カシワバアジサイの種類と育て方!増やし方や寄せ植えのコツ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

梅雨のある日、雨に濡れて赤や青のアジサイが咲く中、白のアジサイが目を引きました。

しかも花の房が長く、とても変わった形です。

そう、これがカシワバアジサイなのです。

 

ところでカシワバアジサイの育て方はご存じですか?

以前に失敗したので、ちゃんと育て方を知っていたら良かったと、思ったことがある方も多いかもしれません。

今回は、そんなカシワバアジサイの種類と育て方、増やし方や寄せ植えのコツなどをご紹介していきます。

カシワバアジサイとは?開花時期や種類、特徴について

カシワバアジサイと聞いても、どんな花かピンとこないかもしれないので、まず説明しましょう。

 

カシワバアジサイは6~7月ごろに咲きます。

その名の通りアジサイ科に分類されるアジサイの仲間です。

 

ただアジサイの仲間といっても花の付き方が全然違います。

 

クリーム色の花が縦に段々とついて長い花房になっているのが特徴。

ソフトクリームのコーンの形のような花の付き方と言った方が、わかりやすいかもですね。

 

とてもボリュームがある花なのです。

 

そしてもう一つ、何といってもカシワバアジサイの大きな特徴は、5~7裂の切れ込みが入った葉。

これが柏の葉に似ていることから、カシワバアジサイという名がついたのです。

 

寒くなってくるとカシワバアジサイの葉は紅葉して、これもまた見ごたえがあります。

 

北アメリカ原産で、一重咲のスノー・クィーンや八重咲のスノーフレーク、咲き終わりに淡いピンク色になるバック・ポーチをはじめ、現在日本には10種類ほどが入ってきているようです。

いかがですか?

 

クリーム色の花というだけでも何となく魅かれるし、それがソフトクリームのコーンのような形になっているなんて。

聞いただけでも興味がわくし、カシワバアジサイが人気なのも納得ですよね。

 

そろそろ、どんなふうに育てればいいのか育て方は簡単なのか、気になってきたでしょう?

では、次からはカシワバアジサイの育て方をご紹介していきます。

 

関連記事

 

カシワバアジサイの育て方!植え付けや切り戻し等のコツ

ここではカシワバアジサイの育て方をはじめ、植え付けや切り戻し等のコツについてお話していきます。

 

なお、これから出てくる時期的なものは、お住まいの地域、その時の気象条件によって多少変わってきますので、あくまで参考ということにして下さいね。

 

①育てる環境

カシワバアジサイは日陰でも日なたでも育ちます。

いちばんいいのは、明るい日陰でほどよく湿り気もあり水はけもいい土がある場所です。

 

以前、カシワバアジサイを西日がガンガン照りつける所で育てたことがありますが、北アメリカ原産とはいえさすがに葉焼けしました。

 

やはり遮光するとか、鉢を移した方がいいかもしれませんね。

冬場、寒風が直接吹き付けるような場所からも鉢を移動させましょう。

 

②植え付け

カシワバアジサイの植え付けにいい時期は2~3月、7月頃です。

 

【庭植え】

「①育てる環境」のところでも書いたように、カシワバアジサイを庭植えするのに明るい日陰になって西日が当たらない場所を選びます。

 

1、植え付け前、根鉢よりひとまわり大きな穴を掘っておきます。

掘り上げた土に腐葉土3ピートモス2をブレンドしておきます。

 

2、元肥も入れて、根がまわっているなら根鉢をほぐして植え付けます。

 

3、株の周囲に土手のように土を盛ります。

これをウォータースペースといいます。

ウォータースペースは株元にしっかり水がいくよう、周囲に水が流れ出ないようにするためのものです。

 

4、たっぷりと水をあげます。

水が引いたら盛り土部分は崩して株元を固めます。

根付くまで乾かさないようにします。

 

【鉢植え】

カシワバアジサイの鉢植えも庭植えにほぼ同じです。

用土は割りばしなどを使い隙間なく詰め込んで下さいね。

 

③用土

アジサイは土壌酸度(ph)によって花色が変わりますが、カシワアジサイは白なので市販の園芸用培養土で十分です。

ブレンドした用土を使うなら、赤玉土5:腐葉土3:ピートモス2の割合のものがいいですね。

 

④肥料

カシワバアジサイの肥料は、まず植え付け時の元肥があります。

元肥には緩効性化成肥料を使います。

緩効性化成肥料は、ゆっくりと長い期間にわたり効き目がある肥料のことですね。

 

追肥は秋9~10月に施します。

カシワバアジサイの追肥も緩効性化成肥料を使います。

追肥は元肥の効果が薄れてきたときに与えるものです。

 

肥料は株に近づけすぎないように置きます。

肥料の量については株の大きさで変わってくるので何とも言い難いのですが。

鉢植えなら6号鉢で4gほどでしょうか。

 

上にあげた追肥の時期以外にも、株の生育旺盛な時に液体肥料を与えるのもいいですね。

希釈タイプなら1000倍に薄めたものを与えます。

液肥も与え過ぎには注意です。

 

⑤水やり

カシワバアジサイは乾燥にやや弱いため水切れには注意が必要です。

庭植えでも触って土がパサパサ乾燥しているようなら、ときどき水をやります。

鉢植えの水やりの基本は、土の表面が乾燥してきたらたっぷりとです。

 

やり方は株元にそっと与えて、十分用土に水をしみ込ませていきます。

11~3月の寒い時期は控えめに、7~9月の暑い時期は乾燥しないように気も配り、鉢底から流れるくらいたっぷりと与えます。

乾燥がひどくなると落葉することもあるので、たまに葉水をかけるといいですね。

 

⑥剪定(切り戻し)

カシワバアジサイの剪定は2回です。

 

【花後の剪定】

花が終わったらすぐ7月中。

花後に剪定する意味は、翌年のため花芽を促し、また樹形を整えるためです。

 

花芽分化(10~12月)の時期を過ぎて遅く剪定すると、花芽か葉芽かわからずにカットしてしまい、翌年花がつかないことになりかねません。

 

ですから花が終わったらすぐに剪定するのです。

剪定は一番下の葉の上で切り戻します。

紅葉を楽しみたいなら、もっと上で切り戻します。

 

【冬剪定】

2~3月

花芽がすでに出来ているので、思い切った剪定はしません。

徒長枝や不要な枝を処理する程度にします。

 

⑦病害虫

カシワバアジサイは比較的病気には強いのですが、ハダニやコナジラミなどの外注には注意が必要です。

 

ハダニは4月ごろから発生します。

気が付いたときは遅く、葉の裏にびっしりついて汁を吸われて葉っぱが白くなっています。

 

一度つくとハダニはやっかいで、何度薬剤を変えても発生します。

普段から葉水をかけて予防しておくのをおすすめします。

 

コナジラミの発生は気温が高くなる6月ごろからです。

白い小さい虫が飛んでいたらまずコナジラミでしょう。

 

これも植物の汁を吸う害虫で、ウイルスを媒介したり、葉の表面が黒くなるすす病などを併発させます。

見つけたらただちに殺虫剤を散布します。

 

以上、カシワバアジサイの育て方までご説明しました。

あまり手間がかからないので、自信をもって育てられそうですよね。

 

うまく育ったら、今度は株を増やしてみませんか?

誰かにあげたり、自分でも寄せ植えで使ったりできますよ。

そういうわけで、この後はカシワバアジサイの増やし方についてお話になります。

 

関連記事

 

カシワバアジサイの増やし方!挿し木等のポイントは?

カシワバアジサイは挿し木で増やすことが可能です。

挿し木のポイントやコツも含め順を追ってご説明しましょう。

 

カシワバアジサイの挿し木には、休眠枝ざしと緑枝ざしがあります。

 

【休眠枝ざし】

1月下旬~2月

カシワバアジサイの休眠枝ざしは、名前の通り休眠期に入った枝を利用するものです。

芽ができている枝になりますね。

 

①挿し木とする枝(挿し穂)は、2芽ほど残してカット。

切り口はカッター等で鋭く斜めにします。

斜めに切れば切断面が広くなるので、それだけ発根率が上がるということです。

 

②挿し穂はコップに入れて水あげをしておきます。

※すぐに挿すなら水あげはいりません

 

③挿し床になる土は小粒の鹿沼土や小粒の赤玉土がいいですね。

鉢は駄温鉢(縁に釉薬をかけて焼いた鉢)が挿し木向き。

挿し床の縁に沿って、挿し穂を挿していきます。

 

この時、ピンセットなどを使って斜めに挿すのがポイントです。

 

④挿し木が終わったら、たっぷりと水をあげます。

用土が乾かないように日当たりのいい軒下などに置きます。

まだまだ寒い時期なので、霜や凍結にも注意が必要です。

 

⑤発根まで3ヶ月ほどみておきます。

鉢上げは十分に根が伸びてからにしましょう。

 

【緑枝ざし】

6~7月

カシワバアジサイの緑枝ざしは、今年伸びた枝を葉をつけたまま挿すやり方です。

花後の剪定で処分する枝などが使えます。

 

①挿し穂となる枝は1~2節ほど残して切り落とし、葉が大きいようなら2分の1から3分の1ほどにカットしておきます。

切り口も斜めに切っておきましょう。

 

②挿し穂はコップに入れて1時間ほど水あげをしておきます。

 

③挿し床となる土は【休眠枝ざし】と同じですが、挿す前にあらかじめ湿らせてお きます。

挿し方も同じです。

 

④挿し木が終わったら十分に水をあげます。

後は明るい日陰に置いて湿った状態を保ちます。

 

⑤1ヶ月ほどで発根してくるので、そのあとは日当たりいい場所に出します。

 

挿し木のご説明まで終わりました。

カシワバアジサイ、増やすのもとても簡単でしたね。

 

増やし方まで終わったところで、そろそろお待ちかねの寄せ植えにいってみましょう。

 

関連記事

 

カシワバアジサイの寄せ植えのコツとポイントは?

カシワバアジサイは花の色がクリーム色や白なので、他の花ととても組み合わせやすいかと思います。

ちょっと配色に自信がなくてもうまくできそう。

早速、どんな植物と合うか見てみましょう。

 

①アジサイ類
②ミニバラ
③ペチュニア
④カリブラコア
⑤サフィニア
⑥ヤブラン
⑦アイビー
⑧ヘリクリサム・ぺティオラレ
⑨ミントブッシュ
⑩ローダンセマム

 

ご存じのものばかりでしょうが、少しだけ付け加えますね。

 

①アジサイにはやはりアジサイ。

色もカラフルでガク型や手まり型など形も豊富で合わせやすいです。

 

②ミニバラも色も豊富ですね。

ただカシワバアジサイと同じくハダニがつきやすいので注意です。

 

④カリブラコアも⑤サフィニアも③ペチュニアの仲間になります。

 

⑥ヤブランは斑入りのものの方が寄せ植えに使いやすそうです。

 

⑦おなじみのアイビーは鉢の縁側に植え、垂れ下がる性質をうまく利用します。

 

⑧このヘリクリサムはシルバーリーフのもので、横に広がる性質があります。

 

⑨ミントブッシュはハーブで花は紫色、葉はミントのような香りがします。

斑入りの葉のものがおすすめです。

 

⑩ローダンセマムは花だけでなくシルバーリーフも使えます。

 

以上、どれもホームセンターで比較的入手しやすいものです。

次にカシワバアジサイの寄せ植えで気をつけたいポイントです。

 

  • 大きな鉢を使う
  • 株間を広めにとって植え付ける
  • カシワバアジサイの混み入った葉はカットする

 

こうすれば、お気に入りの寄せ植えをできるだけ長持ちさせられるかと思います。

他、まず仮置きして全体のバランスを見てから、植え付けると失敗がないです。

 

植え付け後は1週間ぐらいは明るい日陰に置いて下さいね。

いろいろな季節の植物と組み合わせて、あなただけのカシワバアジサイの寄せ植えにチャレンジして下さいね。

 

さて、カシワバアジサイを育てたり増やしたりするのは、とても楽しいのですが……。

 

ときには上手くいかないこともありますよね。

おしまいに、カシワバアジサイ栽培でのトラブルにお答えしましょう。

 

関連記事

 

カシワバアジサイが枯れる、花が咲かない!原因と対処法は?

カシワバアジサイを育てていてよくあるのが、【花が咲かない】【花が枯れる】かと思われます。

今回はこのふたつについて、その原因と対処法をさぐります。

 

【花が咲かない】

原因①剪定の遅れが考えられます。

花芽分化後に剪定をし、花芽を誤って切ってしまったのかもしれません。

 

対策:カシワバアジサイは花が終わったらすぐ剪定します。

 

原因②花芽が寒風に当たり傷ついたのかもしれません。

冷たい風に当たると花芽は枯れて花が咲かなくなります。

 

対策:カシワバアジサイは冬、寒風が吹き付けない場所に鉢を移します。

庭植えなら、はじめから寒風が当たらない場所を選んで植え付けます。

または寒冷紗を掛けるなど防寒対策をします。

 

【花が枯れる】

原因①水のやり方が悪いのかれません。

水が足りず乾燥すればしおれ、水のやり過ぎで根腐れを起こし枯れます。

 

対策:カシワバアジサイの水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりとやるです。

 

原因②白絹病といった土壌伝染病のせいかもしれません。

白絹病にかかると株元にカビのような白い粉がつき、株や茎が腐って症状が進むと枯れていきます。

 

対策:白絹病の兆候が見られた時はすぐさま土を消毒します。

鉢植えなら、土に入れ替えるのが間違いないでしょう。

 

それでは、カシワバアジサイについて最後にまとめます。

 

関連記事

 

まとめ

今回はカシワバアジサイを紹介しました。

ではおさらいです。

 

①カシワバアジサイは柏の形の葉とコーン形の花が特徴です。

②明るい日陰でほどよく湿り気もある場所で育てます。

③挿し木で増やします。

④寄せ植えは大きな鉢を使い、株間もゆとりを持って植え付けます。

⑤花が咲かないのは、剪定に遅れたせいかもしれません。

 

ボリュームたっぷりのカシワバアジサイ、見事に咲かせてくださいね。

 

おすすめ記事

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*