3月の半ば、たまたま立ち寄った園芸店で、キクの形に似た花の苗を見かけました。
選ぶのが困るくらい、実にカラフルな色合いです。
そう、これがオステオスペルマムなのです。
カラフルな色合いと聞いただけで、早速、育ててみようかなと思った人もいらっしゃるかと思います。
だけどオステオスペルマムの育て方がわからない・・・
いえいえ、悩むことはありません。
今回はそんなあなたのために、オステオスペルマムの育て方をはじめ、増やし方や寄せ植えのことまで、大公開します。
どうぞ、最後までご覧くださいね。
目次
オステオスペルマムとは?開花時期や特徴について
オステオスペルマムという名前を、はじめて聞く人もいらっしゃるかもしれませんね。
花の時期は3~6月で、長く楽しめる花です。
鉢も3月はじめ頃から出回ってきます。
オステオスペルマムは【マム】ですので、キク科の植物になります。
ですから花の形はキクです。(品種によってちょっと違ったのもあります)
キクには違いないのですが、オステオスペルマムは南アフリカ原産で、暑いところからきた花です。
だからカラフルで明るい色がパッと目を引くのが持ち味。
ピンク、紫、白、黄色、オレンジにパステルカラーと花の色も豊富です。
加えて花つきまでもよく、とっても優れものなのです。
そしてオステオスペルマムの最大の特徴は、昼咲いて夜は閉じる花ということ。
まさに太陽とともにある花なのです。
ここまででも、オステオスペルマムがだいたいどんな花かわかったかと思います。
付け加えですが、オステオスペルマムと混同されやすいのがディモルホセカです。
ディモルホセカのうち、宿根草のものがオステオスペルマムになります。
ということで次は、オステオスペルマムをもっと知ってもらうために、育て方について説明していきます。
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オステオスペルマムの育て方!植え付けや切り戻し等のコツ
オステオスペルマムを育てるのは、コツさえ掴めれば簡単です。
早速、栽培環境から見ていきましょう。
なお、以下にあげる時期的なものは、その年の気象やお住まいの地域によっても違ってくるので、その点はご了承ください。
①環境
オステオスペルマムは、年間を通じて、戸外の日当たりがよく風通しのいい場所での管理になります。
梅雨の時期などは特に雨が直接かからないようにします。
軒下などに鉢を移動させたりします。
暑くなる6~9月中旬は、直射日光を避けて半日陰に置きます。
日差しが強くなる時間帯だけでも鉢を移動できればいいですが、無理なら遮光ネットやよしづなどを使っても日よけはできます。
寒さには弱いので、冬に凍結しそうな環境なら、ビニールで覆うなどして霜よけをするか室内に取り込みます。
ただし室内の暖房のきいている部屋はダメです。
庭植えなら、雨や寒風の吹きつけない、日当たりのいい軒下などを選んで植えた方が後が楽だと思います。
②植え付け
オステオスペルマムの植え付けの時期は3~5月。
苗が店頭に並ぶのも3月からです。
はじめにポリポットから抜いた時、根が回り過ぎているかもしれません。
その時は根鉢をほぐします。
オステオスペルマムは湿気も嫌うので、深く植えず浅めに植えます。
元肥として緩効性化成肥料(効果がゆっくりの長もち肥料)を用土に混ぜます。
割りばしなどを使って隙間なく、植え付けていきます。
あとはたっぷりと水をやって完了です。
③用土
オステオスペルマムは水はけのいい土を好みます。
組み合わせの例としては赤玉土4:腐葉土3:パーライト1があります。
草花用培養土でも、もちろん大丈夫。
庭植えなら、あらかじめ腐葉土か堆肥をすき込んで土を作っておきます。
鉢植え、庭植えとも元肥を入れて下さいね。
④肥料
オステオスペルマムの追肥は夏を除いて、500〜1000倍に薄めた液体肥料を月1、2度与えます。
くれぐれもやり過ぎには注意します。
なお「②植え付け」でも触れた元肥は、リン酸(P)多めのものがいいようです。
⑤水やり
オステオスペルマムの水やりは、梅雨期から夏の間と冬は、乾かし気味に水やりをします。
梅雨の間は過湿にならないように注意です。
それ以外の時期は、土の表面が乾いたらたっぷりと水をやって下さい。
水やりはできるだけ葉や茎にかからないようにします。
⑥剪定(切り戻し)
オステオスペルマムの切り戻しは年2回、大切な作業です。
切り戻して新芽を促すことで、花付きをよくなるのです。
【花後の切り戻し】梅雨前、5月中旬~6月中旬。
この切り戻しは夏越しのためです。
できるだけ株を身軽で風通しのいい状態にし、病害虫の発生を防ぐのです。
株元から3分の1または半分のところまで切り戻します。
その際、若くて丈夫な葉は各株に1枚以上はつけておきます。
葉がないと光合成ができないので。
【秋の切り戻し】気温が下がってきてから、10月上旬~中旬。
株元から半分ぐらいのところを、わき芽の上で切り戻します。
ほかに【花がら摘み】も花つきをよくするため、やった方がいい作業ですね。
花後、種をつける前に花柄の付け根からカットします。
⑦病害虫
オステオスペルマムに心配なのは、【灰色かび病】と【アブラムシ】の被害です。
【灰色かび病】
多湿の時期に発生する、花弁やつぼみにカビが生える病気です。
被害部分は腐敗し、やがて株全体が枯れてしまいます。
繁殖力もすごい。
やはり普段から、過湿とならないように風通しのいい環境を作っておくことでしょうね。
予防・治療を兼ねた薬剤もありますよ。
【アブラムシ】
春から秋にかけて発生します。
新芽や葉の裏に気が付いたらベットリということがよくあります。
アブラムシはウイルス病を媒介するので油断できません。
見つけたらただちに殺虫剤で処理です。
ちなみに私は、オルトラン粒状を植え付け時から混ぜて予防しています。
ここまで、いかがでしたか?
はじめに言った通り、オステオスペルマムを育てるのは難しくないでしょう?
育て方までいったところで、次は増やし方についてお話していきたいと思います。
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オステオスペルマムの増やし方!挿し芽などのポイントは?
オステオスペルマムは簡単に、挿し芽で増やすことができます。
種まきでも増やせるので、あわせて説明していきます。
【挿し芽で増やす】6月または9月が適期。
まず、挿し芽となる挿し穂とりからです。
①柔らかい新芽を選んで、枝の先端から6cmほどの長さでカットします。
切り口は鋭く斜めになるようにします。
葉は下葉は切り取って3~4枚ほど残します。
これで挿し穂がとれました。
②挿し穂はコップなど水をいれ1時間ほどつけておきます。
その後、発根促進剤をつけます。(つけなくても大丈夫ですが、つけた方が発根率はよくなります)
③挿し床になる用土をあらかじめ湿らせておきます。
差し床になるのは、挿し芽用培養土のほかピートス、鹿沼土小粒、ピートモス:5パーライト:5のブレンドなどです。
④挿し床に割りばし等で穴をあけておき、そこに挿し穂を挿していきます。
⑤発根するまで明るい日陰で管理します。
土が乾いてきたら水やりをしていきます。
おそらく3週間ほどで発根すると思われますので、鉢上げまで1ヶ月ぐらいをみていて下さい。
【種まきで増やす】
オステオスペルマムは種が採りにくいのですが、採れないこともありません。
ただオステオスペルマムは自家受粉(同じ株の花からの花粉で受粉)ができないようです。
そうすると種をつくるには、いくつかの株を用意して花を咲かせ、「虫媒介で受粉させる」または「花粉を別の株の花のめしべにこすり合わせて、人工的に受粉させる」になりますね。
後者は品種の異なるものを交配させれば、オステオスペルマムの新品種ができたりして、案外、楽しいかもです。
では種まきの手順です。
①6月ごろ種が採れます。
種まきは9~10月がいい時期なので、それまで封筒などに入れて保管しておきます。
②種まき用の土を用意し、あらかじめ十分湿らせておきます。
表面に種を2cm間隔でまきます。
種が隠れるくらいに覆土をします。
③たっぷりと水をやって、半日陰で管理します。
発芽まで、湿らせた状態を保つようにして下さい。
10日あれば発芽するかと。
本葉が3、4枚になったところで鉢上げになります。
さて、オステオスペルマムの増やし方の説明まで終わりました。
圧倒的に簡単なのは挿し芽で増やす方なのですが、種まきでの方がなかなか面白そうでしたよね。
ただ、せっかく花の時期も長いオステオスペルマム、寄せ植えでも楽しまないともったいないです。
ということで次は寄せ植えについて紹介します。
あわせて寄せ植えのコツやポイントについてもお話しますね。
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オステオスペルマムの寄せ植えのコツとポイントは?
オステオスペルマムは春から初夏までを彩る花です。
他の花の時期とも重なり、オステオスペルマムが豊富な色合いを持つことから、いろんな寄せ植えができるでしょう。
どんな植物と合うか、以下に挙げてみました。
①ヘリクリサム
②アイビーゼラニウム
③ディアスキア
④宿根ネメシア
⑤ブルーデージー
⑥キンセンカ
⑦ボロニア
⑧アネモネ
⑨スイートアリッサム
⑩ブルーサルビア
なじみがないような植物だけご紹介します。
①ヘリクリサムは銀色の葉が美しく横に広がる性質がある。
②アイビーゼラニウムはほふく性のゼラニウム。
③ディアスキアは伸びた茎の先に小さな花がつく(キンギョソウに似たつき方)。
⑦ボロニアは釣り鐘形の花が枝一杯につく常緑低木。
①~⑤はオステオスペルマムと同じく南アフリカ産なので、同じような管理で済みます。
寄せ植えの前に、まず仮置きして全体の配置を決めます。
横に広がるヘリクリサム、アイビーゼラニウムなどは、鉢の縁側になるでしょうか。
オステオスペルマムは過湿を嫌います。
寄せ植えを長持ちさせたいなら、大きめの鉢でちょっとゆったりめに植えた方がいいかもしれませんね。
配置が決まったら、苗と苗の間に土を足していきます。
割りばしなどを使って隙間なく土を入れ込んで、表面を平らに仕上げます。
あとはたっぷりと水をやります。
植え付け後2~3日は半日陰に置きましょう。
好きな植物と組み合わせて、オステオスペルマムの寄せ植え楽しんで下さい。
ここまででオステオスペルマムの育て方、増やし方、寄せ植えの説明まで終わりました。
すでにオステオスペルマムを栽培していて、上手くいかなかった経験をお持ちの人もいらっしゃるかと思います。
「ちゃんと面倒見てるのになぜ?」
ですよね!
最後は、そんな栽培にかかわる「なぜ?」についてお答えします。
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オステオスペルマムの花が咲かない、枯れるなどの原因と対処法
ここでは、オステオスペルマムを育てていて、いちばん多い悩み「花が咲かない」「枯れる」について取り上げます。
それぞれ原因と対策を探っていきましょう。
【花が咲かない】
原因「①根腐れ」「②根詰まり」を起こしているのが考えられます。
対策①水のやり過ぎはないでしょうか?
オステオスペルマムは南アフリカ原産なので少々乾燥したくらいでは、大丈夫。
むしろ湿気の方に弱いのです。
鉢を抜いて根が弱っているようなら、土を落とし新しい土に変えてください。
対策②オステオスペルマムは根の張りが早く、根詰まりを起こしやすいです。
根詰まりで成長が阻害されると、当然花つきも悪くなります。
鉢を抜いて根がかなり回っているようなら、大きい鉢に植え替えます。
【枯れる】
原因①灰色かび病のせいかもしれません。
対策①育て方の「⑦病害虫」のところでもお話しましたが、花弁やつぼみにカビが生える病気で、株全体が枯れてしまいます。
これは過湿が原因なので、しっかりと切り戻しや花がら摘みをして、普段から風通しのいい環境を作っておきましょう。
それでは、オステオスペルマムの育て方について最後にまとめます。
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まとめ
今回はオステオスペルマムの育て方等についてお伝えしました。
オステオスペルマムは春から初夏をカラフルな色で彩る花です。
日当たりがよく風通しのいい場所で育てます。
主に挿し芽で増やせますが、種からでも増やせます。
寄せ植えはオステオスペルマムと同じ原産地の植物と植えると、管理も楽です。
花が咲かないのは、根腐れや根詰まりを起こしているのかもしれません。
明るい色でたくさんの花をつけて、とても目をひくオステオスペルマムです。
是非、育てて楽しんで下さいね。
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