4月になって知り合いのお宅で、ピンク色の梅に似た花びらをつけた花を見つけました。
何だか、とても心が落ち着く花です。
そう、これがクモマグサです。
ところでクモマグサの育て方はご存知でしょうか?
今回はクモマグサの育て方をはじめ、花言葉、増やし方や寄せ植えのことなどを、紹介していきましょう。
是非、最後までご覧くださいね。
目次
クモマグサには種類がある?花言葉や開花時期は?
クモマグサって、聞き慣れないというか、はじめて名前を聞いたという人もいるかもしれませんね。
実は私もはじめ、クモマグサと聞いて、「蜘蛛?」と思いました。
蜘蛛ではなく雲です。
クモマグサは漢字で書くと雲間草。
ユキノシタ科ユキノシタ属Saxifragaの植物です。
もとが高山植物で『雲の合間から見えるような高いところに咲く』というイメージで名付けられたようですね。
クモマグサの苗は、2月頃から店頭に花つきのものが並んできます。
地域によって差があるものの、だいたい花が咲くのは4~5月です。
花は、ピンクや白色、赤系の5弁の花が上を向いて咲きます。
ちょっと丸みがある花びらは、梅の花にも似てるような。(品種によって丸みがないものもありますが)
花の大きさは直径1.5~2cmくらいで、花がいっぱいつくと、クモマグサはとても目を引きます。
葉は茎が横に広がりそれがさらに枝分かれし、こんもりぎっしり。
そのこんもりとした葉の中からすっーと花径が伸びてきて、花がたくさんつく仕組みです。
ここまでで、なんとなく、クモマグサがどんな雰囲気なのか、想像つきましたよね?
雰囲気がわかったところで、クモマグサの花言葉をご紹介しましょう。
『活力』『自信』
クモマグサはもともと高山植物で、高地の厳しい自然の中を生き抜いてきた花です。
そこからイメージしたのが、この花言葉ではないでしょうか。
『可憐な瞳』『愛らしい告白』
こちらは、クモマグサのかわいらしい姿に由来しているのかと思われます。
クモマグサは日本にも自生していますが、市場に出回っているのは、ヨーロッパ産の園芸品種の西洋クモマグサです。
今回取り上げるのも、この西洋クモマグサになります。
クモマグサがどんな花かわかったところで、次は育て方について、説明していきましょう。
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花言葉にもあったように、クモマグサの原種の花は、高地で厳しい自然を生き抜いてきました。
だから、クモマグサはヤワな花ではありません。
育てるのもそれほど難しくなく。
それでは、順を追って説明していきます。
以下、時期については地域またはその時の気候によって多少異なってくるので、あくまで参考にして下さいね。
⓵育てる場所
クモマグサは日なたが好きです。
日当たりのいい、南側の窓辺や庭先に置いて過ごさせます。
と言っても強い日差しは苦手です。
特に夏場は遮光ネットなどで、日差しを避ける工夫をします。
管理的には、半日陰に置いた方が楽だと思いますよ。
※半日陰とは、一日のうち3~4時間くらい日が当たる場所です。
高温多湿にも注意なので、風通しの良い場所を選びます。
梅雨の時期には軒下などに鉢を移動させ、できるだけ雨がかからないようにします。
またクモマグサがいくら高山植物でも、冬場に寒風が吹き付けては株にはダメージです。
冷たい風が当たる場所は避けましょう。
地植えも同じです。
②植え付け
クモマグサの植え付けは、花が終わった後の一か月のうちにします。
大体、5月ごろになるでしょうか。
・ポリポットなどから取り出した時、根がぎっしり回っているようなら、根を切り詰めます。
枯れた根もあわせてカット。
根もほぐしておきましょう。
竹串などをすき間に入れると、うまくほぐせます。
葉もぎっしりついているはずなので、枯れた葉など摘み取っておきます。
ピンセットを使うといいですね。
枯れた葉を取るのは、通気性をよくするのもありますが、枯れた葉をそのままにしておくのは病気の原因にもなりやすいからです。
・植え付け用の鉢に、水はけをよくするため鉢底石などを置き、3分の1ほど土を入れてから、元肥を混ぜ込みます。
元肥はマイガーデンなどの緩効性化成肥料を使いましょう。
※緩効性化成肥料とは、無機物を使った肥料でゆっくり長く効きます。
苗を入れたら、割りばしなどを使って隙間までぎっしり土を詰めます。
途中、鉢をトントンとすると、土の表面が平らになります。
③植え付け後は、たっぷりと水をやって下さいね。
しばらくは、直射日光を避け、明るい日陰に置いてあげてください。
植え付けは、根を乾かさないように、素早く行うのがコツです。
④用土
クモマグサの用土として大事なのは、通気性があり、水はけ、水持ちがいいことです。
クモマグサに使える土は、いろいろな組み合わせが考えられます。
手に入りやすいものだと、赤玉土、鹿沼土、日向土。(赤玉土、鹿沼土は硬質ものが崩れにくくていいです)
これらを均等な割合で混ぜて使います。
また山野草用の土として最初からブレンドされた土もあります。
何種類かの土を揃えるよりは、こちらが安くすんでいいかもしれませんね。
地植えなら、腐葉土や川砂をまぜて、あらかじめ土づくりをしておきます。
⑤肥料
クモマグサの肥料は3月~9月に2000倍に薄めた週1回のペースで液体肥料を与えます。
真夏はあげなくてもいいかもしれません。(あげるなら3000倍に薄めてください)
鉢植えも地植えも同じです。
⑥水やり
クモマグサの水やりは、土の表面が乾いてきたら水をやるのが基本です。
夏に関しては、朝夕の涼しい時間帯に1日2回水やりします。
朝はたっぷり、夕方は軽くあげる程度で。
冬は暖かい日の午前中にあげましょう。
地植えの場合は、よほど雨が降らない場合をのぞき、水やりは不要ですが……。
近年の猛暑でくたーっとなったりしていますから、状況によってはあげていいかと思います。
⑦剪定(切り戻し)
クモマグサは湿気が苦手ですので、梅雨前に切り戻しをします。
また病気を防いだり、株が群れないようにするためにも、花がら摘みや、枯れた葉を取り除く作業は必要ですね。
株を丈夫に育てたいなら、普段からこまめに手入れすることが一番です。
⑧病害虫
クモマグサは比較的病害虫には強い方ですが、全く心配がないわけではありません。
【軟腐病】
土壌にいる細菌です。
高温多湿の時、特に梅雨時などに発生しやすくなります。
株の傷口から細菌がまわっていくと、被害部分は柔らかくなり、腐敗し悪臭を放ちます。
見つけ次第、被害にあった株は処分します。
あらかじめ薬剤をまいて予防もできますが、普段から株が蒸れないような状態を保っておくことが一番です。
風通しのいい場所に置く、水はけをよくしておく、花がら摘みや枯れ葉取りなど、気を付けることはいろいろあります。
また、水をやり過ぎて多湿にならないようにも気を付けます。
【カイガラムシ、アブラムシ】
風通しが悪くなったりしてくると、アブラムシやカイガラムシが発生します。
アブラムシは新芽につきやすいですが、見つけたらただちに殺虫剤で駆除します。
とにかく繁殖力がすごい。
カイガラムシは寄生すると、他の病気を誘発します。
歯ブラシやヘラで落としましょう。
カイガラムシからは体液が出ているので、気になる人は手袋をして処分して下さい。
カイガラムシ、アブラムシの殺虫剤は粒剤、スプレータイプのもの、いろいろと市販されています。
粒剤のオルトランなどを、あらかじめ株元に撒いておくことで防げます。
ここまでいかがでしたでしょうか?
水やりにしても、肥料にしても、難しく考えずにできそうですよね。
では育て方から一歩進んで、次はクモマグサの増やし方について説明していきます。
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クモマグサの増やし方!株分けのコツやポイント
クモマグサは株分けで増やすのが基本です。
クモマグサは3年ぐらいで植え替えした方がいいので、株分けするタイミングもここですね。
挿し芽でも増やせるので、それぞれ取り上げます。
【株分け】
クモマグサの株分けの時期は、花が終わった5~6月または10月頃になります。
植え付けの時のように、根鉢を崩したら、いくつかの株に小分けできます。
あとは植え付けとやり方は同じです。
土が乾いている方が株を分けやすく、根も傷めにくく済むので、株分けする2、3日前から水やりをやめておくのがいいですね。
【挿し芽】
クモマグサの挿し木に適したのは、5~7月あたりです。
芽も伸びて固まり、発根しやすい時期だからです。
挿し芽にする挿し穂は、勢いのある元気な株から取ります。
カッターでカットし、切り口を鋭くします。
葉は下の方は切り取り、3、4枚ほど残します。
挿す用土は、バーミキュライトまたは小粒の赤玉土を使うとうまくいきます。
あまり深く挿さないのがポイントです。
発根するまで、半日陰に置いて、土は湿らせた状態を保って下さいね。
株分けの時に芽だけとれてしまったら、それも挿し芽としても使えます。
ここまででクモマグサの増やし方まで説明が終わりました。
そうなると、次にくるのは……、そう、寄せ植えですよね。
やはり花を育てていくうえで楽しみは、寄せ植えでしょう。
それでは、クモマグサの寄せ植えに合う植物、寄せ植えのコツなどを紹介していきます。
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クモマグサの寄せ植え!コツやポイントは?
クモマグサはもとは高山植物、つまり山野草です。
洋風の花にも合う一方、同じ山野草との組み合わせで落ち着いた雰囲気も出せます。
以下、クモマグサに合う植物をあげてみます。
①クリスマスローズ
②プリムラ
③シロタエギク
④アイビー
⑤斑入りセキショウ
⑥ノシラン
⑦ヒメリュウキンカ
⑧オトギリソウ
⑨タツナミソウ
⑩ユキワリソウ
①~④はおなじみの植物ですが、⑤~⑩は山野草です。
⑤斑入りセキショウや⑥ノシランは、細長い葉が寄せ植え向きです。
⑧オトギリソウは花の時期はクモマグサの開花とはずれますが、葉だけでも合わせやすいです。
植え付けは、最初ポットのまま置き、ざっくりと全体の位置を決めます。
メインにしたいものをまず置いて、それから周りの植物を置いていきます。
高さが合わないものが出てきたら、根鉢を崩して高さをそろえるといいですね。
ここまでやってから、本格的に植え付けていきます。
割りばしを使って隙間までぎっしり土を埋め込みます。
隙間があると根腐れなどの原因になるからです。
あとはたっぷりと水をやって完了です。
またクモマグサの寄せ植えは、どんな器に合わせるかによって趣が違ってきます。
角鉢、丸鉢、深鉢のほか、抗火石を加工した抗火石鉢を使うと味わい深い寄せ植えが出来ます。
いろんな植物やお気に入りの鉢を使って、自分だけのクモマグサの寄せ植えを楽しんで下さいね。
クモマグサは寒さには強いけど、暑さには弱い植物です。
だけど、せっかく育てて愛着があるなら、翌年も見たいですよね。
最後に、来年も同じ花が見られるように、クモマグサ夏越しの方法についてお話ししましょう。
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クモマグサの夏越し!成功させるポイントは?
クモマグサの夏越しは、いかに高温多湿を避けるかです。
対策として以下のようなことが出来るかと思います。
①株を切り戻しておく。
3分の1ほど思い切って切り戻し、夏に向けてすっきりさせておきます。
②風通しのいい場所に置く。
すのこや台の上に鉢を置くなどします。
長雨の時など、湿気を避けるため、雨のかからない場所に鉢を移動させます。
③直射日光を遮る。
落葉樹の下に置ける環境などがあればいいですが……、
マンションのベランダなどでは遮光カーテン、よしづなどを使って日を遮ります。
④鉢内の温度を下げる。
まず二重鉢ですね。
クモマグサの鉢がすっぽり入る二回りほど大きい素焼きの鉢を用意し、そこにクモマグサの鉢を入れ、隙間に土や軽石などを入れます。
これで鉢内の温度の上昇を防げます。
他に鉢にアルミホイルを撒く方法もあります。
100均でもアルミホイルの鉢カバーを取り扱っていて、デザインもかわいいものが出ています。
高温多湿を避けるのは、他にも方法があると思います。
できることをやってみて、来年もまた見れるようクモマグサの夏越しを成功させて下さい。
それでは、クマモグサの育て方について、最後にまとめましょう。
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まとめ:
今回はクモマグサについてのご紹介でした。
①クモマグサは4~5月にピンクや白の梅の花に似た花を咲かせる植物です。
②高温多湿が苦手なので、夏場は涼しい半日陰で育てます。
③増やすのは、株分けか挿し芽になります。
④寄せ植えは山野草などと組み合わせ、また器選びも大切です。
⑤夏越しは、如何に高温多湿を避けられるかです。
まわりをパッと明るくしつつも、何だか落ち着くイメージのクモマグサ。
ぜひ花植えを楽しんで下さいね。
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