プリムラマラコイデスの育て方!増やし方や寄せ植えのコツは?

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12月1月と寒くなり公園の花壇も寂しくなってきた頃、その中にピンクや白のやさしい色をした花を見つけました。

おや、春の桜の季節になっても、まだ咲いています。

いったいこの花は……?

 

そう、これがプリムラマラコイデスです。

 

ところで、このプリムラマラコイデスの育て方はご存じでしょうか?

今回はみなさんにプリムラマラコイデスの育て方をはじめ、増やし方や寄せ植えについて大公開します。

 

また、枯らしてしまったとか、そういう経験がある方にも原因や対処法をお答えしますので、最後まで楽しみにご覧になって下さいね。

プリムラマラコイデスとは?開花時期や特徴について

まず「プリムラマラコイデスって何?」「はじめて名前を聞いた」という人もいらっしゃるかと・・・

そこで、はじめにプリムラマラコイデスがどんな花なのか、知ってもらいたいと思います。

 

プリムラという名前はよく聞かれるかと思います。

 

華やかな色合いで目を引くジュリアンと、葉も花も大きなポリアンサ、そして小さい花を咲かせるマラコイデスの3つがプリムラの主な種類です。

 

プリムラマラコイデス(学名 Primula Malacoides)の花の時期は12月~4月。

 

プリムラ類はサクラソウ科サクラソウ属に分類されますが、マラコイデスはまさにサクラソウというがピッタリの雰囲気。

白やピンク、薄紫のやさしい色合い愛らしい小さな花が集まって咲く姿は、春の訪れそのものです。

 

またガクや葉の裏に白い粉をつけることから、『ケショウザクラ』との呼び名もあるのがプリムラマラコイデスなのです。

 

いかがですか?

見たことなくても、ちょっと雰囲気を聞いただけで、とても魅力的に思える花でしょう?

「育ててみたいな」と、興味を持った人もいらっしゃるかと思います。

 

では、これからプリムラマラコイデスの育て方についてお話したいと思います。

 

とっても簡単ですよ。

 

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プリムラマラコイデスの育て方!植え付けや切り戻し等のコツ

プリムラマラコイデスは、マイナス10℃以下でも大丈夫という、寒いのにはめっぽう強い花です。

一方、日本の湿気の多い暑さを苦手とし、夏越しは難しいです。

 

花が咲いて種を採って終わり、その種から次の花を咲かせるサイクルです。

 

以下一年草扱いということで、話をしていきます。

※一年草とは、種まき後一年のうちに開花結実し枯れる植物のことです。

 

①置き場所

9月半ば~5月、戸外の日当たりのいい場所に置きます。

もちろん西日が当たる所は避けます。

 

冬場は室内の明るい窓際でもいいのですが、プリムラマラコイデスは戸外で日に当たるのが好きな植物です。

日に当たった方が成長にもいいし、花の色もよくなります。

 

暖房が入って乾燥した室内に入れっぱなしで、いいことはありませんよね。

暖かい日中は外に出してあげましょう。

 

また、寒風が吹き付ける所に置くのも避けて下さいね。

風で茎が折れてしまうこともあります。

 

庭植えでも大丈夫なのですが、私は気候にあわせて移動できる鉢植えで育てています。

プリムラマラコイデスが寒さに強いといっても、花が凍ってしまっては何にもなりませんので。

 

②植え付け

・庭植え

プリムラマラコイデスを庭植えにするなら、遅くとも11月上旬ぐらいまで には作業します。

冬が来る前にしっかりと根付かせるためです。

 

本葉が5枚ほどついてくれば植え付けできます。

株同士が蒸れないように、植え付けの間隔は5cm以上は取りましょう。(ここで使うのは種から育てた苗です。種まき等については、後からお話します)

 

あらかじめ掘り起こしておいて、腐葉土や川砂を入れて土壌を作っておくといいですね。

そうすることで、水もち、水はけがいい土になります。

 

面倒ですが、根掻きなどを使い、根くずもある程度は取り除いておきたいところです。

元肥もあわせて入れます。

 

くれぐれも根元に肥料を近づけ過ぎないようにします。

「肥料焼け」に注意です。

 

・鉢植え

プリムラマラコイデスの花つき苗は12月ごろから店頭に並びます。

苗より一回りか二回り大きめの鉢を選んで、根鉢をくずさないように植えつけます。

 

鉢は素焼きをおすすめします。

プリムラマラコイデスは蒸れに弱いので、通気性を考えるならプラスチック鉢より、素焼き鉢が良いのです。

枯れた葉がついていれば、迷わずカットしましょう。

 

それから大事なこと。

植え付け後は、寒風が吹き付ける場所は避けて、日中は日当たりのいい軒下などに置き、夜は玄関に取り込みます。

 

これを一週間ほど繰り返して、徐々に寒さにならしていくのがポイント。

花つき苗は、まさに温室育ちなので、急な寒さには耐えられないのです。

 

③用土

プリムラマラコイデスの庭植えの用土については、「②植え付け」をご覧ください。

鉢植え用土は、小粒の赤玉土7、腐葉土3のブレンドがいいですね。

 

お家に草花用の培養土があれば、パーライトを少々加えたものを使えますよ。

土もいろいろ揃えたいですが、10リットルの袋で売られていることが多く、マンション住まいでは、置き場所も限られますよね。

 

④肥料

庭植えには緩効性化成肥料を、鉢植えには液体肥料または緩効性化成肥料を施します。

花数が減ってきたとか、葉の色が悪くなった時が、肥料をあげるタイミングです。

 

4月から、プリムラマラコイデスは種を取る段階に入るので、肥料はあげないで下さいね。

 

⑤水やり

鉢植えは、土の表面が乾き始めたら水やりをします。

冬場は、乾かし気味の水やりで大丈夫です。

日中の暖かい時間帯がいいですね。

 

庭植えなら、あまりにも雨が降らない場合にあげて下さい。

プリムラマラコイデスは株の中心に水がたまると、腐れやすい性質があります。

ウォータースペースを作って、そこに流し込むのがいいかもしれません。

 

⑥剪定

剪定はありませんが、花がら摘みと枯れ葉取りは必要です。

 

プリムラマラコイデスはどんどん花が咲いていくので、次の花をきれいに咲かせるためにも、こまめに花を摘み取ります。

花が終わったら、花茎の根元からカットします。

 

また株内が蒸れたり、病気を防ぐために、枯れ葉取りもします。

混みあった葉、傷んだ葉も付け根からカットしましょう。

春先まで花を楽しむために、少々手間もかけて。

 

⑦病害虫

プリムラマラコイデスは、蒸れから発生する病害虫に注意が必要です。

 

・灰色かび病

多湿で風通しが悪いと発生します。

 

かびがひどくなると被害部分は腐敗していきます。

見つけたら、ただちに被害にあった花茎や葉は取り除きましょう。

 

今は予防効果のある殺菌剤も出ています。

まず普段から、こまめに花がら摘みと枯れ葉取りをしておくことがいちばんですね。

 

・ナメクジ、ヨトウムシ類

油断してたら、本当に一晩でやられます。

見つけたら駆除になりますが、食害虫が動き回るのは夜です。

 

私なら、食べさせて退治するタイプの殺虫剤を選びます。

ナメ退治ベイトなどの粒剤をばらまくタイプのものが、お手軽です。

 

ナメクジなどは湿気の多い環境を好むので、何より風通しのよい環境を作っておきたいですね。

 

さて初めの方で、プリムラマラコイデスは一年草ながら、種をまいて繋いでいく植物だと話しました。

次からは種での増やし方について説明していきます。

 

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プリムラマラコイデスの増やし方!種取りや種まきのポイント

プリムラマラコイデスは増やすのは種になります。

他のプリムラ類と違いマラコイデスは1年草扱いなので、株分けで増やすのは難しいです。

 

まず、種取りからはじめます。

 

【種取り】

4月~5月、株が枯れてきたらプリムラマラコイデスの種取りをはじめましょう。

 

①花がらの中央部分にある小さな種ざやが、黄色になってきます。

花茎から切り取りましょう。

 

②種ざやごと紙封筒に入れて、風通しのいい日陰に吊るしておくなどします。

 

③1か月ほどで乾きます。

種だけを取り出して、小袋に入れ替え、冷蔵庫で種まきまで保管します。

プリムラマラコイデスの種は細かいので、こぼさないよう注意です。

 

【まき床】

①プリムラマラコイデスの種まき床には、市販の種まき用土単独か、ピートモスとバーミキュライトをそれぞれ1の割合で混ぜたものを使います。

 

②種まきの前から、たっぷりとまき床を潅水しておくのが理想です。

潅水は、もちろんこまめにジョウロでまくでもいいのですが……。

受け皿を使って潅水させる方法もあります。

 

③種まき用の容器に使えるのはポリポットの他、浅め素焼き鉢など。

私は、お弁当のプラスチック容器の底に穴をあけてやったことがあります。

 

【種まき】

9月~10月がプリムラマラコイデスの種まき時です。

 

①【まき床】で用意した土の上に、数粒の種を平均してまきます。

覆土はせず、濡れた新聞紙などで覆って下さい。

新聞紙が飛ばないように、くれぐれも注意して下さいね。

私は輪ゴムで留めたり、ダブルクリップで留めたりしていました。

 

②種まき後の水やりについては、【まき床】でも書いたように受け皿を使って、下から吸水させるのがいいでしょう。

覆いをした新聞紙をはがしてから水をやろうとしたら、新聞紙が破れます。

 

③条件にもよりますが、一週間もあれば発芽してきます。

双葉が出てきたところで、間引き。

ピンセットを使って間引きするのがいいです。

その後も頃合いを見て、間引きを繰り返してください。

 

④10月下旬には、本葉が5枚以上育ってきます。

このタイミングで庭や鉢に植えつけます。

あとは「②植え付け」のところを参考にして下さい。

 

以上、種まきについて説明したところで、付け加えて『とりまき』について触れてみたいと思います。

 

とりまきは、保管した種を使うのではなく、採取した種をすぐまくやり方です。

保管した種を使うのが秋まき、とりまきは春まきと言っていいかもですね。

とりまきも順を追って説明します。

 

①5月ごろ採取した種をそのまままきます。

こぼれ種でも発芽するくらいなので、この時点で水やりはいらないです。

 

②6月半ばごろから、水やりをはじめます。

芽がでてきたら、途中、間引きしながら育てます。

本葉が3枚以上になってきたら、液体肥料を与えます。

 

③夏の間は半日陰で涼しく夏越しさせます。

この間、多湿にならないよう水やりは乾かし気味にいきましょう。

 

④9月半ばからは生育期に入るので、日当たりのいい場所に移動させます。

土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水をやります。

肥料もあげて、できるだけ大きく育てましょう。

 

⑤10月下旬から、本格的に鉢などに植え付けていきます。

こちらも、あとは「②植え付け」を見てくださいね。

 

「とりまき」は、うまく夏を越せるかですね。

春にまくか秋にまくか、どちらかできそうな方をやってみて下さいね。

 

さて、増やし方についての説明が終わりました。

いかがでしたでしょうか?

 

種で増やすのも、とても簡単ですね。

プリムラマラコイデスに詳しくなったところで、今度は寄せ植えにチャレンジしてみませんか?

ということで、これから寄せ植えについてお話ししましょう。

 

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プリムラマラコイデスの寄せ植えのコツとポイントは?

プリムラマラコイデスの花期は12月~4月の花の少ない時期です。

いろいろな植物と組み合わせて、寒い季節を明るくしたいですよね。

 

同じ時期に入手しやすいものを、以下挙げてみました。

  1. プリムラジュリアン
  2. ガーデンシクラメン
  3. エリカ
  4. ヘリクリサム
  5. ハボタン
  6. ハツユキカズラ
  7. ワイヤープランツ
  8. プミラ

④はシルバーリーフ、⑥⑦⑧は「ほふく性」の葉が美しい植物です。

 

プリムラマラコイデスの寄せ植えでいちばん気をつけたいのは、蒸れないようにすることです。

特に①の同じプリムラ類の組み合わせだと、葉同士が触れない程度に間を開けて植え付けます。

 

株の蒸れを考えれば、エリカやハボタンは冬に株が大きくならないので、寄せ植え向きです。

 

その点、パンジーやビオラは冬に株が育つので、プリムラマラコイデスの寄せ植えには向きません。

ハツユキカズラやワイヤープランツなどの葉を差し込むタイプのものが、やりやすいかもしれないですね。

 

植え付け後は、しばらくの間は、西日が当たらない日当たりのよい場所に置いて養生させましょう。

 

寄せ植えまでご紹介しました。

 

ここまで見てくださった方の中には、

「育てたりする方はわかってるけど、倒れたり枯らしたりした時はどうすればいいの?」と、もやもやされている方もいらっしゃるかと。

 

次はプリムラマラコイデスを育てていく上で、みなさんのそんな疑問についてお答えしていきます。

 

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プリムラマラコイデスが倒れる、枯れるなどの原因と対処法

ある日突然、プリムラマラコイデスが倒れていた、あっという間に枯れた……。

 

愛情を持って育てていたのに、そうなっては残念ですよね。

繰り返さないためにも、そうなってしまった原因と対策について説明していきたいと思います。

 

・倒れた

原因:風に当たり花茎から折れたのかもしれません。

プリムラマラコイデスの長く伸びた花茎は、どうしても折れやすいです。

 

対策:寒風が直接吹き付けない場所に置いてください。

 

・枯れた

原因①軟腐病のせいかもしれません。

 

湿気の多い時期に発生しやすい病気で、傷口から細菌が侵入し、かかるとあっという間にしおれてきます。

地際に近い葉が茎から溶けるように腐ってきて、やがて異臭を放ちます。

水やり時の泥はね、枯れた葉がそのままになっていることで、細菌は広がっていきます。

 

対策①いったん発病したら回復はできないので、まわりの植物にうつさないように、病気の株はビニール袋に入れて処分になります。

 

予防のためにあらかじめ薬剤をまいておくこともできますが、いちばんは、普段からそうならない環境を作っておくことです。

 

ウォータースペースを作って水やりをするとか、マルチングをしておくとか、枯れた葉をこまめに取り除くとか、できることはしておきましょう。

※病気については、「育て方⑦病害虫」の項目も参考にして下さい。

 

原因②急な寒さに対応できてきず、枯れたのかもしれないです。

12月頃に出回るプリムラマラコイデスの花つき苗は、それまで温室で育てれられたものです。

寒さに強いといっても、購入後いきなり外に出されては寒さについていけないのです。

 

対策②寒さに慣らしていくことが必要です。

詳しくは「育て方②植え付け」の鉢植えをご覧下さい。

 

それでは、プリムラマラコイデスについて最後にまとめましょう。

 

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まとめ

今回はプリムラマラコイデスについてご紹介しました。

 

プリムラマラコイデスは12月~4月頃、愛らしい小さな花をたくさん咲かせます。

寒さにはとても強いのですが、多湿には弱く夏越しはできません。

 

増やし方は、種取りと行い「種」から育てます。

 

寄せ植えに合う植物もご紹介しましたね。

コツは蒸れに注意して、間隔をあけて植えることです。

 

プリムラマラコイデスが枯れる場合は、細菌性の病気や、寒さに慣れていないせいかもしれません。

 

見た目も何だかホッとするプリムラマラコイデスです。

ぜひ栽培にチャレンジして下さいね。

 

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