福寿草と聞いて「どんな花なんだろう?」と思う方は多いのかもしれません。
お正月に縁起の良い花として盆栽として楽しまれるほか、春の訪れを知らせてくれる花でもあります。
そんな福寿草ですが、植えっぱなしでOKという噂を聞いて疑問を持っている方もいるでしょう。
今回は、福寿草の育て方、増やし方、寄せ植えについて詳しく解説します。
最後には、福寿草の花が咲かない原因についてもお話しますので、お楽しみに^^
それでは、福寿草が植えっぱなしで良いかどうか、その真偽から解説します!
目次
福寿草とは?植えっぱなしOKって本当?
福寿草は早春の2~4月に地際15cm程に、菊のような綺麗な黄色い花を咲かせる日本を代表する山野草の花です。
この花は、日本から中国を原産地として、日本では北海道から九州の落葉照葉樹林に自生しています。
福寿草は歴史が古く、江戸時代から品種改良されているんですよ。
なので、花色は黄色だけではなく、白、紫褐色、オレンジ色などもあるわけですね。
また、福寿草は、キンポウゲ科フクジュソウ属の宿根草植物で、その名前からもおめでたい花として人気があります。
開花期は2~4月。
ですが、園芸店等では、元日に合わせて販売されることもあり、12月の冬期につぼみ付きとして販売されることもあるんですよ。
そのためか、お正月の寄せ植えとしても人気があり、綺麗な花を咲かすこともできることからガンジツソウという別名もあります。
可愛らしい福寿草は宿根草のため、地植えの場合は植えっぱなしで毎年花が咲くんですよ。
ところで福寿草がどんなお花なのかが分かって来ると、次に気になるのは育て方ですよね?
そこで、続いては福寿草の育て方についてお話ししますね。
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福寿草の育て方!植え付けや掘り上げ等のコツやポイントは?
福寿草は、地植えの場合は、基本的に植えっぱなしで育ちます。
ただし、鉢植えの場合は、植え付けや水やりなど、いくつか大切なポイントがあるんですよ。
それでは、早速「育て方の手順」を流れで見て行きましょう。
【植え付け】
福寿草の植え付け時期は、9~11月の涼しくなった秋が適期です。
しかし、福寿草が手に入る時期は早くて12月、遅くて4月でしょう。
この時期は、本来の植え付け時期ではないので、鉢植えとして手に入れた物は、そのまま秋になるまで育ててあげたほうが安心です。
どうしても春に地植えしたり、大きめの鉢に植え付ける場合は、根鉢を崩さないように優しく植え付けましょう。
福寿草は、本来、落葉樹の根元で育っています。
なので、冬は日当たりが良く、夏は明るい日陰や柔らかい木漏れ日が当たるところを好みます。
地植えの場合は、落葉樹の根元に植え付けます。
鉢植えの場合は、冬は日当たりの良い場所に移動させるように管理すると良いでしょう。
【用土】
福寿草は、有機質に富んだ重めの土を好みます。
市販の山野草の土に腐葉土を2割程加えると良いでしょう。
オリジナルで土を作る場合は、小粒の赤玉土と鹿沼土、腐葉土を4:4:2の割合で作ると良く育ちます。
福寿草は、根が太く長く育ちやすいので、鉢植えの場合は、2回り程大きめの鉢に植え替えると良いです。
その場合、土が乾きにくくなるので、鉢底の水はけを良くするための鉢底石は多く入れてあげることがポイントになります。
【水やり】
基本的には表面の土が乾き始めたらたっぷりと水やりをしましょう。
つぼみがついて、花が咲き終わり、葉が枯れ落ちる夏までは、たっぷりと与えてください。
鉢植えの場合、受け皿に水を溜めていると根腐れの原因になるので、溜まった水はこまめに捨てましょう。
私は、受け皿に水を溜めて根腐れさせたことがあるので気を付けてくださいね。
葉が枯れ落ちた夏以降は、生育が止まる休眠期になります。
この時期に、水をやりすぎると多湿になり根腐れをしやすいです。
しかし、断水して土をカラカラにしてしまうのも福寿草が傷む原因となり、来年の花付きが悪くなってしまいます。
そのため、涼しい日陰で管理しながら、土に適度な湿り気を与えるくらいの水やりが重要なポイントです。
地植えの場合は、水やりは不要ですが、休眠期前に晴天が続き、極端に雨が降らない場合は、水やりをしてあげると良いでしょう。
【肥料】
植え付け時に、ゆっくりと長期間効果のある緩効性肥料を土に規定量混ぜ込みましょう。
花芽が上がってきたら、1週間に1度即効性のある液体肥料を水に規定量溶かし、水やり代わりに与えてください。
立派な花がたくさん咲くようになりますよ。
花が終わり、葉が枯れ落ちるまでは、来年の栄養を蓄えるために、ゆっくりと聞く緩効性の置き肥を与えることがポイントです。
置き肥を土の上に置くことで、休眠期になるまで来年の栄養を蓄えてくれます。
葉が落ち休眠期に入ったら、置き肥は取り除いてあげましょう。
休眠期は生育をしないので、この時期の肥料やりは根腐れの可能性があるからです。
【剪定】
福寿草には、剪定は必要ありません。
花後や枯葉を取り除く程度の管理で大丈夫ですよ。
夏以降の枯葉は、全て取り除いてあげましょう。
【植え替え】
植え替えは、植え付け時期と同様に9~11月になります。
福寿草の根は太く長くなりますので、鉢植えの場合は、1~2年に1度2回り大きな鉢に植え替えると良いでしょう。
地植えの場合は一度植えて根付けばそのままで良いです。
しかし、別の場所に植え替える場合や、株分けを行う場合は、根を切らないように、優しく掘り上げましょう。
植え替えの際に、枯れた根や傷んだ根がある場合は取り除いて植えてくださいね。
【病害虫】
病害虫として以下が発生しやすいです。
- 灰色かび病
- ナメクジ
- ヨトウムシ
- アブラムシ
病気としては、灰色かび病が発生しやすいです。
水やりを花や葉の上から与え、風通しが悪く湿度が高い環境だと、灰色のかびが花後に発生しやすくなります。
水やりは、花や葉にかからないように与え、花後や枯葉はこまめに取り除くことが予防になります。
灰色かび病になった場合は、市販のお薬を使用して対処しましょう。
害虫として、ナメクジ、ヨトウムシ、アブラムシが発生しやすいです。
ナメクジやヨトウムシは、葉や花を食べてしまい、アブラムシは福寿草の栄養を吸い弱らせたり、ウイルスを媒介したりします。
これらの害虫は、暖かくなる春以降に発生しやすいので、見つけ次第捕殺や市販のお薬を使用して対処しましょう。
さて、福寿草を綺麗に育てることができたら、今度は増やしてみたいと思う方は多いと思います。
そこで、続いては福寿草の増やし方についてお話しします。
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福寿草の増やし方!株分けのコツやポイントは?
福寿草の増やし方には、「株分け」「種まき」の2通りがあります。
種まきは、花後に金平糖のような形の種ができるので、そちらを収穫して撒くのですが、開花まで4~5年と時間がかかります。
そのため、ここでは種まきよりも簡単に増やすことのできる「株分け」をご紹介しましょう。
まず、株分けは、植え替えを行う9~11月の秋が適期です。
掘り出した福寿草の根を、芽と芽の間が広く、手で分けられるサイズで優しく分けましょう。
その際、芽と芽が密集しているものを無理に分けると根が痛み、花が咲かなくなることがあります。
なので、上記のような時には、分けないよう注意して下さいね。
そして、分けることができた株は、今まで植えてあった土と同様の土に、植え替えて育てましょう。
株分けは、少なからず根を痛めますので、植え替えた後は、発根剤であるメネデールを水に薄めて、水やり代わりに行うと回復が早いですよ。
上手に株分けをして、ぜひ元気な福寿草をたくさん増やしてくださいね。
さて、福寿草の育て方と増やし方についてお伝えしましたが、さらに楽しみの幅を広げるために「寄せ植え」はとてもおすすめです。
続いては、福寿草の寄せ植えについてお話しします。
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福寿草の寄せ植え!コツやポイントは?
通常、福寿草は、根が太く長く育ち、開花期の2~4月まで、芽が土から出てきませんので寄せ植えにはあまり向いていません。
しかし、園芸店で出回る鉢植えやポットでの福寿草は、お正月用の盆栽や寄せ植えに向けて販売しているので、そちらを使用して寄せ植えを作りましょう。
- 松
- 笹
- 梅
- 南天
- 万両
- 葉ボタン
などなど・・・
福寿草はお正月に向けて開花調整されています。
なので、その時期に合わせたおめでたい松竹梅や万両などで盆栽風に寄せ植えをすると良いでしょう。
福寿草は草丈が低いので、鉢の手前に植えて、植物が正面から見て3角形になり、横から見ても3角形の形に植えると、バランスの良い寄せ植えになります。
土の上に苔や白い化粧砂などで飾ると、お正月の盆栽風で素敵ですね。
ただし、福寿草は、寄せ植えのまま育てることはできませんので、花が終わり次第、ゆっくりと大き目の鉢に植え替えて、個別で育ててあげましょう。
ところで、このように愛情をかけて植えた福寿草が咲かないなんてことになると、すごく悲しいですよね。
実際、花が咲かないという悩みを抱えている方は多いと思います。
そこで、最後に福寿草が咲かない原因とその対処法についてお話しします。
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福寿草の花が咲かない?原因や対処法のポイントは?
福寿草が咲かない原因には以下があります。
- 日当たりが足りない
- 夏場の乾燥
- 植え痛み
福寿草は、花が咲く2~4月は日当たりの良い環境を好みます。
日当たりが良いと花が開き、日当たりが悪いと花が閉じる性質があるので、花が開かない状態が続いている場合は日当たり不足の可能性が高いです。
その場合は、日当たりの良いところに移動させることで、花が開くので安心してくださいね。
福寿草は、夏場は休眠期なので、水やりは控えます。
ですが、断水してカラカラにした場合、根が傷み翌年の花が付かなかったり、うまく咲かないことがあります。
つまり、水のやりすぎも良くないですが、鉢植えの場合は特に適度な湿り気を与えることが翌春に花を咲かせるのに大事なポイントなのです。
9~11月の植え替えや株分けで、根を痛めると翌春の開花に影響してうまく咲かないことがあります。
鉢植えの植え替えは特に根を痛めないように慎重に行い、無理な株分けを行わないようにすることが大事です。
また、花付きの苗や鉢植えで購入する場合も、芽がしっかりしたものを選びましょう。
ポットや鉢に収めるために、根を切って植えていることが多く、芽の状態が悪いものもあるので気を付けてくださいね。
それでは、福寿草についてたくさんお伝えしましたので、最後にまとめましょう。
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まとめ
今回は、福寿草の育て方等についてお話しました。
福寿草は、春に菊の花に似た黄色い花が地際に咲く植えっぱなしでも大丈夫な可愛らしい宿根草です。
根が太く長くなるので、鉢植えの場合は大き目の鉢に植え替えて育て、休眠期でも湿り気を与えるくらいの水やりが必要です。
福寿草は、9~11月の秋に芽と芽を分けるように優しく株分けして増やせますよ。
寄せ植えは、園芸店などでお正月用として早くに販売される物を使って盆栽風に作ることができます。
花が咲かない原因は、「日当たり不足」「夏場の乾燥」「植え痛み」です。
今回の記事を参考に、ぜひ元気な福寿草に育ててあげてくださいね!
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