金のなる木と聞くと、和風のイメージが強いですよね。
ただ、種類によって洋風のお家にも合わせやすく、丈夫で育てやすい植物なんです。
どんな種類があって、どんな育て方をすればいいのかは迷うポイントでしょう。
そこで、今回は不思議な名前を持つ、金のなる木の種類や育て方、挿し木や寄せ植えのコツについてお話します。
最後に、花が咲かない、枯れる、垂れ下がると悩んでいる方へ向けて、原因や対処法もお伝えしますのでお楽しみに!
目次
金のなる木とは?種類や開花時期は?
「金のなる木」・・・良い名前ですが、どんな植物なのでしょうか?
和名をフチベニベンケイソウという、ベンケイソウ科の多肉植物ですが、一般的には「金のなる木」や「成金草」と呼ばれています。
まずはなぜ、「金のなる木」と呼ばれているのかからご紹介しますね。
理由は二つあります。
まず一つ目は、丸い葉が「硬貨」に似ているからです。
英語でも「dollar plant(お金の植物)」と呼ばれていますよ。
二つ目の理由は、日本に金のなる木が伝わった時の販売方法によります。
栽培業者が若い芽の先に5円玉硬貨を通し、そのまま成長させ、縁起物として販売しました。
まるでお金の実がなっているような姿から、「金のなる木」と呼ばれるようになったのです。
名前のインパクトから、5円玉がたくさん下がっているイメージしがちですが、実はお花を楽しめる品種もあるんですよ。
代表品種の「花月」や矮性種の「桜花月」などは、小さな星形のピンク色のお花がとても美しい種類です。
他にも葉を楽しむ品種として、白色の斑入りの葉にピンクの縁取りがある「花月錦」や黄色の斑入りの「黄金花月」などが人気の品種です。
縁起の良い名前でお花も楽しめる金のなる木、実は初心者でも育てやすい植物なんですよ。
では、金のなる木がどんな植物なのか分かったところで、育て方をみていきましょう。
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多肉植物である金のなる木は多湿を嫌います。
そのため、長い間雨にさらされていると腐ってしまうことがあるので、移動しやすい鉢植えで育てましょう。
それでは項目別に、育て方のポイントをご紹介していきます。
【栽培環境】
一年を通して、よく日が当たるところで育てます。
日当たりが悪いと、間延びして葉と葉の間が空き、形のバランスが悪くなりますよ。
春から秋は戸外で育ててもいいですが、最低気温が5℃以下になり、霜が降りる時期になったら、室内で管理します。
室内でも、窓際などの日当たりが良いところで育ててください。
私は暖かい時期は南側のテラスの一角に、冬はリビングで育てて、インテリアグリーンとして楽しんでいます。
ただし、斑入りの品種は葉焼けをしたり、斑が綺麗に出なくなったりするので、半日影で育てるといいですよ。
【植え替え・用土】
金のなる木は、苗ではなく、ある程度大きく育った状態で売られていることが多いです。
素敵な鉢もセットで販売されていることもありますので、購入した状態のまま育ててもいいですよ。
ただ、鉢底から根が出てきたら、一回り大きな鉢に植え替えてあげましょう。
植え替えの適期は、元気に成長している3月から6月と9月から10月です。
水はけの良い土を好みますので、サボテンや多肉植物用の土か、赤玉土:腐葉土:パーライト=5:3:2で混ぜた土を使ってください。
【水やり】
サボテンと同じように葉や茎に水分を蓄えているので、乾燥にとても強い植物です。
春から秋の成長期は、土が乾いたら鉢底から水が出るくらいたっぷりあげます。
冬は休眠期なので控え目にし、2週間に一度くらいの頻度で鉢全体に行き渡るくらいのお水をあげてください。
【肥料】
あまり肥料がなくても育つ植物です。
害虫被害にあった後など、元気を回復させたい時に、緩効性肥料を少量与えてください。
観葉植物用の肥料もありますので、そちらをあげてもいいですよ。
【剪定】
大きくなりすぎた株は、4月から10月の成長期に、伸びすぎた茎を好みの位置で剪定してコンパクトな姿にしてあげましょう。
剪定する時には、葉の付け根や茎の分かれ目から切ると、脇芽がよく伸びます。
葉の上に茎だけ残っていると、不要な部分に栄養がいってしまいますよ。
ところで、剪定した茎や葉を捨てるのは、なんだかもったいないと思ったことはありませんか?
剪定した時の茎や葉を利用して、金のなる木を増やすことができるんですよ。
次は、金のなる木の「増やし方」についてご説明していきます。
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金のなる木の増やし方!挿し木や葉挿しのコツとポイントは?
金のなる木の増やし方は、
- 「挿し木」
- 「葉挿し」
の二つの方法があります。
茎の部分を使って増やすか、葉を使うかの違いで、基本的な作業は一緒なので、まとめてご紹介していきますね。
どちらも4月から10月の成長期に行います。
挿し木は、元気な茎を選んで新芽部分を2、3節分くらいに切り取り、葉挿しは大きめの葉を選んで切り取ります。
数日間、風通しの良い日陰で乾燥させてください。
一度乾燥させるのが、他の植物の挿し木とは異なる大事なポイントですよ。
挿し木は茎が1cmくらい埋まるように、葉挿しは切り取った部分がほんの少し埋まるように、サボテンや多肉植物用の土に挿します。
1か月程、水は与えずに明るい日陰で管理すると、根が生えてきます。
そうなったら根を土で覆い、通常の個体と同じように育ててください。
葉挿しは土に埋めていた部分から可愛い小さな芽が出てきたら、元々の葉を切り取り、余計な栄養がいってしまうのを防ぎます。
さて、増やした金のなる木で多肉植物の寄せ植えにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
寄せ植えにすると、金のなる木がまた違った雰囲気で楽しめますよ。
次は寄せ植えにする時のコツやポイントについてお話ししていきます。
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金のなる木の寄せ植え!コツとポイントは?
寄せ植えを作る時に大切なポイントは、生育環境が近いものと組み合わせることです。
なので、金のなる木を寄せ植えにする時は、同じ多肉植物と組み合わせると、相性がいいですよ。
おすすめは、エケベリア・エレガンスやアエオニウム・夕映え、セダム・乙女心やコーカサスキリンソウなどです。
私は同じベンケイソウ科のエケベリア・花うららやセダム・オーロラなどと組み合わせて楽しんでいます。
また、金のなる木には色々な種類がありますが、なるべく小さく育つ、姫花月や黄金花月などの方が、寄せ植えに向いていますよ。
ところで、寄せ植えに限らず、植物を育てていると心配になるのが、お花が咲かないことや枯れてしまうなどのトラブルですよね。
次はさまざまなトラブルの原因と対処法についてお話ししていきます。
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金のなる木の花が咲かない・枯れる・垂れ下がる原因と対処法
この金のなる木、植えてからずいぶん経つのに、全然お花が咲かない…と思ったことはありませんか?
実は、金のなる木は、大きな株でないと、なかなかお花が咲きません。
また、品種によっては改良されていてお花が咲きにくい種類もあります。
まずは、ご自分の金のなる木が若い株だったり、お花が咲きにくい品種だったりしないかを、確認してみてください。
お花が咲いてもおかしくない種類なのに咲かない、ということであれば、日光不足と夏場の水にあげすぎが原因です。
一年を通じてしっかりと日光にあて、8月に1か月ほど水断ちをすると、11月から2月の冬の間にお花が咲きやすくなりますよ。
また、枯れてしまう一番の原因も、水のあげすぎです。
多肉植物は葉や茎にたっぷり水を蓄えているので、雨に当たったり、土がずっと湿っていると、腐って枯れてしまいます。
風通しがいいところに移動させたり、新しい土に植え替えたりして、湿気から守ってあげてください。
もう一つ、金のなる木でよくあるトラブルが、葉がシワシワになったり、突然クッタリと垂れ下がってしまうことです。
こちらの原因で考えられるのが、凍傷、つまり寒さで弱ってしまった状態です。
金のなる木を育てる時には、最低気温が5℃以下になるところに置かないように注意してください。
傷んでしまった茎や葉は残念ながら元には戻りませんので、取り除いてください。
日当たりが良く暖かいところで管理すると、また元気になり、可愛らしいぷっくりとした葉が楽しめますよ。
それでは、金のなる木についてたくさんお伝えしましたので、最後にまとめましょう。
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まとめ
今回は、金のなる木の種類や育て方などについてお話しました。
金のなる木はベンケイソウ科の多肉植物で、お花がきれいな「姫花月」や斑入りの「花月錦」などの品種があります。
育て方のコツは、日当たりが良いところを好み、雨や寒さを嫌いますので、鉢植えで育て、冬は室内で管理しましょう。
乾燥や痩せ地に強いので、水やりは乾いたらたっぷり与え、肥料は不要です。
剪定した茎や葉を利用した、挿し木や葉挿しで増やすことができます。
寄せ植えは、矮性種を選ぶと組み合わせしやすく、他の多肉植物と相性がいいです。
日当たりの悪さ、多湿や寒さが原因で、枯れたり花が咲かなかったりするトラブルになりますので、ご注意下さい。
鉢の選び方や品種によって、現代的なお家や洋風のインテリアにも合わせやすい金のなる木、お好みの品種を見つけて、気軽に楽しんでみてくださいね!
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