お花屋さんに行くと、さまざまな色や形のトルコキキョウが売られていて、とても目を惹きますよね。
そんなトルコキキョウには、どんな種類があるのかご存知ですか?
また、切り花としての人気が高いトルコキキョウですが、実は自分で育てることもできるんです。
今回は、トルコキキョウの種類や育て方、種まきや挿し木や越冬などのコツについて、初心者にも分かりやすくお伝えしていきます。
目次
トルコキキョウとは?種類はたくさん?毒性があるの本当?
みなさんはトルコキキョウと聞くと、どんなお花を思い浮かべますか?
トルコキキョウはもともと、一重咲きの紫系のお花ですが、品種改良が盛んに行われ、その種類はなんと300種以上にものぼります。
近年では八重咲きのものが人気で、花の色もピンクやクリーム色、白や緑と、とてもバリエーション豊かです。
いくつか代表的な品種をご紹介しますね。
【一重咲き系】
原種に近い形のお花で、5枚の花びらが重なりながら筒状に開いた形をしています。
外に開いてしまったチューリップのような形ですね。
単色のものや、花びらの縁だけ異なる複色のものもあり、バリエーション豊富です。
- 一般的な形の「ソロPFシリーズ」
- 清楚な姿が人気の「シャララシリーズ」
- 星形の花を咲かせる「セシルシリーズ」
- 白いお花で紫色の縁取りが優美な「バルカンマリン」
などがあります。
【八重咲き系】
八重咲きのボリュームあるお花は、まるでバラやラナンキュラスのようです。
特に、紫から青色系のものは、バラにはない色合いで人気が高い品種です。
八重咲きブームの先駆けとなったエクローサシリーズやバラにそっくりなロジーナシリーズなどが人気です。
【フリンジ系】
花びらの縁がフリル状に波打っているお花で、一重咲きも八重咲きもあります。
八重咲きよりもさらに、ボリュームがあり豪華な印象のお花です。
ブライダルシーンでも良く使われる、大輪のボヤージュシリーズや、繊細なフリンジと豊富な色が特徴のNFシリーズなどがあります。
ところで、トルコキキョウは品種改良が盛んに行われてきたというお話しをしましたが、もともとのトルコキキョウはどんなお花なのでしょうか?
トルコキキョウは、北アメリカ南西部から南部、メキシコ、南アメリカ北部などに広く分布しているリンドウ科ユーストマ属のお花です。
原種のお花は一重咲きの紫色をしています。
今のピンクやクリーム系、緑色などのカラフルなお花のイメージとはちょっと違いますが、清楚で美しいお花ですよ。
日本には昭和初期に輸入されて栽培が始まり、1980年代にピンク色の品種が開発されたことで、一気に人気に火がつきました。
その後はさらに研究が重ねられ、先程お話ししたような八重咲きやフリンジ系の品種、豊富な色のお花の品種がどんどん開発されています。
大手種苗メーカーは、「いつかトルコキキョウがバラを超える日がくる」と考え、現在でも新しい品種を次々と開発しています。
毎年新しい品種が見られて、楽しみですね。
ところで、トルコキキョウに毒がある、というお話しを聞いたことがある方はいらっしゃいますか?
実はこれは、人間にとって毒なのではなく、猫や犬などのペットにとって、というお話なんです。
名前がよく似たキキョウは、根茎に薬効成分であるサポニンが含まれていますが、それが小さな体のペットにとっては毒になります。
トルコキキョウにはこのサポニンは含まれていませんが、猫の大好きなマタタビに似た成分が含まれているため、食べてしまう猫がいるようです。
明確に毒性があるとはされていません。
ですが、ペットの小さな体では少しの薬効成分でも強く作用してしまうことがあるので、注意してあげてくださいね。
さて、ここまでトルコキキョウがどんなお花なのかをお話ししてきましたが、実際に育てる場合にはコツやポイントがあるのでしょうか?
次はトルコキキョウの育て方、種まきや水やり、切り戻しの仕方などについて、お話ししていきます。
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トルコキキョウ育て方!種まきや水やりや切り戻し等のコツは?
それでは、トルコキキョウの育て方を、種まきから順にご説明していきますね。
【種まき】
実はトルコキキョウを種から育てるのは、少し難しいです。
・・・というのも、種まきから発芽、その後の苗になるまでの温度管理をこまめにしなければならないからです。
特に、寒さに弱いので、雪が頻繁に降る寒い地域では、小さな苗の状態で冬越しするのは、設備が整っていないと難しいでしょう。
冬の最低気温が頻繁に5℃を下回る地域にお住まいの方や、温度管理にちょっと自信がないかも…という方は、苗から育てるといいですよ。
※苗から育てたい方は、ここからは飛ばして【植え付け】のところからお読みくださいね。
さて、トルコキキョウの種まきは、9月から10月に行い、苗の状態で越冬させます。
種はとても小さいので、市販されているものは、天然素材の粘土鉱物などでコーティングされた、ペレットシードになっていることが多いです。
ジフィーセブンなどのそのまま植え替えられる種まきポットや、セルトレイに市販の種まき用土を入れたものに、2、3粒ずつ種をまきます。
光を好む種なので、覆土はしません。
種の周りのコーティングが崩れるように、たっぷりお水をかけてあげます。
発芽温度が20℃前後なので、芽が出るまではこの温度を維持するようにして、風通しが良い明るい日陰で管理してくださいね。
また、25℃を超える気温下だと、成長が止まって横に伸びてしまう、ロゼット化が起こるので、こちらも注意が必要です。
芽が出るまで、30日近くかかるので、その間、土を乾燥させないようにします。
底面給水でお水をあげ、受け皿にお水を入れたままにしておいて、2、3日ごとに入れ替えてくださいね。
発芽後、混み合ってしまったところはピンセットなどで間引きをしてください。
【鉢上げと育苗】
発芽して双葉がよく開くまで、さらに1ヶ月ほどかかります。
トルコキキョウはゆっくり成長するお花なので、焦らず見守ってあげてくださいね。
その後、本葉が2〜4枚になったら、育苗ポットに鉢上げしていきます。
育苗ポットに、小粒の赤玉土6:腐葉土4の割合で混合した用土を入れ、よく湿らせておきます。
トルコキキョウの苗をピンセットでそっと抜き、根が真下に伸びるように、育苗ポットに植え付けます。
この時、抜く前に周りの土をよく湿らせておくと、苗が抜きやすいですよ。
植え付け後は、土が乾かないように霧吹きでお水をあげ、ネットなどで遮光して管理します。
二週間ほどで根がつきますので、ネットを外して日に当ててくださいね。
遅くとも12月までには鉢上げして、定植までは室内で管理します。
冬の間は、15℃を下回らないように、室内の暖かいところで管理してください。
【植え付け】
植え付けは3~5月頃の、日中の気温がトルコキキョウの最低生育適温である15℃以上になる時期に行います。
私は、サクラが咲き始めた頃に準備を始めています。
トルコキキョウは、暖かくて乾燥した気候を好みますので、風通しと日当たりが良い場所で育てていきます。
ただ、真夏の強い日光や雨が苦手なので、地植えではなく、移動できるプランターで育てた方が良いですよ。
植え付け後は、雨が当たらないように、天気の悪い日には軒下などで管理してください。
また、背が高くなってきたら、風などで倒れてしまわないように、花が咲く前に支柱を立ててあげてください。
早ければ、6月下旬くらいから、かわいいお花を咲かせてくれますよ。
【用土】
トルコキキョウは、弱酸性の水はけの良い土を好みます。
赤玉土:腐葉土=7:3くらいの割合で配合した土に緩効性肥料を混ぜたものや、市販の草花用培養土を使ってください。
水はけをよくするために、鉢底石を2、3cmほど入れます。
トルコキキョウは一鉢に一株ずつ育てた方が、丈夫に育ちます。
直径12cmの4号鉢に一株か、大きいプランターなら15cmくらいの株間をとってください。
【水やり】
トルコキキョウは加湿を嫌いますが、乾燥しすぎてもダメなお花です。
ちょっとワガママですね…。
自生地では、芽吹きからつぼみの時期までが雨季、お花が咲いている時期が乾季に当たるので、このイメージでお水をあげていきます。
茎や葉を伸ばしている成長期には、土の表面が乾いたらお水をあげ、花が咲いている時期は土全体が乾いたら、たっぷりあげてください。
【肥料】
トルコキキョウは、定期的に肥料をあげて育てていきます
種まき後から鉢上げまでの間は、1か月に一度、液体肥料をあげてください。
室内での越冬中と、定植後のつぼみがつくまでは、緩効性肥料を2か月に一回程度与えてください。
花が咲いた後は、あまり肥料を必要としません。
ただ、私のようにトルコキキョウのお花を2回咲かせたい、というちょっと欲張りな方は、夏の前に一度切り戻しをして、緩効性肥料を施しておくといいですよ。
【摘心・切り戻し】
お花の数を増やしたり、長く楽しむために、「摘心」と「切り戻し」の剪定作業をしましょう。
摘心は、わき芽を増やすために、先端の芽を摘む作業です。
5〜6月頃に、トルコキキョウの茎が5、6節(茎の葉がついているところを下から1節と数えます)まで伸びたところで、先端の芽を摘み取ります。
摘心をすることで、わき芽が増え、たくさんのお花を咲かせてくれるようになります。
切り戻しは、伸びすぎた茎を半分から1/3くらい残して切る作業です。
初夏の、花が7、8割程度咲いたところで、株元から2、3節残して茎を切り取ります。
緩効性肥料を追肥して、直射日光を避けた風通しの良いところで夏越しすると、秋にもう一度お花が楽しめますよ。
また、剪定ではありませんが、お花が咲いた後の花がらはこまめに摘み取ってください。
そうすることで、種を作るために栄養を取られてしまうのを防ぎ、病気の予防にもなります。
さて、丹精込めて咲かせたトルコキキョウを増やすには、どのような方法があるのでしょうか?
次はトルコの増やし方について、お話ししていきます。
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トルコキキョウの増やし方!挿し木や株分けのポイントは?
トルコキキョウは挿し木で増やすことができます。
お花が咲き終わった後に出てくるわき芽をを使って、挿し木をします。
わき芽を10cm程度の長さに切り取り、葉が3、4枚になるようにしてから、1時間ほど水につけておきます。
市販の挿し木用の用土にさして、明るい日陰で管理していきます。
種まき後や植え付け後と同じように、土の表面が乾いたらお水をあげてください。
1ヶ月ほどして、新しい芽が伸びてきたら、根が出てきたサインです。
植木鉢などに定植して、苗の植え付け後と同じように管理してください。
ところで、トルコキキョウは、挿し木以外でも増やせるのでしょうか?
トルコキキョウは、根をいじられるのが苦手なお花なので、株分けで増やすのは難しいです。
最初にお話しした、種まきで育てるか、挿し木で増やしてみてくださいね。
ところで、挿し木で増やしたトルコキキョウは、どのように冬を越せばいいでしょうか?
次はトルコキキョウの冬越しについて、お話ししていきます。
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トルコキキョウの越冬!コツや注意点は?
トルコキキョウは本来、寿命が短い多年草ですが、寒さや多湿に弱いため、日本では一年草として扱われています。
ただ、種まきや挿し木のところでもお話ししましたが、小さな苗の状態で越冬をして、来春に植え付けをしますので、その方法についてお話ししていきますね。
トルコキキョウは寒さに弱いため、暖かい室内で越冬させます。
昼夜を通して、15℃から25℃の気温を維持できるところにおいてください。
私は、昼間はサンルームに置き、夜はリビングに、とこまめに置き場所を変えています。
お水は土の表面が乾いたらあげ、2ヶ月に一度くらいのペースで液体肥料を与えてください。
早ければ3月頃、霜が降りなくなったくらいから外に出してあげましょう。
さて、このように大切に育てたトルコキキョウが病気になったり、虫に食われたりしたら悲しいですよね。
そこで、最後はにトルコキキョウがかかりやすい病害虫とその注意点についてお伝えしましょう。
トルコキキョウの病害虫の注意点は?
まず、トルコキキョウがかかりやすい病気に「灰色かび病」があります。
室内での越冬中や、3月から7月の成長期によくみられる病気で、淡い褐色のしみのような斑点が現れます。
また、立ち枯れ病にも注意が必要です。
これは、植え付けて間もない小さな苗などに、黄色や赤色のカビが生え、茎を腐敗させてしまいます。
どちらの病気も、治療することは難しいので、見つけ次第、病変部を取り除き、周りに殺菌剤を散布して消毒します。
春から初夏にかけて殺菌剤を葉の両面に散布すると、予防できますよ。
また、風通しが悪くなって蒸れるとかかりやすいので、枯葉や花がらはこまめに取り除いてくださいね。
私は水やりのついでにちょこちょこ摘むようにしています。
害虫では、アブラムシとヨトウムシに注意してください。
アブラムシは新芽やつぼみにつきやすいので、毎日チェックして、発見したら殺虫剤などで駆除します。
ヨトウムシは、ハスモンヨトウやヨトウガの幼虫で、葉や茎を食害します。
葉や茎に穴が空いていたら要注意、食べられた周りにだけでなく、土の中や鉢の裏なども良くチェックし、捕殺してください。
それでは、トルコキキョウの育て方等についてたくさんお伝えしましたので、最後にまとめましょう。
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まとめ
今回は、トルコキキョウの種類や育て方、増やし方などについてお話しました。
トルコキキョウの品種は、一単咲き、八重咲き、フリンジ系とさまざまあります。
育て方のポイントは、秋に種をまき室内で越冬、日中気温15℃くらいになったら外で育てます。
摘心で花数が増え、切り戻しで秋に2度目のお花を楽しめます。
挿し木で増やせるので、できた幼苗は室内で越冬、気温が15〜25℃くらいのところで育ててください。
病害虫は、灰色かび病、立ち枯れ病、アブラムシとヨトウムシにご注意。
少し育て方が難しい分、元気にお花を咲いてくれた時の喜びは、とても大きいです。
たくさんある品種から好みのお花を見つけて、きれいに咲かせてくださいね。
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