通りから見えるマンションのベランダに、鉢からあふれるように咲いている花を見つけました。
白やピンクやの小花がとてもかわいらしくて、春を感じさせます。
そう、これがロベリアです。
ロベリア、ちょっと気になりませんか?
育ててみたくなりませんか?
そういうことで今回は、ロベリアの育て方をはじめ、増やし方や寄せ植え、冬越しのことまでお話します。
どうぞ、最後までお付き合い下さいね。
目次
ロベリアとは?開花時期や特徴について
ロベリアという名前を、はじめて聞く人もいらっしゃるかもしれませんね。
ロベリアは、春から咲くキキョウ科の植物です。
ロベリアの仲間は365種類あるといわれており、近年は真夏を除いて、ロベリアはほぼ一年中出回ってます。
一年草や多年草のものといろいろあり、3~6月頃まで咲くものが多いのですが、中には12月まで咲くものもあります。
※一年草とは、種が発芽したその年だけ咲いて実をつけ枯れる植物のことです。
多年草とは、種から発芽したあとに花が咲いて実がついても枯れずに、翌年からも繰り返し咲く植物のことです。
和名で『ルリチョウチョウ(瑠璃蝶々)』と呼ばれるように、花が蝶の形をしています。
花の色は、青、紫、ピンク、白などがよく見られるでしょうか。
ほふくする性質もあるので、小さな花が株いっぱいに咲くと、こんもりとなります。
あふれるように咲く姿は、とても見ごたえがあります。
品もあり、さわやかな感じもします。
ただロベリアには全草に毒があります。
間違って食べると、嘔吐や呼吸が苦しくなります。
くれぐれも注意して下さいね。
一年草のロベリアでも、うまく育てれば翌年も咲きます。
早速、育て方からお話していきましょう。
※一年草タイプと多年草タイプのロベリアも育て方に大きな違いはありません。
違いがあるときは、その旨、記載していきます。
関連記事
ロベリアの育て方!植え付け・摘心・切り戻し等のコツ
ロベリアの主な原産地は南アフリカで、平原や山地の岩場に自生していました。
ロベリアを育てるには、自生の地と大きく隔たりのない環境にしたいところです。
といっても、あまり難しく考えないで大丈夫。
では順を追って、育て方の説明をしていきます。
以下に挙げていく時期的なものは、お住まいの地域やその年の気候によっても違ってくるので、あくまで参考までにということで。
①育てる場所
ロベリアを育てるには、日当たりのいい場所を選びます。
それでも、西日や夏場の強い日差しは避けたいところです。
夏の間は涼しい半日陰(一日のうち3時間ほど日が当たる所)に置くのがよさそうです。
そういう環境がないなら、鉢を軒下に移すか、遮光ネットを使ったりして日差しを避ける工夫をして下さい。
蒸れも苦手なので、風通しの良い環境に置きましょう。
うちはマンション住まいなので、夏場はベランダによしづを立てかけてるので、そこに鉢を移動させています。
ベランダのコンクリートの上に直接置かず、すのこや台の上に置くだけでも、違いますよ。
梅雨や長雨の間、ずっと雨がかかりそうなら、鉢を移動させた方がいいでしょう。
またロベリアは寒さに弱いです。
冬場は軒下に置くなどします。
庭植えなら、マルチングをしたりして寒さを防ぎます。
ロベリアの冬越しについては、また後で詳しくお話します。
②植え付け
ロベリアは寒さが苦手なので、植え付けも春、暖かくなってからします。
3~5月上旬が適期ですが、9~10月に植え付ければ、年内も花が見られます。
ポリポットなどから出したとき、根がかなり回っているかもしれません。
竹串などでほぐしておきます。
植え付けは、風通しをよくするため株と株の間を15cmほど離します。
鉢植えなら、かなりボリュームが出てくるので、はじめから大きめの鉢に植え付けるのが無難です。
庭植えなら、やや深めに植え付けるのがいいですね。
深めに植え付けることで、根がよく張ります。
元肥で、マグァンプKなどの緩効性肥料や牛ふん堆肥を混ぜておきます。
※緩効性肥料とは、ゆっくりと長い間にわたって効き目がある肥料のことです。
もし元肥を入れるのを忘れたら、植え付けから1週間経ったあたりで株元に撒きます。
その際、株に肥料を近づけ過ぎないよう注意です。
肥料焼けを起こすと根が傷んでしまいます。
後はたっぷりと水をやって植え付け完了です。
鉢植えは、しばらく明るい日陰で管理してから風通しのいい場所に出します。
③用土
ロベリアは蒸れと乾燥を嫌う植物です。
用土は水がはけがよく、ほどよく湿り気を保てるものを選びます。
使用する鉢にもよりますが、赤玉土と鹿沼土を均等に配合するのが無難でしょう。
草花用の培養土があれば、それにパーライトを2割混ぜたものも使えます。
庭植えの場合、あらかじめ腐葉土などを入れて水もち、肥料もちがいい土を作っておきます。
水はけが悪いようなら、川砂などを入れるのも手です。
土壌づくりは植え付けの1か月前からするのが理想らしいですが、なかなかそこまで は難しいですよね。
④肥料
ロベリアは、『②植え付け』でも書いたように、植え付け時に元肥として緩効性の化成肥料を入れます。
開花中は1000倍に薄めた液体肥料を、月に2~3度施します。
固形肥料でもいいですが、きれいな花をたくさん咲かせるのに効き目が早いのは液体です。
花が終わった後に切り戻して、追肥をします。
そうすると、秋にもまた花が咲きます。
庭植えも同じです。
⑤水やり
ロベリアは多湿も乾燥も苦手なので、水やりには注意が必要です。
9~5月は土の表面が乾いたらたっぷり水やりをします。
6~8月は土が乾ききらない程度の水やりをします。
午前中に少量ずつ与えればいいですよ。
庭植えは基本的には水やりは不要ですが、真夏の間や何日も雨が降らないような時は、状況を見てやって下さい。
⑥摘芯
ロベリアの魅力は、何といってもこんもりした形にあります。
摘芯とは茎の先端をカットすることです。
摘芯をすることで生長がそろったり、脇から葉が出やすくなるので、ロベリアのこんもりとした形ができやすくなるのです。
特に時期は気にせず、私は気になった時にハサミでちょんとやっています。
ハサミはライターであぶるなどして、消毒したものを使って下さいね。
ハサミに病気がついていたなどありますから。
⑦剪定(切り戻し)
ロベリアの切り戻しをするのは、蒸れを防いで涼しい状態で夏を越してもらうためです。
人間が夏にカットして涼しくするのと同じですね。
本格的な夏が来る前、花後になるでしょうか、一年草なら6月上旬までに、多年草なら6月中に、こんもりした状態の半分くらいに刈り込みます。
健康な葉の部分が残っていれば、思い切って切り戻してもらって大丈夫ですよ。
切り戻しをしたロベリアは、すっかり風通しがよくなって、蒸れやカビの心配もなくなりました。
夏越しの準備ができました。
ここで追肥をしておくと、秋にはまた花が見られます。
⑧病害虫
確実に切り戻しをしておくと、風通しがよくなりカビも発生せず、病害虫の心配も少ないです。
発生するなら、アブラムシでしょうか。
4月から6月あたりにかけてよくみられ、新芽や葉裏にびっしりと付きます。
見つけたらただちに駆除します。
アブラムシ退治としては、スプレータイプや顆粒状の殺虫殺菌剤がいろいろと出てます。
ここまでいかがでしたしょうか?
ロベリアを育てるのには、やはり水やりに気をつけたいところですが、何とかできそうですよね。
さて、ずっと育てていれば、増やしたくなるもの。
次からはロベリアの増やし方について説明していきましょう。
関連記事
ロベリアの増やし方!挿し芽や株分けのポイントは?
ロベリアを増やす方法は、挿し芽、株分けと種まきがあります。
それぞれ見てみましょう。
・挿し芽(多年草タイプ)
多年草タイプのロベリアは挿し芽で増やせます。
時期は6月か10月あたりでしょうか。
まず、挿し芽となる挿し穂作りからです。
①病気になっていない勢いのある茎を、10cm〜12cmぐらいの長さで切り取ります。
切り口はカッターナイフなどで斜めにカット、下の方の葉もカットしておきます。
②コップなどに入れて1時間ほど水を吸わせておきます。
水に発根促進剤を混ぜておくか、水揚げ後に切り口にまぶしておくかで、より発根が確実になります。
これで挿し穂ができました。
そうそう大事なことを忘れていました。
茎をカットした時、白い乳液がでます。
この液でかぶれる人もいますので、皮膚が弱い人は手袋をして作業した方がいいですね。
③挿し木用の土か、種まき用の土を準備し、あらかじめ水を吸わせておきます。
④割りばしなどで、挿す前に穴をあけて、そこに挿し芽をさしこみます。
私はピンセットを使ってさしこんでいます。
まわりを軽く押えて完成です。
⑤発根するまで明るい日陰に置きましょう。
時期や環境によって違ってきますが、3週間ぐらいで発根するのではないかと思われます。
- 株分け(多年草タイプ)
多年草タイプのロベリアは株分けでも増やせます。
株分けは、3~4月と9月~10月の植え替えの時期にします。
土から出した株を、切り分けるか、手でほぐしながら分けます。
あとは植え付けの手順と同じです。
- 種まき(一年草、多年草タイプ共通)
ロベリアの種まきは2~3月と9月がまき時です。
①ピートモスや種まき用の土に種をまきます。
土の表面に穴をあけて、そこに種をまくのがいいかもしれないですね。
ロベリアの種はとても細かいので、風で飛ばされたりするからです。
またロベリアのような細かい種まき向けに、ピートバンという板状の専用土も市販されています。
ピートバンだと失敗も少ないようですよ。
②覆土はしないで、受け皿などを使って底から水を吸い上げさせます。
③発芽したらよく日が当たる場所で管理します。
葉が込み合ってきたら何回かに分けて間引きし、本葉が2、3枚になったらポリポットに移し、本葉10枚くらいになったら本格的に植え付けできます。
いちばんできそうなもので、まずチャレンジしてみて下さいね。
ロベリアの育て方や増やし方までご説明しました。
そうすると次にやってみたいのは、やっぱり寄せ植えですよね?
では、お待ちかねの寄せ植えにいってみましょう!
関連記事
ロベリアの寄せ植えのコツとポイントは?
晩春から初夏にかけて、次から次に小さな花を咲かせるロベリア。
寄せ植えにはもってこいの花です。
春はいろんな種類の花が咲いている時期とも重なり、寄せ植えの組み合わせられる植物もたくさんです。
どんな植物と合うか挙げてみましょう。
①オリヅルラン
②ヘデラ
③シロタエギク
④ラミウム
⑤パセリ
⑥ペチュニア
⓻マリーゴールド
⑧ナスタチウム
⑨ゼラニウム
⑩スイートアリッサム
①~⑤は葉だけでも使えるものを選びました。
なみじみのないような植物だけご説明しますね。
①のオリヅルランは子株が折り鶴になったようなのが特徴で、斑入りの葉が寄せ植えにピッタリです。
④のラミウムはシソ科の野草、オドリコソウの仲間です。
まずロベリアの寄せ植えを長持ちさせるために、徒長などのないしっかした株を選びます。
花がつく前のものがより長持ちします。
またロベリアは育っていくにつれて、ほふくするように外側に広がっていきます。
鉢植えやコンテナに植える時は、縁の方に植えた方がいいですね。
この鉢からこぼれるような性質を利用して、ロベリアの寄せ植えは何といっても釣り鉢です。
ハンギングバスケットなどを使い軒下から吊るしてみると、ふんわりしたロベリアの姿がとても目を引きます。
ただし、吊り鉢にする場合は、安全面から軽めの用土を使うのをおすすめします。
例えばですが、赤玉土3、ピートモス3、パーライト2、バーミキュライト2の割合でブレンドしたものだと、だいぶ軽くなります。
いろいろな植物と組み合わせて、ロベリアの寄せ植え楽しんで下さいね。
あ、吊り鉢だと水やりを忘れがちなので、そこは注意です。
寄せ植えまでご説明が終わりました。
さて、気に入った花であればずっと見ておきたいものですよね。
では最後にロベリアを長く楽しむための、冬越しについてお話ししましょう。
関連記事
ロベリアの冬越しのやり方!コツやポイントは?
最初の方でも触れましたが、ロベリアは寒さに弱い植物です。
寒風や雪にも弱いですが、何といっても、用心しなければいけないのは霜です。
霜に当たってしまっては、これまで育ててきたのが台無し。
鉢植えなら、冬場は日当たりのいい軒下に置きます。
寒冷地なら、室内に取り込んだ方がいいでしょう。
鉢が動かせないようなら、支柱を立ててビニールを被せるなどできます。
庭植えなら、同じようにビニールカバーをするか、またはマルチングをしたりして寒さを防ぎます。
野菜畑で見られる光景ですが、土の上に黒いビニールを敷き、穴を開けて株を出すのもマルチングです。
確かこのビニールはロール売りのはずなので、手持ちがない限り使うのは難しそうです。
手軽にできるマルチングとして、バーク材を使ったバークチップ、くるみや樹皮を使ったマルチング材、もみ殻やわらがあります。
ホームセンターに行くと、実にいろいろなマルチング材を取り扱っていますよ。
ちなみにマルチングをすれば、あわせて乾燥を防ぐこともできるし、雑草対策ににもなります。
それでは、ロベリアの育て方について最後にまとめましょう。
関連記事
まとめ
今回はロベリアを紹介していきました。
ロベリアは春から初夏にかけて、蝶の形をした花があふれるように咲くのが魅力です。
多湿乾燥を嫌うので、風通しのいい場所に置き水やりにも注意します。
挿し根、株分け、種まきで増やせます。
寄せ植えは吊り鉢にするのが、ロベリアのほふくする性質が活かせます。
ロベリアは室内に取り込んだり、マルチングをして冬越しさせます。
品があって、こんもりとかわいらしい姿のロベリアを上手に育てて、ぜひ長く咲かせてくださいね。
おすすめ記事