います。
ルリタマアザミには特に毒性はありませんが、トゲがあるので怖そうなイメージから誤解されているのだと思います。
トゲに毒はないので安心してくださいね。
刺さるとチクッとしますがトゲ自体はあまり大きくないので、トゲ抜きをして消毒すれば大丈夫ですよ。
それから、ルリタマアザミの草丈は高く、1メートルから1.5メートルにもなります。
長い茎の先に丸い花がポンポンと付いて咲く姿は、とても可愛らしいですよ。
開花時期は6~8月で夏の間、長く咲いてくれるのが特徴です。
花のもう一つの魅力として、咲き終わってからも乾燥させてドライフラワーにすることができます。
球状の形の花のドライフラワーは、華美になりすぎずナチュラルな雰囲気でインテリアやブーケとして人気なんですよ。
またルリタマアザミは「エキノプス」という名前で流通していることもあります。
「エキノプス」はギリシャ語で「ハリネズミに似ている」という意味で、ハリネズミのとげのようにツンツンとした花の形が由来になっています。
花の名前にハリネズミとつけるなんて、ギリシャ人はセンスがありますよね!
それでは、そんなユニークな魅力を持つ花であるルリタマアザミの育て方をご紹介していきますね。
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ルリタマアザミの育て方!種まきや植え付け等のポイントは?
それではルリタマアザミの育て方を順番にご紹介していきます。
【種まき】
ルリタマアザミは種から育てることもできます。
種まきは5~6月か、9~10月が適しています。
種から育てると花を咲かせるのに2~3年かかりますが、苗より安く買うことができます。
成長をゆっくり楽しみたい方におすすめです。
【苗】
すぐに花を楽しみたい方は苗から植えるのをおすすめします。
植え付けは3~4月、霜が降りなくなった暖かい時期に植え付けします。
【植え付け】
ルリタマアザミは根を深く張る特徴があります。
・地植え
地植えの場合は、深く根を張れる場所を選んでください。
苗より深めに耕してから植え付けると根がよく張りますよ。
・鉢植え
鉢植えの場合は、縦長の深鉢を選んで植えてください。
最初は6~7号鉢に植え、成長とともに鉢を大きくしていきましょう。
それでは鉢への植え付けのやり方をご説明します。
鉢の1/4程度の割合で底に鉢底石を敷いておきます。
土を少し入れてから苗を入れ、鉢と苗の隙間に土を入れます。
土を入れていく時、鉢のフチいっぱいまで土をつめず、1~2cmくらい残して土をつめましょう。
この隙間があることで水やりした時にしっかり根まで水が行き届きます。
植え付け後は土にしっかり水を含ませます。
鉢底から水が出てくるまで、少量ずつたっぷり水やりを行ってください。
【栽培環境】
多湿が苦手な植物なので、風通しの良い場所で育てましょう。
日当たりの良い場所が適していますが、真夏の直射日光に当てると葉焼けの原因になります。
午後は日陰になるような半日陰で育てるか、鉢植えにして真夏は置き場所を移動させてあげると良いですね。
また、ルリタマアザミの株は成長とともに大きくなるので、株間は40cmほど開けて植えましょう。
【用土】
水はけのよい弱アルカリ性の土を好みます。
ルリタマアザミの成長に土作りはとても重要なので、ぜひ参考になさってくださいね。
・水はけを良くする方法
市販されている草花用培養土でも良いですが、培養土に腐葉土を2割位混ぜておくとより水はけが良くなります。
自身でブレンドする場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合でブレンドしてください。
・弱アルカリ性にする方法
日本の雨は弱酸性なので、特に地植えの場合は土が酸性に傾いていることが多いです。
アルカリ性にするには苦土石灰を使用すると良いですよ。
苦土石灰は園芸店やホームセンターなどで簡単に手に入る園芸資材で、酸化マグネシウムや酸化カルシウムが主成分です。
苦土石灰を土に混ぜると、土をアルカリ性へ傾けることができます。
植え付けの1~2週間前に、植え付ける場所の土をたがやして苦土石灰を混ぜて土を寝かせておくと良いでしょう。
注意してほしい点は、苦土石灰は効き目が強いので蒔いてから1~2週間、土となじませる必要があります。
そんなに待てない!と植え付けを急いでいる方は、有機石灰を使いましょう。
有機石灰は貝殻などを細かくしたもので、効き目はゆっくりですが蒔いてすぐに植え付けが可能です。
有機石灰も園芸店やホームセンターなどで購入できます。
【水やり】
植え付けから根が張るまでは、土の表面が乾いたらたっぷり水をあげます。
地植えの場合は、根がしっかり張ったら雨だけでも十分です。
それでも夏など乾燥がひどい時は、たっぷりと水やりをしてください。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢の底から水が出てくるまで水をあげます。
多湿が苦手な植物なので、水のあげすぎには注意が必要です。
必ず土が乾いてから、水やりを行います。
土の中が蒸れないように、水やりは朝夕の涼しい時間に行いましょう。
【剪定】
・花がら摘み
花がら摘みとは、咲き終わった花を切り取ることです。
花をそのままにしておくと種を作るために栄養を使うので、次の花が少なくなってしまいます。
種が不要であれば、咲き終わった花はすぐに摘み取りましょう。
・切り戻し剪定
切り戻し剪定とは、伸びすぎた葉や茎を切り取って樹形を整えることです。
花が終わった夏に切り戻しを行うことで蒸れを防ぎ、新芽の成長を促すことができます。
混みあった葉を切り取り、茎も枝分かれしているところまで切り取ります。
【病害虫】
・うどんこ病
うどん粉病はカビの一種で、葉や茎が小麦粉をかけたように白くなります。
うどん粉病にかかると、光合成が妨げられて生育が阻害されます。
風通しが悪かったり、水はけの悪い土壌に発生しやすくなります。
密集した葉を切り取り、風通しの良い場所で育てて予防しましょう。
・アブラムシ
ルリタマアザミはあまり害虫がつきませんが、アブラムシがつくことがあります。
アブラムシは樹液を吸って、植物の成長を阻害する害虫です。
アブラムシはすごい早さで繁殖するので、こまめに観察して数の少ない内に捕殺するか、薬剤を塗布しましょう。
【冬越し】
ルリタマアザミは寒さに強い植物で、マイナス10度くらいまでなら屋外で越冬が可能です。
寒冷地でなければ、特に対策しなくても春になれば新しい芽を出してくれます。
土が凍るような寒冷地では、鉢を屋内に入れるか、敷き藁を敷いてマルチングして対策しましょう。
ルリタマアザミを育て方はいかがだったでしょう?
多湿に気を付ければ、難易度はそれほど高くない植物なので安心してくださいね。
それでは次に、植え替えと株分けについてご紹介していきます。
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ルリタマアザミの植え替えと株分け!コツやポイントは?
それではルリタマアザミの植え替えと株分けについて、ご説明していきますね。
植え替えは株に新しい土(栄養)を与え、必要によっては大きい鉢に植え替えることで成長を助ける役目があります。
ルリタマアザミの植え替えと株分けに適した季節は、3~4月か10~11月の暖かい日が良いでしょう。
ルリタマアザミは成長が早いので、1~2年に1回は植え替えを行います。
株分けは、植え替えと同じタイミングで行うと効率的です。
それでは順番にやり方をご説明します。
【植え替え】
- 鉢を横にして、優しく株を抜き取ります。
抜けない場合は軽く鉢を叩いて土をほぐしてから抜きましょう。
- 一回り大きい鉢を用意して、鉢底から1/4程度の割合で鉢底石を敷いておきます。
- 新しい土を少し入れてから、株を入れて隙間にも土を入れます。
- 土を入れていく時、鉢のフチいっぱいまで土を詰めず、1~2cmくらい残して土をつめましょう。
この隙間があることで水やりした時にしっかり根まで水が行き届きます。
- 植え替え後はたっぷり水やりを行ってください。
【株分け】
植え替えと同時に行うと効率的です。
掘り上げた株を2~3株ずつ手で分けて、新しい土に植え替えます。
いかがでしたか?
成長が早い植物なのでこまめに植え替えを行うことで、どんどん株を増やすことができますよ。
ところで、せっかく育てていたルリタマアザミが枯れたり、花が咲かなかったりと悩んでる方はいませんか?
次はそうした悩みにお応えしていきますね。
ルリタマアザミが枯れる!花が咲かない時はどうすればいい?
育てたルリタマアザミが枯れてしまったり、花が咲かなかったりしたら悲しいですよね。
そんな時の原因と対処法についてご紹介していきたいと思います。
枯れる原因
・多湿
ルリタマアザミは暑さには強いですが、蒸れには弱い植物です。水のあげすぎや、水はけや風通しの悪い環境だと枯れることがあります。
対処法は、水やりは必ず土が乾いてから、朝夕の涼しい時間に行うことです。
また、混みあった株は剪定することで風通しを良くすることができます。
鉢植えの場合は、鉢の受け皿に溜まった水はこまめに捨てることで多湿を防ぎます。
・肥料
ルリタマアザミは痩せた土地でも良く育つので、あまり肥料を必要としません。
環境の変化を嫌う性質があるので、逆に肥料の施し方によっては株を弱らせることがあります。
どうしても肥料を施す際は、株の根元ではなくすこし離れた場所に施すようにしましょう。
花が咲かない原因
・日照時間
植物が花をつける要因として、日当たりはとても重要です。
夏の直射日光以外はたっぷり日が当たる場所で育てることで、花つきが増えるでしょう。
・種から育てた
種から育てた場合、その年には花が咲きません。
生育環境にもよりますが、早くても翌年、遅くて2年は待ってみると花が咲くと思います。
少しでも早く花が見たい場合、春に種を蒔くと翌年花をつけてくれる可能性が高くなりますよ。
それでは、ルリタマアザミについてたくさんお伝えしましたので、最後にまとめましょう。
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まとめ
今回は、ルリタマアザミの育て方や増やし方などをお伝えしました。
「瑠璃玉」の名前のごとく球状の青い花を咲かせてくれるルリタマアザミ。
ポンポンと丸い花が咲いている姿は、夏のお庭を可愛らしく彩ってくれるでしょう。
育て方のコツは、多湿が苦手なので、乾かし気味で育てること。
植え替えることで長く花を楽しむことができるので、1~2年のペースで行ってあげてください。
枯れたり花が咲かなかったりした時は、よく観察して原因を突き止めましょう。
早めに対応できれば、きっと復活し元気に花を咲かせてくれますよ!
ルリタマアザミは草丈が高いので、お庭の奥に植えることでお庭を広く見せることができ、重宝します。
そしてなにより球状の丸くて可愛らしい花は、他とは一風変わったお庭を演出したい方にぴったりです。
ルリタマアザミで夏のお庭を楽しみたい方はぜひ育ててみてくださいね!
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ルリタマアザミの詳しい育て方をありがとうございます。
いつも緑色のままで終わりますが、土を替えたら青色になりますでしょうか?
よろしくお願いします。
ご返信が遅くなり申し訳ございません。
種類にもよると思いますが、ベッチーズブルーだとクリアな青になると思いますよ。