特に魚料理との相性が良いとされているハーブのディル。
ヨーロッパなどでは古くから様々な料理に使われているポピュラーなものです。
ですが、日本の料理にはあまり使う機会がないですよね。
スーパーで売っているのは見たことがあるけど、どうやって使うの?という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
せっかく食べるならフレッシュなものを楽しみたいけど育てるのは種から?苗から?
・・・と迷ったり、収穫後の保存方法が分からない方も多いと思います。
今回は、ディルの使い方や育て方、長持ちさせる保存方法をご紹介します。
目次
ディルの使い方!料理のレシピは何がおすすめ?
ディルの語源は古代の北欧の言葉で「鎮(しず)める」という意味があり、昔は、しゃっくりを止める効果があるとして使われてきたんですよ。
ディルは葉や茎にスッキリとしたさわやかな香りがあり、噛むとほんのりとした甘みを感じます。
レストランではサラダなどにも飾られていることが多いですよね。
ですが、ディルという名前は知っているけどどんな料理に使えばよいかわからない…と思う方は多いかと思います。
難しく考えずにいつもの料理に少し足すだけで新鮮な香りをつけることができますよ。
ここでは、ディルの使い方をご紹介するとともに簡単な料理のレシピを3つほどお伝えします。
ディルの使い方は?
さわやかな香りを持つディルは「魚のハーブ」と呼ばれているほど魚との相性が良いとされています。
また、さわやかさと辛みを感じる種子は、ピクルスやカレーのアクセントなどにも使われたりします。
魚料理のほかにも酸味のあるものともよく合うので、ドレッシングやマリネなどにも使うことができますよ。
では、具体的な使い方が分かるように簡単なレシピをご紹介しましょう。
ディルを使った簡単レシピをご紹介!
【サーモンとディルのホイル焼き】
材料(2人分)
- サーモン 2切れ
- 塩コショウ 適量
- 赤パプリカ 1/4個
- 玉ねぎ 1/2個
- しめじ 1/4房
- マヨネーズ 大さじ3
- 白ワイン 大さじ1 と1/2
- ディル 10g
- レモン お好みで
作り方
- サーモンに塩コショウで下味をつける
- 玉ねぎ・パプリカは薄くスライスし、しめじは食べやすい大きさに割く
- マヨネーズと白ワインを混ぜてソースを作っておく
- ディルは細かく刻んでおく
- アルミホイルに野菜・サーモンをのせ、マヨネーズソースとディルの半量をかけ包む
- フライパンに包んだホイルをのせ、中火で10分程加熱する
- 5分程余熱で火を通す
食べる前に残りのディルとお好みでレモン汁をかけると香り良く楽しむことができます。
ディルとサーモンはすごく相性がいい組み合わせなので特におすすめですよ。
焼き物の次は、サラダに行ってみましょう!
【サバ缶とディルのポテトサラダ】
材料(2人分)
- じゃがいも 2個
- サバの水煮缶 1缶
- ディル 10g
- 塩 適量
- マヨネーズ 大さじ3
- レタス
作り方
- じゃがいもは皮のままレンジで加熱し、柔らかくなったら皮をむいて軽くつぶしておく
- 鯖缶は身をほぐしておく
- じゃがいもとサバ缶、マヨネーズ、刻んだディルを混ぜ、塩で味を整える
- お皿にレタスを敷き、その上に盛り付ける
ディルはじゃが芋やマヨネーズともよく合います。
そのまま食べてもいいですし、飽きてしまったらチーズをかけて焼いたりサンドイッチにもぴったりですよ。
次は、大人も子供も大好きなクリームパスタのレシピをご紹介します。
【ディルのレモンクリームパスタ】
材料(2人分)
- スパゲティ 200g
- 豚バラ肉 100g
- オリーブオイル 大さじ2
- にんにく 1かけ
- 白ワイン 30ml
- 生クリーム 150ml
- レモン 1/2個(絞り汁)
- ディル 10g
- 塩・黒コショウ 適量
作り方
- にんにくはみじん切り、豚肉は一口大に切っておく
- フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、香りが出るまで炒める
- 豚肉を入れ、色が変わるまで炒める
- 豚肉に火が通ったら塩コショウで味をつけ白ワインを入れ、アルコールを飛ばす
- 生クリームを入れ少し煮詰め、レモン汁を加える
- 茹でたスパゲティを入れソースと絡める
- お皿に盛り付け、小さくちぎったディルを飾る
ディルの香りはこってりしがちなクリームソースのパスタにもぴったりです。
豚肉の代わりにスモークサーモンでも合いますよ。
さて、ディルの使い方や簡単なレシピをご紹介してきましたがいかがですか?
初めてだとどんな料理に使っていいか分からなくなりますが、ホイル焼きやポテトサラダなど、普段の料理が新鮮な風味になるので一度試してみてくださいね。
ところで、ディルはスーパーなどでもよく見かけますが、収穫したての方が香りが良いですよね。
フレッシュな香りを楽しむために家で育ててみたいと思っても、分からない事はたくさんあるかも知れません。
そこで、続いては初めての方でもできるディルの育て方をお伝えします。
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ディルの栽培方法!育て方のコツとポイントとは?
独特の風味を持つディルは、日本のハーブである「セリ」と同じ仲間なんですよ。知ってましたか?
特徴がある香りという面では、少し似ているところもありますよね。
そんなディルは、種からでも苗からでも育てることができますが、1株のサイズが大きくなるので育てる量には注意が必要です。
では、育てるうえで気をつけることを7つのポイントに分けてご紹介します。
上手に育てるためには大事なポイントになってくるので、キチンと目を通してくださいね。
ディルの育て方「7つのポイント」をご紹介!
(1)用土・プランターの選び方
まず、ディルは、水はけがよく、保水性があるしっとりとした土を好みます。
市販のものでは、ハーブ用か、草花用培養土を選ぶと良いですよ。
鉢植えなら24㎝の8号鉢、プランターは45~60㎝ほどのものを使いましょうね。
(2)植える時期
植える時期ですが、種植えも苗植えも適期は4~5月か9~10月です。
ディルは夏の暑さが苦手なので、初めて植える方は秋に植えた方が失敗しにくいですよ。
(3)植え付け
植え付けは、種から育てる場合と、苗から育てる場合があるので、それぞれご説明しますね。
【種から育てる場合】
ディルは育つと1株が大きくなるので、8号鉢に1カ所、プランターなら3~4カ所を目安に植えるようにしましょう。
植え方の手順は以下の通りです。
- 鉢植えやプランターに土を入れる
- 1㎝程の穴をあけ、種を3~5粒ほど蒔く
- 土をごく薄くかけ、上から優しく押さえます
- 発芽するまでは土が乾かないように水をたっぷりめにあげるようにしましょう
ディルは育つにつれて大きくなるので、早い段階で間引いてあげると、うまく育ちますよ。
では、続いて苗から育てる場合を見て行きましょう。
【苗から育てる場合】
まず、苗は緑が鮮やかで変色していないものを選びます。
苗から植える時も、種から育てる時と同じように「間隔」を守ることで育てやすくなります。
植え方の手順は以下の通りです。
- 鉢植えやプランターに土を入れる
- 育苗ポットから苗を取り出し優しく植える
(この時、根を傷つけないように根をほぐさずに植え替えましょう) - 水は最初にたっぷりあげて、それ以降は土の表面が乾いてからあげるようにします
本来ディルは、植え替えを嫌う品種です。
なので、植え替えを行う際に根を傷つけてしまうと枯れてしまう事もありますので注意してくださいね。
(4)置き場所・日当たり
ディルは日当たりと風通しが良いところを好みます。
ですが、日本の蒸し暑い夏を嫌うので、夏の間は直射日光を避けるようにしましょう。
(5)水やり
水やりの頻度をお伝えしておきます。
ディルは乾燥している状態をあまり好まず、葉っぱがしおれてしまうことがあります。
なので、土の表面を観察し、乾きかけていたらたっぷりとあげるようにしてください。
(6)肥料
植えるときに効果がゆっくりな肥料を混ぜるか、植え付けの時期には月に2回ほど液肥をあげるようにしてください。
真夏の間は、特に必要ありません。
(7)収穫
ディルの草丈が20㎝程になったら摘芯を兼ねて収穫します。
この頃になると倒れやすくなるので支柱を立ててあげると良いですよ。
また、花が咲くと香りが弱まるので「つぼみ」がついてきたらこまめに取り除きましょう。
ディルの栽培で気をつける病気や害虫は?
ディルは、基本的には病害虫に強いハーブとされていますが、注意すべき害虫と病気がありますのでご紹介しておきますね。
【キアゲハ】
夏になると、ディルの香りに誘われて卵を産み付ける場合があります。
幼虫がふ化するとあっという間に葉が食べられてしまうので、夏が始まるまでに防虫ネットなどで予防しておくと良いです。
もし見つけたら葉っぱごと切り取るようにしましょう。
【うどんこ病】
高温環境下で湿度が低いと、葉や茎が白い粉のようなカビがつくことがあります。
それが「うどんこ病」です。
初夏から秋にかけて発生することが多いので、よく観察してくださいね。
窒素を含む肥料を控えたり、葉を間引いて風通しを良くすることでも防ぐことができますよ。
ディルは育てるのが初めての方は、種からの方が簡単に育てることができます。
苗から育てる場合、根についた土をほぐさないように植えると傷がつきにくいので優しく植えてあげましょうね。
また、ディルは夏の暑い環境があまり得意ではないので9月頃の植え付けの方が育てやすいですよ。
ところで、ディルは1株が大きく育つので、収穫する時は量が多く採れることもあります。
そんな時に気になるのは「保存方法」ですよね。
ディルの味や香りは、どれくらい持つのでしょうか?
・・・ということで、最後にディルの保存方法と保存期間についてお伝えしていきますね。
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ディルの保存方法!長持ちさせるには冷凍する?ソースにする?
ディルは1株が大きいので、収穫時期になるとたくさんの量が採れることがあります。
できるなら新鮮な良い状態のうちに使い切りたいところ。
ですが、なかなか難しいところもありますよね。
合わせて、ディルは葉が柔らかく細いので保存が難しいとされているんです…。
ここでは、そんなディルの簡単にできる保存方法と、冷蔵・冷凍・ソースという方法別の保存期間についてご紹介しますね。
【冷蔵保存の場合】
ディルは、乾燥させると香りが飛んでしまうため、できるだけ乾燥させずに保存することが重要になってきます。
ディルの葉や茎を冷蔵庫で保存する場合の手順は、以下の通りです。
- ディルはよく洗って水で湿らせたキッチンペーパーに包む
- 密封できる保存袋に入れ空気を抜く
- 野菜室に立てて保存する
濡らしたキッチンペーパーは1日おきに交換してくださいね。
保存期間
約1週間持ちますが、できるだけ早く使い切るようにしてください
メリット
一時的に保存する場合は手軽に保存することができます
デメリット
キッチンペーパーを毎日交換することが少し大変です
【冷凍保存の場合】
冷蔵では使い切ることができない場合は、冷凍してしまうのも手段の1つです。
冷凍保存する場合の手順は以下の通りです。
- ディルはよく洗って水けをふき取る
- ジッパー付き保存袋に入れ、空気を抜く
- 冷凍庫で保存する
保存期間
約1か月程持ちますが、フレッシュと比べると香りは劣るので早めに使い切るようにしてください
メリット
保存袋に入れて冷凍庫に入れるだけなので、簡単に保存することができます。
デメリット
鮮度のいいものと比べてしまうと香りは劣ってしまいます。
ソースにする場合
ディルはオイルを使ってソースにしたりお酢につけたりすることでも保存することができます。
では、簡単に作れるディルソースと、ハーブビネガーの作り方をご紹介しますね。
【ディルソース】
作りやすい分量
- オリーブオイル 100㏄
- ディル 5~10本(他のハーブを混ぜてもOK)
- にんにく 1かけ
- 塩コショウ
作り方
- ディルはよく洗ってしっかり水気を切ります
- ミキサーの中に材料を全て入れ、なめらかになるまで撹拌する
パスタや魚のムニエルにかけたり、タルタルソースなどに加えてもおいしく頂くことができます。
【ハーブビネガー】
作りやすい分量
- ワインビネガー 250㏄
- ディル 4~5本(他のハーブを混ぜてもOK)
作り方
- ディルはよく洗って水気をしっかりふき取る
- 煮沸した瓶にワインビネガーとディルを入れて冷蔵庫で保存します
出来上がりの時期ですが、一日一回ひっくり返して撹拌し、1週間ほどで香りが移ります。
ドレッシングやマリネ液に使うと、香りが立って楽しむことができますよ。
保存期間
今回ご紹介したものは、冷蔵庫で1か月くらい保存することができますが、使う際は清潔なスプーンを使う事を守ってくださいね。
また、一度開けた後はなるべく早めに使い切るようにしてください。
メリット
調味料としての保存なので、利用の幅が広がります。
デメリット
瓶の煮沸やミキサーの用意や洗浄など少し面倒な作業があります。
冷蔵・冷凍・ソース
この3つのメリット・デメリットを見比べて、やりやすい保存方法を選んでくださいね。
それでは、ディルについてたくさんお伝えしましたので、最後にまとめましょう。
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まとめ
今回は、ディルの使い方と育て方、保存方法についてお伝えしました。
ディルは「魚のハーブ」と呼ばれるほど魚との相性が良く、特にサーモンにはぴったりです。
じゃがいもやマヨネーズなどにも合うのでぜひ使ってみてくださいね。
苗から育てる時は、傷つけてしまうと枯れる原因にもなるので、初めての方は種からがおすすめです。
育て方は7つのポイントを参考にしてみてください。
ディルはたくさん収穫できるので香りを楽しむためには保存方法が大事になります。
冷蔵・冷凍・ソースの中で、自分の使い方に合ったものを選んでください。
さわやかな香りを持つディルを日常に取り入れてみてくださいね。
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