暑くて乾燥した日が続いた後、やっと雨が降りました。
しばらくして、白い花が咲いているのに気が付きました。
そう、これがゼフィランサスの花です。
このゼフィランサスという花、実は育てるのはとても簡単なのです。
それなら、育ててみようかという方もいらっしゃるかもですね。
そこで今回は、ゼフィランサスの育て方をはじめ、増やし方や寄せ植えのポイントを紹介していきます。
目次
ゼフィランサスとは?開花時期や特徴について
ゼフィランサスと名前を聞いても、聞いたことない人が多いのではないかと思います。
むしろタマスダレと言った方が、「あの白いかわいらしい花か」と、わかりやすいかもしれませんね。
ゼフィランサスは7~10月にかけて、白やピンク、黄色やオレンジ色の6弁の花を咲かせるキョウチクトウ科の球根植物です。
花が上を向いて咲くのが特徴です。
草丈も20cmほどしかならないので、ちょっとしたスペースがあれば大丈夫。
おまけにゼフィランサスは、初夏から秋にかけて数回咲いてくれる優れもの。
ひとつの花は3日ほどしかもちませんが、また次の茎が出て新たに花を咲かせるのです。
乾燥し温度が上がった後、雨が降って花が咲くことから、「レインフラワー」の別名もあります。
白い花がたくさんつく「タマスダレ」やピンク花の「サフランモドキ」が、ゼフィランサスでおなじみの種類です。
それから大事なこと。
ゼフィランサスは全草に毒があるので、誤って食べると、嘔吐、けいれんなどの中毒症状を起こしてしまいます。
特にスッと伸びた細長い葉は、ニラと似ており注意が必要です。
誤食には気をつけたいですが、ゼフィランサスはとても育てやすい植物です。
早速、ゼフィランサスの育て方や植え付けについて見てみましょう。
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ゼフィランサスの育て方!植え付けや切ねり戻し等のコツ
ではゼフィランサスの育て方のほか、植え付けや切り戻し等についてお話していきます。
なおこれから出てくる時期的なことについては、お住まいの地域やその時の気象条件で多少違ってきますので、あくまで参考ということで。
①環境
ゼフィランサスは日当たりのいい場所で育てます。
水はけがよければ、半日陰でも花が咲きます。
庭植えなら、日の当たる場所を選んで植え付けるといいですね。
ゼフィランサスの中でもタマスダレなどは寒さにも強く、庭に植えたままでも冬越しできます。
ただ品種によっては、寒さに弱いものもあります。
アーチ型の支柱を立て寒冷紗で覆ったり、厚めに腐葉土などでマルチングをしたりして寒さ対策をしましょう。
鉢植えなら、北風が当たらないよう明るい軒下や室内に鉢を移します。
室内に取り込むなら玄関がおすすめです。
くれぐれも暖房が入っている部屋には置かないで下さいね。
②植え付け
ゼフィランサスは春に球根を植え付けて、育てていきます。
植え付けにいいのは4~5月です。
球根は浅く植えるのがポイント。
球根が見えるか見えないかぐらいの深さ、そうですね、覆土は2cmぐらいです。
球根の間は5cmくらいあけます。
鉢植えなら、4~5号鉢に4~5個が目安です。
一度植えたら、毎年掘り上げる必要はありません。
むしろ2~3年植えっぱなしの方が、よく育っていい花が見られます。
寄せ植えを考えているなら、ポリポットに1個ずつ植え付けていくのがいいかもしれませんね。
③用土
ゼフィランサスの用土には、市販の球根用の土が使えます。
ただ水はけさえ気を付ければ、特に土にはこだわりません。
庭植えなら、よく耕した土に腐葉土やピートモスなどを混ぜ合わせて土壌を作っておきます。
そこに緩効性化成肥料をすき込んでおけば、植え付け用の土の完成です。
緩効性化成肥料は長い間にわたってゆっくりと効き目があるので、元肥によく使われます。
④肥料
ゼフィランサスに肥料が要るのは、植え付け時と開花中です。
用土のところでもお話したように、植え付け時に元肥として緩効性化成肥料を施します。
元肥になる緩効性化成肥料の分量は1㎡あたり200gが目安です。
開花中は月にいちど液体肥料を与えて下さい。
⑤水やり
ゼフィランサスの水やりの基本は、土の表面が白っぽく乾いてきたらたっぷりとやるです。
「乾かしておいたところで水をやる」と、覚えておいて下さいね。
夏は朝夕の涼しい時間帯に水をやって下さいね。
昼間は水もお湯のようになっていますから。
冬は朝に水やりがいいでしょう。
夕方だと夜冷え込んで、凍結などする恐れもあります。
庭植えについては、夏場に何日も雨が降らないようならあげて下さい。
⑥剪定(切り戻し)
ゼフィランサスには花後に花がら摘みが必要です。
花がらは花茎の下でカット。
あわせて枯れた葉も取り除いておきます。
ゼフィランサスはひとつの花が終わっても、また茎が伸びて次の花が咲いてきます。
まめに花がら摘みをして、次の花を楽しみに待ちましょう。
⑦病害虫
ゼフィランサスは病害虫には強いのですが、ただハマオモトヨトウの幼虫には気をつけないといけません。
ハマオモトヨトウは蛾の一種でゼフィランサスのうちタマスダレにつき、茎や球根を食害します。
発生したら花茎に穴が開いたり、近くに糞のかたまりもあるのでわかりやすいです。
食害が進むと生育が止まるので、見つけたら直ちにオルトランなどの殺虫剤で駆除します。
ここまで、いかがですか?
土も選ばす、水やりも簡単、何より2~3年植えっぱなしでいいなんて!
ゼフィランサスって、本当に育てるのに手間がかからないでしょう?
簡単に育てられるとわかったところで、増やし方も知っておいて、よりたくさんの花を楽しめるといいですよね。
そういうわけで続いて、ゼフィランサスの増やし方にいってみましょう。
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ゼフィランサスの増やし方!分球や種まきのポイントは?
ここからはゼフィランサスの増やし方についてです。
分球と種まきで増やすことができます。
それぞれのポイントを含めご説明していきましょう。
【分球で増やす】
ゼフィランサスを分球できるのは3月下旬です。
植え付け後2~3年で自然に分球するくらいに肥大してきます。
①分球をする予定があれば、花後に花茎の付け根近くからカットしておきます。
種ができるのを避けて、球根に養分を行き渡らせるためです。
追肥をするとさらに球根がよく育ちます。
②葉が黄色くなるのを待って、掘り上げます。
葉が青々しているうちは、まだ養分が球根に行き渡っていません。
掘り上げげた後は、乾燥させてから分球する方がいいですね。
乾かさないで分けてしまうと、球根が腐ってしまうこともあります。
分球の際、あわせて古い根や土も除きます。
③あとは植え付けの手順と同じです。
くれぐれも深植えはしないで下さいね。
【種で増やす】
ゼフィランサスはこぼれ種で増えるほど、発芽率もいいです。
①種の出来るさやは3つの部屋に仕切られた構造になっています。
部屋それぞれに、種がいくつか入っています。
種をとったら保管はせず、そのまま撒きます。
②発芽までの期間は、2週間から1ヶ月ぐらいを見ておいて下さい。
細長い葉が二本しっかり伸びたあたりで、鉢上げの時期になります。
いちどでたくさん増やせるのは種まきです。
ただ種まきになると、実際花が咲くまで2~3年かかります。
分球でも種まきでもやりやすい方で、やってみて下さいね。
以上、ゼフィランサスの増やし方まで終わりました。
となると次にくるのは……。
そう、お待ちかねの寄せ植えです。
いったい、ゼフィランサスにはどんな植物と合うのでしょうか?
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ゼフィランサスの寄せ植えのコツとポイントは?
ここからはゼフィランサスの寄せ植えについて見ていきます。
組み合わせに良い植物を取り上げ、さらに寄せ植えのコツやポイントまでご説明します。
さて、ゼフィランサスはどんな植物と合うか、早速ピックアップしてみました。
①ハブランサス
②グラジオラス
③ダリア
④サフィニア
⑤サンパチエンス
⑥ケイトウ
⑦サルビア
⑧ハツユキカズラ
⑨ヤブラン(斑入り)
⑩カラジウム
おなじみのもの、はじめて名前を聞くものがあるでしょうか。
それぞれがどんな植物かご紹介しましょう。
①ハブランサスはゼフィランサスの近縁種で横向きに花が咲きます。
花期も似ているので、寄せ植えにはピッタリです。
②グラジオラス③ダリアも初夏から咲きます。
ゼフィランサスと同じく日当たりと水はけの良い場所を好みます。
④サフィニアはペチュニアを雨にも強い品種へと改良したものです。
色とりどりの花を春先から秋まで咲かせます。
⑤サンパチエンスはインパチエンスの改良品種で、真夏でも元気に花をつけます。
⑥ケイトウも夏から秋の花壇を彩ります。
かわいい寄せ植え向きの品種などいろいろあります。
⑦サルビアも日当たりと水はけの良い場所を好みます。
寄せ植えには矮性の品種がおすすめです。
⑧ハツユキカズラは白やピンクの葉が美しいツル性の植物です。
⑨ヤブランは花よりも、斑入りの細長い葉がとても合わせやすいです。
⑩カラジウムは大きなハート型の白い葉が美しい球根植物です。
ここに挙げたのはほんの一例です。
寄せ植えをはじめるにあたって気を付けておきたいのは、できるだけゼフィランサスと相性の良い植物を選ぶということでしょう。
日当たりが好きで、水はけのよい土を選ぶということですね。
加えて花期も同じ時期に楽しめるものをということになります。
それから色合いや高さを考えて植え付けですね。
まずはポリポットのまま仮置きをして、全体のバランスをみましょう。
ゼフィランサスは鉢の縁取りに使われることが多いです。
それなら、中央に背が高いグラジオラスやサンパチエンスを中央に配置してはどうでしょうか?
逆にゼフィランサスを中央に配置して、斑入りヤブランやつる性のハツユキカズラを鉢の縁に植え付けてみてみるのもいいかもしれません。
配置が決まったらいざ植え付けに入ります。
水やりをした時、土が沈まないようにぎっしり隙間なく土を入れ込んでいきます。
最後にたっぷりと水をやって、しばらく明るい日陰で置いて落ち着かせて下さいね。
また鉢ひとつをとっても、今はいろいろなものがあります。
お気に入りの鉢があるなら、それでゼフィランサスの寄せ植えをしてみませんか?
もうこれでゼフィランサスを育てていく上で必要なことは、ほとんどお話しました。
ただ長く栽培していれば、何かしら問題に突き当たるもの。
おしまいにゼフィランサスを栽培していくうえで、よくあるトラブルについて取り上げていきます。
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ゼフィランサスが咲かない、増えすぎるなどの原因と対処法
では、ゼフィランサスが咲かない場合と増えすぎる場合にどうするか、原因を探り、あわせてその対処法についてお答えしていきます。
【花が咲かない】
原因①日当たりは十分でしょうか?
他の植物の陰になったりしていないでしょうか?
ゼフィランサスは日に当たらないと花つきが悪くなります。
対策①日当たりの良い場所に鉢を移動させるなどします。
原因②水のやりがうまくいってないのかもしれません。
ゼフィランサスは水をやりすぎると過湿になり球根が腐ります。
逆に水が足りないと球根も大きくなれず根も育ちません。
対策②土の表面が白っぽく乾くまで待って、それからたっぷりと水をやります。
【増えすぎる】
原因:ゼフィランサスは自然に分球もするし、こぼれ種でも増えるので、植え付け後3~4年で、かなり密集状態になります。
増えすぎると、株間に余裕がなくなり、花つきも悪くなりかねません。
対策:株が過密になってきたら、掘り上げて分球して下さい。
それでは、ゼフィランサスについて最後にまとめましょう。
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まとめ
今回はゼフィランサスについて紹介しました。
- ゼフィランサスは初夏から秋にかけて数回咲く球根植物です。
- 日当たりと水はけが良い場所で育てます。
- 増やすのは分球か種まきになります。
- 寄せ植えはゼフィランサスと性質の似た植物との組み合わせがおすすめ。またゼフィランサスは鉢の縁取りにもよく使われます。
- 株が増えすぎてきたら、掘り上げて分球します。
手間いらずなのに、初夏から秋まで何度も咲いてくれる優れものゼフィランサス。
ずっとかわいがってあげて下さいね。
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