クレマチスの植え替え時期と方法! 根を切るのNGって本当?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

クレマチスは「つる性植物の女王」とも呼ばれ、古くから世界中の人々を魅了している花です。

そんなクレマチスを鉢植えしていて、大きく育った場合の、植え替え時期や詳しい方法をご存知でしょうか?

 

そろそろ植え替えた方がいいのかもしれない…と思いながらも、いつどのように行えばいいのか分からなくて先延ばしにしている方もいるでしょう。

今回は、そんなクレマチスの植え替え方法について詳しくご紹介いたします。

 

失敗しないためのコツについてもお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。

クレマチスの植え替え時期は?

クレマチスは移植を嫌うため、地植えの場合は植え替えは基本的に行いません。

 

鉢植えの場合は、2年に一度植え替えを行います。

鉢底の穴から根が見えてきたら、植え替えをしましょう。

 

植え替えをしないでいると、根詰まりを起こし、枯れてしまう恐れがあります。

植え替えは手間だから地植えにしようと考えたくなりますが、クレマチスは繫殖力が強いため、地植えにすると予定外に増えすぎて管理が大変になる可能性があります。

 

また、鉢植えで育てるクレマチスは、鉢ごとクレマチスを好きな場所に移動させることができる他、広いスペースが必要な植物と一緒に育てることができるメリットがあります。

特にクレマチスとバラは相性が良く、お互いの魅力を引き立て合うことができるので、共演させて楽しみたい方には鉢植えがおすすめですよ。

 

では、実際にいつ植え替えを行えばいいのでしょうか。

実は、クレマチスは基本的に真夏を除いて1年中植え替えを行うことができます。

 

中でも適期は、休眠している12月~2月になります。

ただし、寒冷地の場合は、厳冬期の植え替えは避けてくださいね。

 

植え替え後の根への負担を軽減させることができる他、作業も楽になるため、剪定を終えてから植え替えを行うと良いです。

植え替えのタイミングになったら、作業の準備をしましょう!

 

ただ、使用する土や鉢などの大きさなど、何を準備したらいいの?と思う方もいるかもしれません。

次の章では、植え替えに必要なものを詳しくご紹介いたします。

 

関連記事

 

クレマチスの植え替え!使用する土や鉢の大きさは?

まずは、クレマチスの植え替えに必要なものを揃えてくださいね。

順を追って説明します。

 

・用土

赤玉土(小粒):腐葉土:パーライト=5:3:2の割合で配合したもの、もしくは市販のクレマチス用の用土を使用します。

クレマチス用の用土がなければ、一般的な草花用培養土でも対応できます。

 

初心者の方には市販のものがお手軽でおすすめですよ。

必ず清潔な用土を使用するようにしましょう。

 

・移植ゴテ

植え替え時に使用する小型のスコップです。

清潔なものを用意しましょう。

 

・鉢

植え替え前の鉢より1~2号大きい鉢を用意します。

クレマチスは直根性で、根が真っすぐ下へ伸びるため、縦に長い形状の鉢を選びましょう。

 

プラスチックの鉢であれば、梅雨の過湿に注意します。

素焼きの鉢であれば、水切れに注意します。

 

・網

鉢底に敷いて穴から土が流れ出ないようにします。

スリット鉢の場合は不要です。

 

スリット鉢とは、鉢の側面に深いスリットが入っているプラスチック製の鉢を指します。

 

・鉢底石

鉢底に敷いて水はけを良くします。

スリット鉢の場合は不要です。

 

・支柱

旧枝咲き、新旧両枝咲きクレマチスの場合は剪定してしまうと、翌年の花が咲きません。

そのため、現在ツルが絡んだ支柱をそのまま使用するか、丁寧にツルを外して新しい支柱に巻き付けてあげる必要があります。

 

クレマチスの支柱には、オベリスクやトレリスが一般的。

オベリスクは、円柱状や円錐状、トレリスはフェンス状の支柱です。

 

完成したクレマチスの仕立てを想像して、好みの支柱を用意しましょう。

 

・緩効性化成肥料

植え替え時に元肥として用土に混ぜます。

用土1ℓにつき20~30g使用します。

 

以上がクレマチスの植え替え時に必要なものになります。

 

さて、準備もできたし、早速植え替え!といきたいところですが、作業に入る前に、クレマチスの植え替えについて勉強しておきましょう。

植え替えの際に注意しなければならないのは、根の扱いです。

どうして注意が必要なのか、このあと詳しくご説明いたします。

 

関連記事

 

クレマチスの植え替え!根を切るのはNG?根洗いってなに?

クレマチスの植え替えを始める前に、念頭に置いておかなければならないことがあります。

それは、クレマチスは根を傷つけられることを非常に嫌うということです。

 

クレマチスの根は直根性で、根が途中で分岐せず、真っすぐ下へ伸びようとする性質があります。

直根性の植物は根が切れたり傷ついたりすると、新しい根を分岐していくことが難しいため、生育不良を起こしてしまうのです。

 

また、傷口から病原菌が入り込み、病気に罹ってしまう可能性もあります。

よって、植え替えの際はいかに根を傷つけないかが重要になります。

 

根の量が多すぎるから、カットしよう!なんてことをしてしまうと、翌年のクレマチスの花は拝めないかもしれません。

あまりに根がまわっているようであれば、優しく傷つけないようにほぐしてあげましょう。

 

クレマチスは根を傷つけないことが重要であるとお伝えしましたが、植え替えの際に行う下準備として、「根洗い」という作業があります。

根洗いは、その名の通り根を洗う作業で、病原菌や害虫を落としたり、古い土を落とす意味で行います。

 

ただし、先ほども再三お伝えした通り、クレマチスは根を傷つけられるのを嫌うため、根洗いをすることで根を傷つけてしまい、逆に弱らせてしまう可能性があります。

 

そのため、クレマチスの根洗いは、生育不良や病気の可能性が考えられるなどの場合に行うと良いでしょう。

 

根洗いは、バケツなどに水を入れ、根を傷つけないよう慎重に土を落とします。

根洗いをする際は、根を丁寧に扱うように心がけましょう。

 

では、クレマチスの植え替えで注意すべきことが分かったところで、植え替えの作業手順についてお伝えします。

 

関連記事

 

クレマチスの植え替え方法!手順を分かりやすく解説します

準備が整ったら、実際に植え替えを行ってみましょう。

 

まず、新しい鉢の底に網を敷き、その上に2~3cmほど鉢底石を入れます。

トレリスなど土に挿すタイプの支柱はこの時点で設置します。

 

鉢に用土を鉢の1/3ほど入れ、その上にクレマチスの苗を中央に配置されるように置きます。

根洗いをしていない場合は、根鉢を崩さないように気を付けましょう。

 

根洗いをした場合は、用土を足し入れます。

鉢を持ち上げて地面に落とすのを繰り返し、トントンと振動を与えます。

 

すると、用土が下に落ちて隙間ができるので、隙間ができなくなるまで用土を足し入れ、また鉢を持ち上げて落とすのを繰り返します。

こうして根の中にしっかり土を入れることで、根が水分や養分を効率よく吸い上げることができるようになります。

 

最終的に、水を貯めるスペースのため、土の表面が鉢の縁から2cm下になるまで用土を入れていきます。

また、この時株が1~2cmほど埋まるように調節しましょう。

 

隙間ができなくなったら、鉢の底から水が流れ出るくらいにたっぷりと水やりをします。

最後に緩効性化成肥料を施したら植え替え終了です。

 

植え替え後、二週間ほどは水やりの頻度を減らし、表土が乾いてからたっぷりと水やりをするようにしましょう。

適期に植え替えをした場合、住んでいる地域や品種によっても変わってきますが、3月頃に株元から新しいツルが芽吹いてくるはずです。

 

植え替えが無事に終わったら、春の芽吹きの時を楽しみに待ちましょうね。

上記のような手順を踏めば上手に植え替えられると思いますよ。

 

ただ、せっかく植え替えをしたのに、その後枯れてしまうなんてことがあったら、すごくガッカリしますよね。

そんなことがないよう最後に、枯れる原因や対処法についてお伝えします。

 

関連記事

 

クレマチスの植え替えで枯れるのはナゼ?失敗させないコツは?

植え替え後、クレマチスが枯れてしまう場合、以下の原因が考えられます。

 

  • 根が切れている
  • 病気に罹っている
  • 真夏に植え替えを行った

 

【根が傷ついている】

植え替え時に根が切れてしまい、根が分岐できず生育不良を起こし、最終的に枯れてしまうことがあります。

根はクレマチスの生命線になるため、植え替えは根を傷つけないよう慎重に行うようにしましょう。

 

【病気に罹っている】

植え替え時に根に傷がついてしまい、傷口から病原菌が入り込み、枯れてしまうことがあります。

突然根元から枯れた場合、立枯病に罹っている可能性があります。

 

発症した場合は、枝の元から取り除き、感染した枝は焼却しましょう。

立枯病は感染するため、早期対処が必要です。

 

それでも防げない場合は、市販の殺菌剤を使用します。

予防策としては、植え付け時に地中に1節入るくらいに深植えにすると、地中から芽が出て、株全体の全滅を防ぐことができます。

 

立枯病を予防する市販の農薬を使用するのも手でしょう。

根にコブ状のものができている場合、ネコブセンチュウが発生している可能性があります。

 

発生している場合は、市販の殺菌剤を使用するか、ネコブセンチュウの発生を抑えてくれる対抗植物を植えるなどをして対処しましょう。

対抗植物はマリーゴールドなどが挙げられます。

 

一緒に植えて寄せ植えを楽しむのも一つの手ですね。

予防策としては、用土は必ず新しいものを使用し、鉢を直接地面に置かないようにします。

 

いずれにしても、日当たりと風通しの良い環境で管理をし、クレマチスが病気に負けないよう素因を減らしてあげましょう。

 

【真夏に植え替えを行った】

クレマチスは1年のほとんどで植え替えをすることが可能ですが、生育期間である真夏は、植え痛みが激しくなりやすいため避けた方が無難です。

植え替えを失敗しないためのコツとしては、やはりクレマチスの根をいかに傷つけないで植え替えることができるかが成功のカギとなります。

 

クレマチスの植え替えはリスクが伴うため、あらかじめ剪定した枝で挿し木をして、失敗したときの保険をかけておくと良いですね。

 

それでは、クレマチスの植え替えについて最後にまとめましょう。

 

関連記事

 

まとめ

今回は、クレマチスの植え替えについてお伝えしました。

 

植え替えは真夏以外なら1年中可能。中でも適期は12月~2月。

植え替えは清潔な用土を使用する。縦に長い形状の鉢を用意する。支柱も忘れずに。

 

根を切るのはNG!根洗いも省略可能。

根の中にまでしっかり土を充満させよう。

 

失敗しないためのコツは、根を傷つけないように気を付けて植え替えをすること。

植え替えはクレマチスを育てる上で定期的に必要な作業になります。

 

2年に1回ほどしかない作業ですが、しっかりと正しい方法で行い、元気にクレマチスの花を咲かせてくださいね。

 

おすすめ記事

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*