芍薬の花言葉と育て方!増やし方や寄せ植え等のポイントは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

豪華で存在感がある花が魅力の芍薬(シャクヤク)。

花が可愛くて買ったものの、普段の育て方が分からない、剪定(切り戻し)や株分けってどうやってやるの?と困っている人もいるかもしれませんね。

 

そこで今回は、芍薬(シャクヤク)の育て方や増やし方、寄せ植えのコツ等について解説します。

最後に、芽が出ない、枯れるなどのお悩みをお持ちの方のために、原因と対処法もお伝えしますのでお楽しみに!

芍薬(シャクヤク)とは?花言葉や開花時期は?

芍薬(※以下シャクヤク)の花は、豪華さがある中でも気品あふれる雰囲気が特徴です。

存在感があるので、室内で活けても、庭の花壇で寄せ植えにしても空間を華やかにしてくれますよ。

 

開花時期は5~6月頃。

花の色は白色や黄色、桃色、赤色といった暖色系を中心に多様です。

 

花の咲き方は一重咲き~半八重咲き~八重咲きまで様々な種類があり、おしべが花弁化(花びらのように変化)したバラ咲きや冠咲きなどの品種もあります。

また、見た目だけでなく花に香りがある品種もあり、植物の花特有のまろやかで心地の良い香りが魅力なんですよね。

 

シャクヤクには、花の色や咲き方、香りの有無など、たくさんの品種の中から選ぶ楽しさがあります。

 

そんなシャクヤクは、シベリアから中国北部原産の植物でボタン科の多年草

冬になり地上部が枯れたあと、地中に残った根や芽の状態で冬を越すことで毎年苗を入手しなくても、数年にわたり花を咲かせます。

 

草丈も50~100cm程度で品種によって違うので、例えば、切り花用に育てたいから草丈の高い品種を選ぶ、といったこともできます。

 

そして、気になるシャクヤクの花言葉は『恥じらい』『はにかみ』です。

豪華な見た目の花ですが、控えめでしおらしい印象の花言葉をもっているんですね。

 

由来については所説ありますが、シャクヤクは夜になると花が閉じるのが特徴です。

その様子が女性が恥ずかしがっている姿を連想させるため、このような花言葉になったと言われていますよ。

 

存在感のある花と、可愛らしい花言葉から、ウエディングブーケにもぴったりです。

シャクヤクは春と秋に園芸店やホームセンターで購入することができます。

 

そんな魅力あふれるシャクヤクをお庭や部屋で楽しめるよう、ここからは具体的な育て方を解説していきますね。

 

関連記事

 

芍薬(シャクヤク)の育て方!植え付けや切り戻し等のコツ

では、シャクヤクの育て方の手順を流れに沿って説明します。

 

【栽培に適した環境】

シャクヤクは、日当たりのよい環境を好みますが、耐暑性が強いわけではないため、真夏のような強い日差しや猛暑は苦手です。

夏の日差しが心配な場合は、午後は日陰になるような場所に花壇や鉢を配置すると良いでしょう。

 

一方で、耐寒性は強いので、冬の間は外に置いたままでも大丈夫です。

 

【用土・元肥の準備】

まずは、植え付けるための土や鉢の準備をしましょう。

 

鉢植えの場合は1つの株に対して8号~10号の鉢を用意します。

1号あたり3cmなので、直径24~30cmということになります。

 

結構大きいですが、シャクヤクの根は大きくなるため、小さい鉢で育てると根が成長するスペースが無くなり、花が咲かなくなることがあります。

 

また、大きい鉢に植えておけば、3年ほどはそのまま育てることができるので、ぜひ鉢の大きさは守るようにしましょう。

 

土は、市販の草花用の培養土で育てられます。

赤玉土や腐葉土を混ぜて自分で土をつくる方法もありますが、鉢植えの場合、水はけが良すぎるとすぐに水が切れてしまいます。

そのため、初心者には保水性・排水性が整った市販の培養土がよいです。

 

花壇等の地植えの場合は、土が粘土質でしたら水はけを改善するために腐葉土や堆肥、パーライトといった土壌改良材を投入しましょう。

シャクヤクは根が大きくなるので、30~50cmの深さまで、しっかりと混ぜ込みます。

 

【植え付け】

植え付けは鉢植えも地植えも9~10月が適期になります。

 

・鉢植えの場合

鉢穴が大きい場合は鉢底ネットを敷き、鉢底に水が溜まらないよう鉢底石(ゴロ土)を鉢の5分の1の高さくらいまで入れます。

その上に用意した土を入れ、元肥を混ぜ込んでいきます。

 

元肥は、長く緩やかに効く肥料を用いるのが望ましいため、『緩効性肥料』や『元肥用』と記された肥料を使います。

 

また、土を鉢いっぱいの高さまで入れてしまうと、水やりをしたときに鉢の外にあふれてしまって鉢底までしっかり浸透しないため、水が溜まる高さを考慮して土を入れましょう。

 

植え付けの方法は、株に付着した古い土を落とし、芽の位置を確認して芽が出ているほうを上にして植え付けます。

芽の位置を地表から3~5cmの深さになるようにし、植え付け後は鉢底から水が出るくらいたっぷり水やりをします。

 

・地植えの場合

鉢植えと方法は変わりませんが、夏になると茎や葉がたくさん伸びてボリュームがでるので、株と株の間は40~50cm程度空けるようにします。

 

【水やり】

・鉢植えの場合

鉢植えの場合は花や葉、茎といった地上部が育っている間は、土の表面が乾いたら水をやります。

シャクヤクは土が過湿だと根が腐ってしまうことがあるため、土の表面が湿っているうちは水やりは必要ありません。

 

ただ、土が乾きすぎてしまうと乾燥で根が傷んでしまうため、水やりをするときは、鉢底から水がでるくらいしっかり水をやり、鉢の土全体に水分がいきわたるようにします。

 

地上部が枯れた秋から冬のあいだは、成長を停止した状態(休眠期)に入っていくため、夏ほど水やりは必要ありません。

晴天が続いて乾燥が気になるときは、土が湿る程度、水をあげます。

 

・地植えの場合

地植えの場合は、基本的には水やりは必要ありませんが、雨が降らず、乾燥が気になるときは水やりを行うようにします。

 

【追肥】

育てている途中で養分が不足しないよう、必要に応じて肥料をあげます。

シャクヤクは他の草花に比べて養分を必要とするため、肥料が不足すると株が弱ったり、花が咲かなくなることがあります。

土から芽が出始めたときや開花時期が終わったとき、地上部が枯れて地下部の成長が始まる秋など、株が養分をより多く必要としているタイミングで追肥をします。

 

肥料は草花用の化成肥料等をあげればよいですが、肥料をあげるときは、根や葉、茎に直接肥料が当たると株が傷むため、当たらないよう注意します。

 

【剪定(切り戻し)】

剪定は無駄な養分の消費を抑えるために行います。

いらない花や茎などは速やかに切って養分の消費を防ぐことが、株を長持ちさせて花を長く楽しむためのコツです。

 

開花と並行して、株元では翌年生育する芽の形成が始まります。

秋には翌年咲く花芽の分化も開始しますので、次の年の生育を良くするためにも手入れはこまめにしましょう。

 

花は、咲き終わったら花のすぐ下の茎から切り取ります。

切り花として楽しみたいときは、根元の葉を2枚程度残して茎を切ります。

 

葉を残すことで、葉の付け根から新しい芽が出てきます。

 

切り花用に育てたい場合は、茎の先端の花だけを残して、葉の脇から出る蕾を取ることで、養分が先端の花だけに集中し、より大輪の花を咲かせることができます。

その場合、花の重みで茎が折れそうなときは、支柱を立てて、誘引をしてあげます。

 

また、切り花用にするときは、蕾が少し開いたくらいのタイミングで切ると飾ったときに長く楽しめますよ。

 

開花時期が終わったら、秋までは葉のみ茂る時期になります。

この時期は葉をたくさん増やして光合成を行い、根に養分をためる時期になりますので、葉や茎は切らないようにします。

 

秋になり地上部が枯れると、今度は根が成長するとともに、花芽分化が始まる時期になります。

枯れた地上部を放置しておくと、養分を消費したり、病気が発生する原因になったりするため、株元から枯れた茎を切ります。

 

【病害虫】

病気は、うどんこ病や灰色かび病が発生しやすいです。

 

うどんこ病は、葉や蕾に小麦粉のような灰白色から白色の粉のようなかびが生えます。

暖かく湿度が低いと発生しやすくなります。

 

一方、灰色かび病は水が染みたような病斑や小さな斑点から始まり、徐々に広がって腐ったようになります。

 

害虫は、アブラムシやヨトウムシが発生しやすいです。

 

アブラムシは数ミリほどの大きさで、葉裏や新芽に群集で発生します。

吸汁して植物の生育を衰えさせるだけでなく、ウイルス病を媒介するのも厄介です。

 

ヨトウムシはイモムシのような見た目で、孵化後すぐの小さなうちは、葉裏から集団で食害するので、葉が透けたようになります。

大きくなると昼間は地中に潜み、夜に食害するようになるため、見つけにくくなってしまいます。

 

病気も害虫も、発生してしまったら、早めに薬剤を散布します。

薬剤散布に加え、病気の場合は発生している部分を取り除きましょう。

 

それでも病気が広がる場合は、心苦しいですが、株ごと処分します。

予防策としては、風通しが良くなるよう、植え付けのときに適切なスペースを確保することが大切です。

 

また、茎や葉が軟弱になると、病害虫が発生しやすくなるため、肥料のあげ過ぎによる窒素過多に注意し、しっかりした茎葉をつくるよう意識します。

枯葉や雑草は病害虫の発生源や、越冬場所になるため、放置せずに片付けて衛生的にすることも発生を防ぐポイントです。

 

シャクヤクは植えて育てるだけでも楽しめますが、せっかくなら育った株を株分けして増やしてみましょう。

やり方が分かれば、意外と簡単ですし、上手く増やすことができれば、お庭をより華やかにできますよ。

 

関連記事

 

芍薬(シャクヤク)の増やし方!株分け等のポイントは?

シャクヤクは株分けによって株を増やすことができます。

他にも、種から増やしたり、挿し芽で増やすこともできます。

 

しかし、品種によって種ができなかったり発根や芽の形成が不良な場合があり、株として育つまでに時間もかかるので、株分けが一番簡単に増やせる方法です。

 

用意するものは、

  • 2~3年ほど育てて根が大きくなったシャクヤク
  • 株を切り分けるための切れ味のよいハサミやナイフ
  • 切り分けた株を植えるための鉢や花壇

です。

 

株分けの手順は、まず、切り分けるシャクヤクの株を掘り起こします。

根は太く大きく育っているので、できるだけ傷めないように掘り上げます。

 

掘り上げたら土を落とし、芽が3~5個、根もある程度付くように刃物で切り分けます。

 

刃物の切れ味が悪いと、切るときに根や芽を傷めてしまったり、切り口が滑らかでないと、雑菌が侵入しやすくなって根が腐る原因になったりするので注意します。

 

切り分けた株は乾かさないようにし、すぐに新しい土に植えます。

植え方は【植え付け】を参考にしてくださいね。

 

増やしたシャクヤクをさらに楽しみたい人へ。

他の植物と一緒に寄せ植えすることで、初夏のお庭をより華やかにしてみませんか?

シャクヤクと組み合わせに良い植物や、ちょっとした寄せ植えのコツを紹介します。

 

関連記事

 

芍薬(シャクヤク)の寄せ植えのコツとポイントは?

シャクヤクは、品種によりますが、50~100cmほどの高さになります。

 

おすすめの植え方は、シャクヤクを寄せ植えの主役として鉢や花壇の奥側に植え、手前に背丈の低い植物や地表面を覆うようなグランドカバーを使います。

 

このように植えると、高低差がでて全体に立体感が感じられるうえ、植えた植物を余すところ無く楽しむことができますよ。

 

シャクヤクは5~6月に開花するので、その時期に開花する植物を一緒に寄せ植えするとよいでしょう。

また、シャクヤクの栽培に適した環境と同じ環境を好む植物を組み合わせることも、寄せ植えを長く楽しむコツです。

 

【組み合わせに良い植物】

サポナリア:耐暑性・耐寒性に優れる、高さ約20~25cmのグランドカバー向きの植物です。

 

花は5mm程度の小花で、4~8月に開花するため、シャクヤクを引き立てる植物としてもぴったりです。

花色も白色や桃色といった暖色系のため、シャクヤクと併せて暖色系の寄せ植えにできます。

 

  • エリゲロン(源平小菊)

高さ30~40cm程度で、1つの苗から白色や桃色の花が絶え間なく咲く植物です。

 

名前の通り小さい菊のような花を咲かせ、開花期間も4月~10月と長く楽しむことができるのが特徴です。

暖地では冬越しができるため、シャクヤクと一緒に植えると毎年楽しむことができます。

 

  • ペチュニア

夏の花壇や寄せ植えによく使われていて、ホームセンター等で比較的簡単に入手することができます。

 

高さは品種にもよりますが20~30cm程度で、4~10月にかけて花が咲き続けます。

寒色系から暖色系まで花色は多様で、花の大きさも品種によって異なるため、好みの苗を選ぶと良いでしょう。

 

  • ビンカ(日日草)

ペチュニアと同様に夏の花壇や寄せ植えによく使われていて、春になると苗がよく売られています。

 

高さは約20~30cmで、6~10月に丸い花弁の付いた花を次々に咲かせます。

花色は暖色系や紫色が多いです。

 

シャクヤクは単独で鉢に植えてもボリュームがでて豪華になりますし、寄せ植えにしても脇役として組み合わせた植物と上手く調和してくれます。

 

しかし、せっかく作った寄せ植えも、芍薬の芽が出なかったり、葉が枯れて悩んでいる方がいるかもしれませんね。

そこで、よくある育てる中での悩みの原因と対処について解説しますので、参考にしてみてください。

 

関連記事

 

芍薬(シャクヤク)の芽が出ない、葉が枯れる等の原因と対処

  • 大切に育てていたのに芽が出ない
  • 葉が枯れて元気がないし花つきもなんだか悪い

といった悩みの原因と対処法を紹介します。

 

【春になっても芽がでない】

まずシャクヤクは耐寒性に優れますが、寒冷地で気温が低かったり、早春でも霜が降りたりする地域だと、霜や寒さで根や芽が傷むことがあります。

 

また、植え付けの深さが浅いと、霜や寒さに芽が晒されやすくなります。

 

植え付けの深さを浅くしすぎないようにするとともに、寒さが心配な場合は地面をわらで覆い、鉢植えの場合は霜が当たらない日陰に移動させておくのも良いです。

 

他にも、株分けや植え付けのときに傷がついたところから雑菌が侵入して腐ってしまったことも考えられます。

株を植え付ける前に、ホームセンター等で売られている市販の殺菌剤で処理をすると、雑菌の侵入を防ぐことができます。

 

【葉が枯れる・花つきが悪い】

シャクヤクは肥料を多く必要とする植物です。

 

葉の色が黄色っぽくなったり、枯れたり、花が小さい場合は肥料不足が考えられるので、即効性のある液肥を使うとよいでしょう。

 

また、株を何年も植え付けていると古くなってきて、芽つきが悪くなったり、花つきが悪くなったりします。

 

株分けをしてもこれらの生育不良が改善されない場合は、思い切って新しい株を購入するのも一つの方法です。

以上の点に注意しながら、ぜひシャクヤクを元気に育ててくださいね。

 

それでは、シャクヤクの花言葉や育て方等について最後にまとめましょう。

 

関連記事

 

まとめ

今回は、シャクヤクの花言葉や育て方等についてお伝えしました。

 

シャクヤクは豪華で主役級の存在感がある花が特徴の植物。

花言葉は『恥じらい』『はにかみ』です。

 

育て方は、強い日差しが当たりすぎない場所に水はけのよい土を用意して、適切な密度で植えるのがポイント。

株分けをして増やすことができるのもシャクヤクを育てる中での楽しみの一つです。

 

寄せ植えにしたいときは、シャクヤクの高さを活かした組み合わせや配置にすることで、立体感のある寄せ植えになります。

 

せっかく増やしたシャクヤクを長く楽しむためには、こまめに様子を見て、芽が出ない、葉が枯れるといったトラブルに素早く対処することが大切です。

 

様々な品種があり、選ぶ楽しさがあるのもシャクヤクの魅力の一つです。

ぜひ、園芸店やホームセンターで『これだ!!』という運命の一株を買って、育ててみてくださいね。

 

おすすめ記事

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*