初心者でも気軽に庭で植物を楽しみたい、という人にぴったりなのがポットマムです。
今回はポットマムとはどのような植物なのか、花言葉や育て方について紹介していきます。
簡単に増やすこともできるので、増やした苗を寄せ植えにするといったこともできます。
ぜひ、この記事をポットマムを育てるときの参考にしてみてください。
目次
ポットマムの種類と開花時期!花言葉はなに?
ポットマムとは、矮性(茎が短く、背丈が低い)の鉢植え用のキクのことで、ガーデンマムや洋ギクとも呼ばれています。
ポットマムの種類は、ジャーマンガーデンマム、スプレーマム、ポンポンギク、ガーデンマムなどがあります。
ジャーマンガーデンマムの特徴は、花弁が細く、花径が小さい。
スプレーマムは、花弁が細く、花径が小さく、花茎にたくさんの花をつけます。
ポンポンギクは、花が球形で、花径が小さいのが特徴です。
ガーデンマムは、大輪で豪華な花をつけてくれ、花径が大きいのが特徴です。
日本では、キクと言えば仏花として飾るのが一般的ですよね。
しかし、ポットマムは仏花用のキクとは違い、鉢の上にドーム状に小さな花がこんもり咲きます。
同じキクとは思えない、可愛らしい雰囲気が特徴です。
ポットマムは、鉢植え用のキクですので「キク科」に属し、開花時期は10~11月です。
また、キクは多年草に分類されるので、ポットマムも上手く育てれば毎年花を楽しむことができます。
ポットマムの花言葉は、「高潔」「清らかな愛」「気持ちの探り合い」です。
「高潔」はキクの花言葉でもあります。
一方で、「気持ちの探り合い」という恋愛の駆け引きを思わせる花言葉もあります。
これは筆者の予想ですが、ポットマムの枝分かれして花がたくさん咲く様子を、相手の気持ちがどこにあるか分からないという状況に例えたのではと考えられます。
ポットマムは仏花用のキクとは違った魅力があることがおわかりいただけたでしょうか。
次からは実際の育て方について紹介していきます。
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ポットマムの育て方!種まき・水やり・切り戻し等のコツ
ポットマムには、様々な品種や仕立て方がありますが、今回はドーム状に枝分かれした先に小さな花をたくさん咲かせる仕立て方を例に説明します。
初心者の方は秋のはじめにホームセンターで鉢を買って育てていくのが一番成功しやすいです。
買うときに鉢に挿してあるラベル等を確認して品種を選んでみてください。
【植え付け】
植え付けの適期は3~5月頃です。
もともと育てていた、あるいは買った鉢を植え替える場合は、ひと回り大きな鉢に植え替えます。
挿し芽をして増やした苗を使う場合は、鉢の中心部と淵に沿って苗の間隔が均等になるように植えていきます。
鉢の大きさによって挿し芽苗の数を変えますが、目安としては、5号鉢(直径15cm)に5本程度の苗を植えていきます。
どの苗を使う場合も、鉢底石を敷き、用土は鉢用やプランター用といった市販の用土を使います。
もし肥料が入ってなければ、用土に緩効性肥料を混ぜ込んで準備してください。
水はけの良い環境を好むので、植えるときは深植えにならないようにします。
また、植え付け後は日当たりの良い場所に置き、鉢の下にブロックやトレーを置いて一段高くすることで、水はけがより良くなりますよ。
【水やり】
用土の表面が乾いたら鉢底から水が出るまでたっぷり水やりします。
特に、9~11月ごろの開花前~開花期は水が不足すると、花の咲きが悪くなったり、花もちが悪くなるので、水を切らさないように注意します。
【追肥】
植え付け後~10月の間は、植え付けのときに混ぜ込んだ緩効性肥料が切れてきたら、緩効性肥料を追肥します。
それに加えて、10月になって蕾が大きくなってきたら即効性の液体肥料を併用することで花つきや花もちが良くなります。
しかし、肥料のあげ過ぎは良くないので、濃度や頻度は守るようにしましょう。
【摘心】
ドーム状のこんもりした草姿を作るのに一番重要な作業が摘心です。
この作業を行うことで細かく枝分かれさせるさせるとともに、養分を残した茎や蕾に集中させることができます。
摘心は、4月~7月に行います。
遅い時期に摘心を行うと、成長点で作られた花芽を取ってしまうことに繋がり、花数が減る原因になります。
具体的な摘心のやり方は、茎が伸びてきたら、極端に長い茎を高さを揃えるように切る、というのを定期的に行うだけです。
あまり茎が伸びて太くなってから摘心をしようとすると、摘心後の生育が悪くなったり、全体の形が悪くなったりするので、こまめに行うのがコツです。
【切り戻し(剪定)】
花が咲き終わったら、茎を3分の1程度の長さまで全て切り、冬越しに備えます。
翌年になり暖かくなってくると新しい芽が出てくるので、挿し木に使ったり、株ごと植え替えたり、株分けをします。
【病害虫】
ポットマムに発生しやすい病気は葉枯病やさび病です。
葉枯病ははじめは下葉に黄色斑が現れ、斑点が褐色化しながら上の方の葉へ広がっていくのが特徴です。
さび病は葉や茎、花のがくに白色や黒色の小さな斑点が発生するのが特徴です。
また、ポットマムに発生しやすい害虫はアブラムシやヨトウムシです。
アブラムシは体長1~2㎜の黄緑色や黒褐色の害虫で、葉の裏に集団でいることが多いのが特徴です。
ヨトウムシはヨトウガの幼虫で、葉を食害します。
成長すると、夜に活動して昼間は土中にいるようになるため、見つけにくく厄介です。
病気も害虫も、日頃から発生していないかよく観察し、発生した場合は速やかに薬剤を散布したり、発生箇所を取り除いたりして対処することが大切です。
ここまでは、具体的な育て方について紹介しました。
ポットマムは、置き場所やこまめな手入れを心がければ、難しい作業はなく、初心者でも育てやすい植物です。
次からは、多年草であるポットマムの特徴を活かした増やし方について紹介していきます。
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ポットマムの増やし方!種まきや挿し木のコツやポイント
ポットマムは多年草のため、挿し木や株分けで増やすことができます。
もちろん種をまくことで増やすこともできますが、ポットマムの種は細かく、初心者が扱うのは少し難しいので、挿し木で増やす方法をおすすめします。
挿し木は、前年に切り戻しをした株から出てきた芽を使うので、5~6月頃に行うのが適期です。
もし一度により多くの苗を作りたい場合は、4月頃に出てきた芽を一度摘心することで、複数の節からわき芽が伸びてきます。
このわき芽が伸びたら挿し木に使うことで、より多くの苗を作ることができます。
茎が太くて節間(葉と葉の間)が狭い新芽の先端を5cmほどに切り、土に触れる部分の葉を取ったあと、用土に挿していきます。
用土は、肥料が入っていない水はけのよい赤玉土やバーミキュライトを使うと良いでしょう。
挿し木後は直射日光の当たらないところで水やりをしながら管理すると、2~3週間で発根し、苗として使えるようになります。
ポットマムの挿し木はカンタンなので、ぜひトライしてくださいね。
では、せっかく増やしたポットマムなので、これを使って寄せ植えを楽しんでみませんか。
次からは、ポットマムの寄せ植えに適した植物と、寄せ植えの方法について紹介していきます。
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ポットマムの寄せ植え!コツやポイントは?
ポットマムは開花期が10~11月頃なので、寄せ植えにするときは同じ時期に開花期する植物を組み合わせると彩りが良くなります。
ポットマムと同じ時期に開花する植物は、ナデシコやケイトウ、コスモス、ビオラ、パンジーなどです。
また、観賞用トウガラシといった実物の植物を組み合わせるとより秋っぽさを演出できます。
コリウスなどの葉の色を楽しむカラーリーフもおすすめです。
また、花の色が違うポットマムを複数組み合わせるのも、見た目に統一感がありつつもカラフルになります。
寄せ植えのやり方は、鉢底石を敷いた上に用土を入れて寄せ植えにする植物を仮置きして高さや配置を決めていきます。
このときに配置する植物に高低差をつけると寄せ植え全体に立体感や動きを出すことができます。
植物の配置が決まったら植えていきます。
最後に割りばし等で植物同士の隙間に用土をしっかり詰めていきます。
隙間が空いていると、根が乾燥して傷み、生育が悪くなる原因になるので注意しましょう。
用土を詰めたら、たっぷり水やりをして完成です。
ポットマムは寄せ植えとしても楽しむことができます。
最後に、ポットマムを育てる中で、枯れてしまう等のトラブルがあったときの対処法について紹介します。
もし、困ったときは参考にしてみてください。
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ポットマムが枯れた(枯れる)!原因と対処法は?
ポットマムが枯れる原因と対処法についていくつか紹介していきます。
【原因1】土の水はけが悪い
まずは、ポットマム以外の植物にも共通することですが、生育するのに適した環境でないと生育が悪くなり枯れる原因になります。
ポットマムの場合、日当たりの良い場所と水はけの良い土を好むので、そのような場所に置いているか、土は水はけが良いか確認しましょう。
【対処法】
もし鉢を直接地面に置いていると水やりをしたときに排水の妨げになるので、鉢を一段高くすることで水はけの改善になります。
【原因2】害虫による影響
ポットマムにも病害虫が付きますので、その防除を怠ると枯れる原因になります。
【対処法】
先述した病害虫についての説明を参考に早めに対処することが大切です。
病害虫の発生を予防するために、泥がかからないようにしたり、咲き終わった花がらをすぐに取るようにしたりして株を衛生的に保つのも効果的です。
ポットマムを含め、キクは日本で昔から栽培されていて、比較的丈夫で育てやすいため、基本的なことをおさえておけば枯れるのを防ぐことができます。
それでは、ポットマムについて最後にまとめましょう。
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まとめ
今回は、ポットマムの花言葉や育て方等について紹介しました。
ポットマムは鉢植え用に品種改良されたキクのことで、切り花用のキクとはまた違った魅力があります。
種類もいろいろありましたね。
栽培は比較的簡単ですが、品種に合わせたこまめな摘心を心がけることで初心者でもきれいに花を咲かせることができます。
また、ポットマムは多年草のため、挿し木で増やすこともできます。
増やした苗を使って寄せ植えを作ることで、よりポットマムの栽培を充実させることができますよ。
ポットマムは栽培が簡単だからこそ、基本的な栽培環境を整えてあげることを意識して育てることが、長く楽しむコツです。
ぜひお気に入りの品種を選んで育ててみてください。
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