エキナセアは、春から夏にかけてホームセンターや園芸店で株を買うことができます。
しかし、育ててみたいけど、どんな種類があるのかなと買うのを迷っている人もいるかもしれません。
また、買ったはよいものの、具体的な育て方や増やし方、寄せ植えにする方法が分からない人もいるでしょう。
今回は、エキナセアの種類や開花時期といった基本的な知識から、育て方や増やし方、寄せ植えのコツ等を紹介します。
これを読めば、エキナセアの一通りのことは分かるかと思いますので、育てるときの参考にしてみてください。
目次
エキナセアとは?種類や開花時期は?
エキナセアは、花の中心部が細かいトゲ状に盛り上がっていて、そこから放射状に細長い花びらが広がっている形の花が特徴です。
花の色は、赤、ピンク、オレンジ、黄、白、緑と種類が豊富です。
品種にもよりますが、花の大きさが7cmから大きいものだと10cmになります。
また、花びらも開いた傘のように下垂するものから八重咲きのものまで様々な形があります。
そのため、花に存在感があり、品種によって独特の雰囲気があります。
開花時期は、6~10月のため、夏の寄せ植えや花壇に人気で、定期的に切り戻すことで長く楽しむことができます。
さらに、エキナセアはキク科の宿根草で、暑さ寒さに強く育てやすいため、一度植えればあまり手をかけなくても毎年楽しむことができるのが魅力です。
エキナセアは花が大きく、手軽に寄せ植えや花壇にボリューム感を出すことができます。
お気に入りの品種を長く楽しめるように、次にエキナセアの育て方や手入れのコツについて説明していきます。
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エキナセアの育て方!種まきや植え付けや切り戻し等のコツ
エキナセアは宿根草のため、上手く育てれば数年に渡って育てることができます。
手順ごとにコツや注意点を説明しますので、育てるときの参考にしてみてください。
【種まき】
種まきは4月頃と9~10月頃が適期です。
発芽適温は15~25℃のため、住んでいる地域の気温と照らし合わせて種をまく時期を調整しましょう。
種は育苗箱やポットにまきますが、種が小さく発芽まで2週間かかります。
そのため、なるべく発芽を揃えさせるために、消毒されて土の粒が整った市販の種まき用の用土を使うとよいです。
適度に湿らせた用土を育苗箱やポットに詰め、種をばらまきにまいたら、種が薄く隠れる程度に土をかぶせます。
このとき、エキナセアの種は光が当たると発芽しやすい明発芽種子のため、種の上に土をかけすぎないようにするのがポイントです。
種まき後は発芽まで土が乾かないように水をやります。
先述しましたが、種が小さいため、水やりをするときは水と一緒に種が流れていかないように注意しましょう。
その後、成長に合わせて大きなポットに植え替えをして育てていきます。
春まきの場合はそのまま初夏ごろまでに鉢や花壇に植え付けます。
秋まきの場合は、苗の状態で霜や厳しい寒さに当たらない場所で冬越し、春になったら植え付けをします。
【植え付け】
苗の植え付けは4~5月が適期です。
エキナセアは水はけのよい土を好むため、鉢植えの場合は市販の草花用の用土をベースに赤玉土等の水はけを良くする資材を入れるようにします。
また、鉢の底に鉢底石を敷いてさらに水はけが良くなるようにしてください。
庭の花壇に植え付ける場合で水はけの悪さが気になる場合も、赤玉土や腐葉土を入れて土壌改良をします。
鉢植えも花壇の地植えも、元肥として緩効性肥料を用土に混ぜ込んでおきましょう。
植え付けるときのコツや注意点ですが、複数植えるときは株間を30~50cm空けて、風通しや日当たりを良くします。
また、元肥としていれる緩効性肥料は、肥料袋の裏等に書いてある適正量よりも少し減らすようにします。
肥料が多すぎるとかえって弱い株になるため、必要最低限の施肥量を心がけることが上手く育てるコツです。
【水やり】
エキナセアは多湿に弱いため、鉢植えの場合は土の表面が乾いてから水やりをします。
花壇の場合は、基本的に水やりは必要ありませんが、夏に全く降雨がなく、土の乾燥が気になるときだけ水を与えるようにします。
【肥料】
先述しましたが、エキナセアは肥料が多すぎるとかえって弱ってしまうため、肥料は春と秋に緩効性肥料を与えるだけにします。
しかし、もし夏なのに葉が黄色くなるなどの肥料不足の症状が見られたら、必要に応じて即効性の液体肥料を与えましょう。
【剪定(切り戻し)】
エキナセアは盛夏になると暑すぎて花つきが悪くなってきます。
そこで、思い切ってその時期に切り戻しを行うことで新しい茎や花が伸び、秋にかけてまた花を楽しむことができます。
切り戻しは、花がついている茎の根元を節(葉)を残して切るのがポイントです。
根元の節を残すことで、その節から新しい茎が伸びていきます。
切り戻しは、秋の花つきを良くするだけでなく、いらない茎を切ることによって風通しを良くして病害虫を防ぐことにも繋がりますよ。
【病害虫】
エキナセアはうどんこ病や灰色かび病が発生しやすいです。
うどんこ病は夏から秋の暖かく湿度が低いときに発生します。
葉などに小麦粉のような白色の粉状のかびが生えて全体が白く覆われていくのが特徴です。
灰色かび病は、朝夕に冷え込むような気候で雨が多く、湿度が高いと発生・増殖する病気です。
水が染みたような斑点が葉の端に発生して、徐々に広がって腐ったようになります。
どちらも防除のポイントとしては、肥料を与え過ぎないようにして強い葉茎をつくることで、菌が侵入しにくい株に育てることが大切です。
また、日当たりが良く、風通しの良い環境作りを心がけるようにします。
万が一病気が発生したら、直ちに取り除いたり、咲き終わった花がらを摘み取ったりすることで株自体を清潔に保つようにしましょう。
害虫はアブラムシやハダニが発生しやすいです。
どちらも葉裏に0.5㎜~1㎜ほどの小さな虫が群生して発生し、吸汁して植物の生育を衰えさせます。
見つけたら薬剤を散布するほか、病気の対策と同様に、エキナセアの生育に適した環境にして、株を清潔に保つようにしましょう。
エキナセアの育て方についてはおわかりいただけたでしょうか。
エキナセアは比較的育てやすいだけでなく、宿根草という特徴を活かして株分けで増やすこともできます。
次からはエキナセアの増やし方について説明しますので、コツやポイントをおさえて株分けを成功させましょう。
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エキナセアの増やし方!株分けや種まきのポイントは?
エキナセアは、株分けや種まきで増やすことができます。
ここでは、どちらの増やし方についても説明していきますが、筆者のおすすめの増やし方は株分けです。
理由は、株分けの方が簡単で、気に入った品種と全く同じ遺伝子を持った株をそのまま増やすことができるためです。
種まきで増やすこともできますが、その場合は種を購入することをおすすめします。
自家採種した種だと、必ずしも親のエキナセアの特徴を完全に継いでいるとは限らないためです。
しかし、自家採種も植物を育てる楽しみのひとつなので、ご自身の判断で増やし方を選んでくださいね。
【株分けによる増やし方】
株分けの適期は春と秋です。
エキナセア自体は株があまり大きくならないため、何年か育てて大きくなった株を使うようにすることが株分けを成功させるコツです。
このときに小さい株で株分けをすると、枯れる原因になります。
やり方は、株分けに使う株を掘り上げて土を落とし、ハサミ等でバランスよく2~3株に分けます。
あとは、先述した【植え付け】の方法を参考に鉢や花壇に植えるだけです。
【種まきによる増やし方】
種まきによる増やし方は先述した【種まき】で詳しく説明していますので、ここでは自家採種の方法について紹介します。
種は花の中心部にできますので、種を採種したいときは、花がらを取らずにそのまま枯れて種ができるのを待ちます。
枯れたら、茎ごと切り取って完全に乾燥させます。
乾燥したら花の中心部だったところから種を取って、密閉できる保存袋に乾燥材と一緒に種を入れて、冷蔵庫で保管します。
あとは、種まきの適期になったら、袋から出して種まきをしましょう。
増やしたエキナセアは寄せ植えにすることで、さらに鉢や花壇を彩ることができます。
エキナセアの草丈や開花時期を考慮した、組み合わせに良い植物を紹介しますので、参考にしてみてください。
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エキナセアの寄せ植えのコツとポイントは?
エキナセアは品種にもよりますが、他の植物に比べて草丈が高いため、寄せ植えにしたときに縦のラインや立体感を演出することができます。
筆者のおすすめとしては、エキナセアを鉢や花壇の奥側に配置して、手前に草丈の低い植物を植える配置です。
こうすることで高低差をつけて立体感をだす組み合わせになります。
ここでは、エキナセアより草丈の低い、組み合わせに良い植物をいくつか紹介していきます。
【ペチュニア】
開花時期が4~10月のため、エキナセアと同じタイミングで花を楽しむことができます。
草丈、花色、花の形が様々なので、自分が育てているエキナセアに合わせて品種を選べるのも魅力です。
【ケイトウ】
赤やピンク、オレンジといった暖色系の花が6~10月にかけて咲きます。
花の形や草丈は様々ですが、花壇用の草丈の低い品種を選ぶようにします。
花の形も穂のように咲く羽毛咲きの品種を選ぶことで、草丈の高いエキナセアと組み合わせたときに縦のラインを演出することができます。
【コリウス】
コリウスは葉の色を楽しむ植物です。
暗めの赤色やライム色、斑入りの品種など色の種類が豊富で、手軽に寄せ植えにボリュームを出すことができます。
筆者のおすすめは以上ですが、夏は植物が育てやすく他にも組み合わせに良い植物はたくさんあるので、探してみてください。
組み合わせる植物は、エキナセアと開花時期が重なっているものを選ぶようにします。
また、エキナセアと同様に水はけが良い土を好む植物を選ぶことで、寄せ植えを長く楽しむことができますよ。
実際に寄せ植えをつくるときは、一般的に奥側の植物から植えるので、エキナセアを一番奥に配置する場合はエキナセアから植えます。
綺麗な寄せ植えをつくるコツは、はじめに仮置きをして寄せ植え全体のバランスを確認することです。
極端な浅植えや深植えは良くないですが、高さを調整するために植物によって底の用土の高さを変えても大丈夫です。
寄せ植えの空いた隙間に用土を入れるときは、きちんと用土が入るようにはしなどの細長い棒を使って押し込むようにしましょう。
エキナセアは様々な花の色があるため、寄せ植えに使う植物としても便利です。
最後に、エキナセアの花が咲かない時の対処法について説明します。
困ったときは次項を読んで、対処してみてください。
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エキナセアの花が咲かない!原因と対処法は?
エキナセアは比較的簡単に育てられますが、育て方によっては花が咲かないという事態になることもあるかもしれません。
考えられる原因と対処法についていくつか挙げますので、花が咲かない場合の参考にしてみてください。
【日当たりが悪い】
エキナセアは日当たりの良い場所を好むので、日光が不足すると花の数が減る場合があります。
対処法としては、鉢の場合は日当たりの良い場所に移動させましょう。
花壇の場合は、植え付けの段階で日当たりの良い場所を選ぶようにしましょう。
【株が弱い・小さい】
株分けするときに小さくしすぎてしまうと、翌年に花が咲きにくくなることがあります。
また、種まきで増やした場合も、翌年は株がまだ充分に育っておらず、花を咲かせるための体力が備わっていないことがあります。
対処法としては、無理に咲かせようとすると翌年以降も株が弱ってしまうため、思い切って茎を切り戻し、翌年に向けて体力を温存する期間にしましょう。
花を咲かせようと肥料をたくさん与えるのも禁物です。
【根詰まりを起こしている】
特に鉢植えの場合は、根が伸びる範囲が限られているため、根詰まりを起こしやすいです。
根詰まりを起こすと、茎や葉の生育も悪くなり、花も咲きにくくなります。
対処法として、鉢植えのエキナセアは年に一回、花が終わった秋頃にひと回り大きな鉢に鉢替えをしてあげてください。
それでは、エキナセアの育て方について最後にまとめましょう。
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まとめ
今回はエキナセアの育て方や増やし方、寄せ植えについて紹介しました。
エキナセアは存在感があり、花色の種類も豊富なのが特徴の夏に咲く花です。
暑さ寒さに強く、少ない肥料で丈夫に育つ手軽さが魅力です。
宿根草のため、一度植えれば数年にわたって育てることができ、株分けで増やすこともできます。
増やしたエキナセアは、その存在感を活かして寄せ植えの植物としても使うことができます。
長く楽しむためにも、水はけが良く、日当たりの良い場所で育てるようにしましょう。
比較的簡単に育てることができるので、ぜひお気に入りのエキナセアを買って、育ててみてくださいね。
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