お花屋さんでもよく見かけるラナンキュラス、柔らかい花びらが重なり合った丸いお花が可憐で目をひきますよね。
実はこのラナンキュラス、毎年新しい品種がどんどん開発されている、今注目のお花なんです。
また生花として飾るイメージが強いラナンキュラスですが、ご自宅で育てることもできるんですよ。
そこで今回は、ラナンキュラスの種類や育て方について詳しくお伝えしていきます。
また、植えっぱなしでもOKという噂の真相も解明していきますので、お楽しみにしてくださいね。
目次
ラナンキュラスとは?種類はたくさん?開花時期は?
ラナンキュラスはどんなお花なのでしょうか?
ラナンキュラスはキンポウゲ科キンポウゲ属の球根性植物ですが、キンポウゲ属のお花はなんと、世界に約500種もあるんです。
日本でラナンキュラスと呼ばれているのは、ラナンキュラス・アシアティクスを中心に品種改良された園芸種です。
日本には明治時代に渡来しましたが、当時のお花は小さく花びらも少ない、ポピーやアネモネのようなお花だったため、あまり人気が出なかったんですね。
ところが1960年代に、日本で開発されたビクトリアストレインという品種が発表され、八重咲きで大輪のお花をつける姿が大人気となりました!
その後も盛んに品種改良が行われ、色も形もさまざまな品種が次々と発表されていますよ。
3〜5月に咲くお花の色は、白、赤、黄、ピンクなどが一般的ですが、紫や緑などもあります。
また八重咲で、バラの花のような咲き方をしたものが人気ですが、一重のものやカーネーション咲き、花弁が丸まったカール咲きなどもありますよ。
定番のお花からちょっと変わったお花まで、そのさまざまな品種をいくつかご紹介してみたいと思います。
【ビクトリアシリーズ】
先ほど少しご紹介した、品種改良の先駆けとなった品種です。
八重咲きのふっくらとした丸いお花が特徴的で、最も一般的な品種です。
花の色は赤、オレンジ、ピンク、黄、白などがあります。
【ラックスシリーズ】
宮崎県の綾園芸というナーセリーが生み出した品種です。
花びらにワックスをかけたような艶があるのが特徴的で、光を当てるときらきら輝き、とても美しい品種です。
一重咲きから半八重咲きで、花色は白やピンク、黄、オレンジ、これらの複色があります。
【ドリーマーシリーズ】
太くしっかりとした茎と、大輪のお花が特徴です。
たくさんの花びらが幾重にも重なる豪華な八重咲きで、花色も白、赤、オレンジ、ピンク黄、複色と豊富です。
切り花としても人気が高い品種です。
【モロッコシリーズ】
小さく縮れたような花びらと目立った雌しべが特徴的で、オリエンタルな魅力がある品種です。
濃い紫色や濃紅色のお花があるのも魅力で、シックな印象のものが多いです。
【ポンポンシリーズ】
フリルのようにカールした花びらが特徴で、複色のものが多く、とても豪華な印象の品種です。
2011年にイタリアで開発された品種で、当初の品種名は、ハリーポッターの登場人物の名前が多く付けられています。
白やピンク、緑など、モロッコシリーズよりも明るい色合いのラインナップです。
いくつか代表的な品種をご紹介してきましたが、お気に入りのものは見つかりましたか?
ピンとくる品種が見つかったら、今度はご自分で育ててみましょう。
次はラナンキュラスの育て方についてご紹介していきます。
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ラナンキュラスの育て方!植えっぱなしOK?水やりや剪定は?
ところで「ラナンキュラスは植えっぱなしでも大丈夫」という噂を聞いたことはありますか?
ガーデニング初心者にとっては、けっこう気になる噂ですよね(笑)
ラナンキュラスの育て方についてお話しする前に、ちょっとその噂の真相を探ってみましょう。
一般的な球根は、毎年きれいなお花を咲かせるために、地上部が枯れたら球根を掘り上げて保管する必要がありますよね。
これには理由があります。
植えっぱなしにしておくと、湿気や温度の管理が難しく、特に梅雨時や真夏に球根が腐ってしまうからなんです。
それでは、その点、ラナンキュラスはどうなのでしょうか?
基本的には、やはりラナンキュラスも植えっぱなしにしないで「掘り上げた方が良いお花」です。
きちんと掘り上げて球根を管理することで、湿気や高温から球根を守ることができるからです。
品種改良を行なっている育苗メーカーなども、掘り上げることを推奨していますよ。
ただ、ややこしいのですが、意外と植えっぱなしにしておいても大丈夫な場合が多いのもまた事実なんです・・・。
というのも、お花の色や花びらの形だけではなく、丈夫で育てやすいようにと品種改良が進められた結果、球根自体も比較的、多湿に強くなってきているからなんですね。
とはいえ、地植えにしていると、年によって長雨にあたったり、猛暑で球根が傷んでしまうことがあります。
なので、植えっぱなしにする場合は、移動できる鉢植えで育て、鉢ごとしっかり乾燥させてください。
それではお話を戻して、ラナンキュラスの育て方について項目別にご紹介していきましょう。
【栽培環境】
ラナンキュラスは日当たりと水はけがよいところを好みます。
あまり耐寒性が強くないので、北風や霜に当たらないよう、冬は軒下などで管理するか、藁やビニールなどで覆うマルチングをするといいですよ。
【植え付け】
地温が下がり、土がだんだん乾いてきた10〜11月に植え付けをします。
日中の気温が20℃より高いと、球根が傷みやすいのでお気をつけくださいね。
また、秋の長雨に当たると、乾燥していた球根に急激に水が与えられてしまい、腐ってしまうので、こちらも注意が必要です。
私は秋の紅葉が深まった頃を目安にしています。
ラナンキュラスを植え付ける時は、すぐに土に埋めずに吸水処理をします。
まず、軽く湿らせたバーミキュライトに球根を埋め、冷暗所で1週間ほど吸水させてから植えつけます。
軽く湿らせた土に植え付けますが、球根の上に2cm程度土が被るくらいに浅く植え付けてください。
球根は小さな細長い突起がたくさん集まったような形ですが、突起がまとまっているところが上なので、上下を間違えないようにしてくださいね。
植え付け後は乾燥しないように、2週間くらいは日陰で管理しましょう。
【用土】
有機質が多く含まれた、水はけの良い土を好みます。
また、ラナンキュラスは酸性土を嫌います。
なので、鉢植えの場合は、
「赤玉小粒土:腐葉土:酸度調整済みピートモス」=「5:3:2」
の割合で混ぜた土を使います。
市販の草花用土でも大丈夫ですよ。
地植えにする場合は、水はけの良いところを選び、腐葉土をよくすき込んでおいてください。
【水やり】
湿らせた土に植え付けた後は、1週間ほど水を与えず土からゆっくりと吸水させ、その後は乾いたらたっぷりあげてください。
成育中〜開花中も同じように与えます。
花が咲く時期は水切れすると、貧弱なお花になりやすいので、ひどく乾燥させないよう、ご注意くださいね。
開花後、葉が黄色くなってきたら徐々に水やりを控えていきます。
そして、全ての葉が黄色くなったら、水やりをやめて完全に乾かしてください。
【肥料】
植え付け時に元肥として緩効性肥料を与えてください。
葉が増えてきたら、液体肥料か緩効性肥料を置き肥で追加していきます。
また、葉が枯れ始める前から徐々に肥料を減らしていくと、球根が傷みにくくなりますよ。
【病害虫】
多湿や風通しが悪いと、葉や花などに褐色の病斑がでる灰色かび病になることがあります。
散った花びらなどをそのままにしておくと、病原菌が繁殖しやすくなりますので、花がらはこまめに取り除いてください。
また、若く柔らかい葉にアブラムシがつきやすいので、注意が必要です。
周囲の雑草を抜いて風通しをよくして予防に努め、ついてしまった場合は見つけ次第、薬剤を散布してください。
春先は、ハモグリバエの幼虫が葉につくこともあります。
葉に落書きをしたような白い筋がついたら先端に幼虫がいるので、上から潰して退治しましょう。
葉が茂る頃に、オルトランなどの根や葉から吸収させる殺虫剤を与えたり、葉の裏にいる黒いゴマのような幼虫をあらかじめ退治しておくと、予防になります。
さて、ここまでラナンキュラスの育て方についてお話してきましたが、球根植物のラナンキュラスはどうやって増やせば良いのでしょうか?
次は、ラナンキュラスの増やし方についてご紹介していきます。
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ラナンキュラスの増やし方!分球のコツやポイントは?
ラナンキュラスは球根を分ける、分球で増やすことができますよ。
分球は梅雨に入る前、5月中旬〜6月に行います。
葉が黄色くなってきたら、鉢植えは水やりをやめて乾燥させ、掘り上げの準備をしておき、葉が茶色くなったら、球根を掘り上げます。
地植えの場合は晴天が続いて土が乾いている時を見計らって掘り上げます。
茎は球根の付け根のところから切って処分し、球根は良く洗ってから適当な大きさになるように手で分けます。
日陰で風通しの良い場所でしっかりと乾燥させ、ネットや紙袋に入れて風通しの良い日陰で保管してくださいね。
秋までそのまま保管し、10月頃にまた植え付けましょう。
ところでラナンキュラスはボリュームがあるお花なので単体でも楽しめるお花ですが、花束のように他のお花と組み合わせて寄せ植えで楽しんでみませんか?
次はラナンキュラスを「寄せ植え」にする時のコツやポイントについてお話ししていきます。
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ラナンキュラスの寄せ植え!コツやポイントは?
ラナンキュラスを寄せ植えにする時は、どんなことに気をつけたらいいでしょうか?
まず、寄せ植えを作る時には、花苗を購入するか、寄せ植え用に球根を植えて苗を育てておき、春に作りましょう。
というのも、秋に球根の状態で寄せ植えにしてしまうと、上手く育たなかったり、寄せ植えした他のお花が終わってバランスが悪くなったりしてしまうからです。
つぼみができてくる頃を目安に寄せ植えを作っていきましょう。
ラナンキュラスは「大きなお花」が特徴的なので、寄せ植えの主役として使うと良いですよ。
同じ時期にお花が咲くプリムラやデージー、スイートアリッサムやビオラなどと組み合わせると、ラナンキュラスのお花を引き立て、小さなブーケのような寄せ植えになります。
また、チューリップやアネモネ、ムスカリなどの同じ球根植物との相性は抜群ですよ。
私はラナンキュラスを何種類か寄せ植えにし、カレックスやハツユキカズラなどの葉物でバランスを取るのがお気に入りです。
ところで寄せ植えもそうですが、ラナンキュラスのお花が咲き終わった後はどうしておけば良いのでしょうか?
次はラナンキュラスの花後の処理についてお話ししていきます。
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ラナンキュラスの花が終わったら?寿命はどれくらい?
ラナンキュラスのお花が咲き終わったら、何をすればいいでしょうか?
まず、一輪のお花が咲き終わったら、その度に次の花芽の手前、葉の付け根の部分から切り取ります。
これは病害虫のところでもお話ししましたが、枯れたお花をそのままにしておくと、病気の原因になりやすいためと、次のお花をきれいに咲かせるためです。
2週間ほどで次のお花が咲きますので、開花中はこれを繰り返してください。
こまめに花がらを切り取ることで、開花期間が延び、4月いっぱいくらいはお花を楽しめるようになります。
また、5月に入って日中の気温が上がってくると葉が黄色くなり始めます。
こうなると、新しいお花も咲かなくなり、そろそろラナンキュラスの寿命が近づいてきた合図です。
水やりを徐々に控え、地上部が枯れたらしっかり乾燥させ、掘り上げの準備をしてくださいね。
それでは、ラナンキュラスについていろいろとお話しましたので、最後にまとめましょう。
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まとめ
今回はラナンキュラスの種類や育て方、増やし方などについてお話ししてきました。
ラナンキュラスはたくさんの園芸品種があり、ビクトリアシリーズやラックスシリーズ、ポンポンシリーズなどが代表種です。
育て方は、10〜11月に吸水処理をした球根を、日あたりと水はけの良いところに植え付けます。
乾燥したらたっぷりと水を与えますが、花後、葉が黄色くなり始めたら水やりを控えます。
植えっぱなしにせずに、分球を兼ねて梅雨前には一度掘り上げ、球根を乾燥させて保管しましょう。
病害虫は灰色かび病やアブラムシ、ハモグリバエの幼虫にご注意下さい。
増やし方もお伝えしましたね。
寄せ植えは、プリムラやデージー、チューリップやアネモネと相性が良いです。
ラナンキュラスは育てるだけではなく、切り花や寄せ植えなど、色々な楽しみ方ができるお花です。
お気に入りの品種を見つけて、ぜひ育ててみてくださいね。
あなたが育てたラナンキュラスのお話も、ぜひ教えてくださいね^^
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