桔梗の育て方!植え替えや増やし方等のコツとポイントとは?

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初夏の緑陰の下、凛とした立ち姿で咲く桔梗(キキョウ)の花は、涼しげで美しいですね。

寺院の庭園に植えられていることもあり、古くから愛されていたお花であることがわかります。

 

そんな桔梗の花を育てて自宅でも楽しむためには、どうしたらいいでしょうか?

 

今回は、桔梗の育て方や植え替えの方法、増やし方のコツやポイントについて、初心者の方にも分かりやすくお伝えしたい思います。

桔梗(ききょう)とは?

さて、桔梗(キキョウ)はどんなお花なのでしょうか。

 

桔梗は、キキョウ科キキョウ属のお花で、東アジアに広く自生しています。

日本でも山野の草地などでよく見られましたが、近年では絶滅危惧種に指定されています。

なので、自然の中で咲く姿を見るのは、難しくなってきてしまいましたね。

 

私はトレッキングの途中で一度、見かけたことがあります。

草原の中で他の草木と風に揺れる姿はとても美しく、疲れを忘れさせてくれました。

 

ところで、桔梗といえば、秋の七草の一つとしても有名ですね。

秋の七草は、山上憶良が詠んだ、この2首の歌に由来しています。

 

「秋の野に 咲たる花を 指折り かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」

「萩の花 尾花葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなえし) また藤袴 朝顔の花」

 

この朝顔の花がキキョウを指すというのが、現在の定説です。

秋の七草は春の七草とは違い、その美しさを愛でて楽しむものです。

 

キキョウの、秋の野山で可憐に美しく咲く姿に、平安時代の貴族達も心惹かれたんですね。

 

他にもキキョウは古くから漢方薬や食用に利用されてきました。

キキョウの根には、咳止めや熱冷ましの効果があります。

 

また、韓国料理が好きな方は、「トラジ」という言葉を耳にしたことがあると思います。

「トラジ」は韓国語でキキョウの意味なんですよ。

 

ナムルやサムゲタンなどに入れて食べるのが一般的です。

 

さて、古くから観賞用だけでなく、さまざまな形でキキョウは日常生活に溶け込んでいたことがわかりましたね。

次はキキョウをより身近に鑑賞できるように、キキョウの育て方についてお話ししていきます。

 

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桔梗の育て方!種まきや水やりや摘心等のポイントは?

それでは、桔梗の育て方について、わかりやすく項目別にお話ししていきますね。

 

【種まき】

種まきは、3月〜5月に行います。

秋まきもできますが、春まきの方が簡単で育てやすいので、今回は春まきのご説明をしますね。

 

発芽温度が15〜20℃なので、お住まいの地域によって、調整してください。

私は、桜が咲き終わる頃を目安にしていますよ。

 

育苗箱やポットに、市販の種まき用の用土を入れ、種をまきます。

一つの穴に4〜5粒をまき、種が隠れるくらい薄く覆土をします。

 

日当たりの良い場所に置き、発芽するまでは乾燥しないように、毎日水をやります。

20日前後で発芽しますので、本葉が出たところで間引きをしてください。

 

本葉が4、5枚になったらいよいよ植え付けです。

 

【植え付け】

植え付けは日当たりが良く、水はけの良い所に植えます。

少し酸性よりの土を好むので、鉢植えの場合は、赤玉土(小粒):鹿沼土:腐葉土=5:3:2くらいの土に、緩効性肥料を混ぜます。

 

庭に植える時は20cmほど盛り土をして、堆肥を混ぜ、排水性を確保してあげて下さい。

購入した苗を植える場合、根がポットの中で巻いているようでしたら、少しちぎって植えてください。

 

20cm間隔くらいで植えると、大きくなった時に蒸れにくくて良いですよ。

 

【水やり】

鉢植えの場合は、乾いたらたっぷりとあげます。

春、秋は週に2、3回、夏場は一日一回くらいのイメージです。

 

地植えの場合は、夏の高温・乾燥時以外は必要ありませんよ^^

 

【肥料】

鉢植えの場合は、花が咲く頃に液体肥料を月に2、3回与えます。

 

地植えの場合は、植え付け時にしっかりと堆肥を混ぜこんでいれば、追肥の必要はありません。

「何だかお花のつきがわるいかも」と感じたら、鉢植えと同様に液体肥料をあげてください。

 

【剪定・切り戻し】

初夏に一度花が咲いたら、切り戻しをします。

株元の1/3〜1/2くらいを残して、切り取ります。

 

切り戻しを行うことで、その後再びお花を咲かせてくれますよ。

また、キキョウは蒸れに弱いので、あまり葉が混み合っているようでしたら、透くように株元から剪定してください。

 

【冬越し】

キキョウは宿根草なので、冬越しが可能です。

秋に花が終わり、葉や茎がが枯れ始めたら、地上部を株元で刈り取ってください。

 

寒さに強い植物なので、冬越しのためにすることは特にありません。

 

ただ、藁やチップなどで地表面を覆うマルチングがしてあると、蒸れてしまって弱ってしまうことがあります。

お庭の落ち葉など、きれいに掃除しておいてくださいね。

 

ここまでキキョウの育て方についてお話ししてきましたが、実はキキョウは意外と大きな株になります。

特に鉢植えでは、根が詰まりやすくなるので、そんな時は植え替えをしてあげましょう。

 

次は植え替えの方法についてご説明していきます。

 

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桔梗の育て方!植え替えの時期やポイントは?

キキョウの植え替えは芽出しの前、3月〜4月に行います。

鉢植えの場合は、2〜3年に一度くらいを目安にしてください。

 

鉢から抜いた苗の土を良く落とし、長く伸びた根を切り詰めます。

ゆったり成長できるように、ひと回り大きな鉢に植え替えてあげてください。

 

植え替え後は、根を切っているので、鉢の表面が乾いたらたっぷりとお水をあげるようにします。

地植えの場合は、株分けを兼ねて植え替えをします。

 

次は株分けの方法と、挿し芽での増やし方について、ご紹介していきますね。

 

桔梗の増やし方!株分けや挿し芽のポイントは?

【株分け】

大きくなったキキョウを、株分けで増やす方法です。

私はお庭のレイアウト変更も兼ねて、3年毎くらいにやっています。

 

植え替えの時期と同様、3月〜4月の芽出し前に行います。

株を掘り起こし、根茎をナイフなどで切り分けます。

 

キキョウの根はゴボウのように太い根なので、ゴボウを何本かずつに分けるイメージで切り分けてください。

 

また、この時分けた株のどちらにも芽がついているように注意してください。

分けた株を植え付け時と同じように植え、完了です。

 

芽出しまでは、地表面が乾いたらたっぷりと、こまめにお水をあげるようにしてくださいね。

 

【挿し芽】

キキョウは挿し芽でも増やすことができます。

挿し芽は新芽の季節、5月〜6月に行います。

 

新芽を5cm程度に切り、1時間くらい水につけておきます。

ポットなどに湿らせた市販の園芸用土を入れ、挿し芽を植え付けます。

 

一週間くらいは日陰で管理し、土が乾かないようにこまめに水をあげてください。

 

その後は直射日光の当たらない、明るいところに移してあげます。

私は南側のお庭の、ハナミズキの下に置いています。

 

1か月ほどして、新しい葉が出てきたら、植え付けてください。

 

では、続いてはお花を育てる時の悩みのタネである、病害虫についてお伝えしますね。

桔梗は、どんな病害虫に注意すれば良いのでしょうか?

 

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桔梗の病害虫の注意点は?

キキョウは比較的育てやすいお花ですが、いくつか気をつけたい病害虫があります。

 

一つは立ち枯れ病という病気です。

これは風通しが悪かったり、水はけが悪かったりすると、根本付近の茎が腐ってしまう病気です。

 

一度なってしまうと治療は難しいので、枯葉を取り除いたり、剪定をしたりして蒸れを防ぎ、予防してください。

 

害虫で気をつけたいのが、アブラムシとクロウリハムシです。

 

アブラムシは新芽の時期、風通しや日当たりが悪いとつきやすいですね。

見つけ次第、薬剤を散布して退治してください。

 

クロウリハムシは、頭と腹が黄色く、羽が黒い6、7mmの甲虫です。

葉に丸く穴をあけて食害するので、他の害虫被害と区別がつきやすいですよ。

 

見つけ次第捕殺し、数が多ければ、薬剤を散布してください。

クロウリハムシはウリ科の植物の近くで産卵、孵化するので、近くにウリ科の雑草などがあるようでしたら、除去しておくことで予防になります。

 

それでは、桔梗の育て方や増やし方等について、最後にまとめましょう。

 

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まとめ

今回はキキョウの育て方についてご紹介してきました。

 

日本にも自生するキキョウは、古くから愛され、栽培されてきたお花でした。

種まきは3月〜5月に行い、日当たりと風通しがいい所に植えることが大切です。

 

また、初夏に一度、花が咲いた後に切り戻しをすることで、再びお花を楽しむことができます。

大きくなった株は植え替えをしたり、株分けをしてあげる必要があります。

 

挿し芽で増やすこともできましたね。

初夏のお庭で爽やかに揺れるキキョウ、丈夫で育てやすいお花なので、ぜひチャレンジしてみてください。

 

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